@「蕗問答」人は見かけによらず人の才能は無限にある。それはその才能があることを見抜く方こそ才能が必要だと言うこと。 現代、上司は、部下の才能を見抜き抜擢できる才能がなくては部下はいくら頑張っても出世どころか昇給すらないと言う会社組織だ。恵まれない上司にはさっさと諦め「鞍変え」した方がいいと言う時代なのだ。
『山本周五郎作品集20』山本周五郎
「入婿十万両」
藩は財政難に大金の工面を大阪の大商人の倅に目を付ける。やがて家老の一人娘と結婚させ婿入りさせた。その理由は大商人の息子から借金の肩代わりをしてもらおうと考えていたが、やがてそれが実現した。それは昔この藩の出身がその大商人だったことがわかりその御恩顧としての見返りだったのだ。 侍を辞め、商人になり、その息子が侍の家に婿入りしたのだ。
「抜打ち獅子兵衛」
藩が簡易処分され15人の家臣と奥方、その娘がひっそり復帰を伺っていたが望みは稀有だった。そんな中一人の侍が江戸市中で賭け勝負をし、負けたことがない等の噂に水戸の松平の暴れん坊若殿が登場、勝負をする。勝負したのはもちろん武芸者の一人その家臣だったが負けた。それを聞いたその武士の奥方が武士にあるまじき行いと絶縁、だが武士は賭け勝負をやめないでいると若殿が武芸の腕を買い求めにきた。武士は支えるにあたって元の藩の娘を娶ってほしいと願いで、承諾された。だが、その武士は家臣になることを避け、若殿と2人だけの秘密としてその場を去った。 (自分の出世より御家の繁栄を望む。人の為に役立つ事をする、たとえ自分が犠牲になったとしても恩を返す)
「蕗問答」
江戸にて殿の恥を恥として残さぬようにと「秋田名物の大きな蕗」を届けにきた。だが別件の諫言を忘れて思わず座敷の娘を嫁に欲しいと行ってしまった。「忘れ寒森」と言われるほどの健忘症が嫁を娶ることになった。その嫁が何と家中に来ると切り盛りがうまく田を耕し、蕗を江戸に売り捌くまで考えると「忘れ寒森」も自慢話となった。 本多平八郎の言葉「座談の折などには真らしき嘘は申すもよし、嘘らしく聞こえゆる真は申すべからず」(人は見かけによらずその才能は無限にある)
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