自選句(テーマ別)

水たまり
わたくしの轍に残る水たまり

自選句

コピー機で拡大しましょ人生図
笹の葉の短冊の名はただ平和
さっぱりと別に嘘でもない本当
三浦清香

柳誌題詠

からから
三才
人　からっぽの隙間を埋める電子辞書
地　胸の内からっぽにする日記帳
天　潤いがなくて言葉がひび割れる

自選句(テーマ別)

稲妻
稲妻を抱く乳房の呼吸音

自選句

幻をたくさんいれてある袋
鶴の首きれいに折っている祈り
瓦礫見て軽い口など慎もう
前川千津子

柳誌題詠

題：からから
五客
片恋の枯れた体に雨が降る
下駄の音ぴたりと止んでもういいよ
賽の目が何を出そうか踊ってる
三猿が見てみぬふりの都市砂漠
煩悩の喉がからから空仰ぐ

自選句

桃
白桃のプライドそっとしておこう

自選句

いい年であったな妻と除夜の鐘
国民はねじれ選んだこと忘れ
四季ごとの風景映えて稲文化
藤原正明

自選句(テーマ別)

時計
ふらり来て亡父は時計のネジを巻く
同じ家に違う時計で生きている
休みたいとき休んでる古時計
老体の尻を叩いている時計
ユンタクに時計の針も笑い出す

自選句

呱呱の声天の恵みの宝物
古里に命を洗う川がある
人間の帰る所に母がいる
藤原紘一