@この小説は定年間近の刑務官が「犯罪者を更生させたい」と言う気持ちから殺害事件で記憶喪失した被疑者の罪を晴らすべく、前科を負った仮出所男と捜査する複雑なミステリー探偵小説だ。10年以上前の事件、大金の報酬による匿名の依頼者、被疑者の記憶にある「階段」など疑問絡みの捜査だ。因みにこの小説で思うのは、死刑反対論者と賛成論者の立場の違い、無実でありながら死刑を受ける被疑者の心身の変化、また「一事不再理」の原則(一度確定判決を受けた被告人は、二度と同事件で裁かれる事はない)など法の矛盾と法務省・大臣等の人間の裁きは正しいのか等疑問を持った。
『13階段』高野和明
「概要」犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか
ー2人は殺害現場からの徹底した捜査をした。その中には通帳、印鑑、そして凶器を埋めた場所を探すべく3キロ4方を虱潰しに歩き回ったが何の手がかりも見つからなかった。
ー唯一被告人の記憶にある「階段」を捜すべく現場の家宅も見たが平屋で階段は見つからず呆然としたが、殺伐としてテーブルには手紙の山があり、その中に三上が正当防衛で殺した息子家族の名前が見つかった。が、保護士の保護観察者記録が見当たらなかった。だが、数年前に土砂崩れで潰れた廃寺の敷地を見逃していた。
ー事件解決の依頼者から「青年三上を外して欲しい」との意外な依頼と、保護士が豪華な屋敷を構えた事を疑問に思い、廃寺跡地を最後の望みをかけて堀漁る。
ー法務大臣の死刑執行承認は概ね議員解散の前に起こる場合が多い
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