血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

キンシャサノキセキ

2011-04-03 18:55:15 | 03年生
キンシャサノキセキ(フジキセキ×ケルトシャーン-Pleasant Colony)牡・03生

主:7 結:3 土:3 弱:4 影:3 質[近]:4 質[遠]:3 SP:4 ST:3 特:1(主導牝馬クロス)
合計:34+1点 クラス:3B 芝:7~10F ダ:7~9F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (7)

 主導はAlmahmoud5×6の系列クロス。その父Mahmoudを血統の3ブロックに散在させ血統全体を比較的強力にリードしている。しかしながら、父方ミルレーサー内にはMahmoudが存在せず、この部分の連動が弱い点は惜しまれる点である(そのため、父にフジキセキを配した場合Almahmoud~Mahmoudを主導とする事は万全とは言い難い)。また、母方においては、Nearco・Hyperionの影響も強く、その意味でもやや勿体ない配合だと考えられる。

○ 結合   (3)

 主導たるAlmahmoudと、6代目までに存在するクロスである、HyperionはGainsboroughで、Nasrullah~NearcoはBlenheimによって、PrincequilloはWhite Eagleによって結合を完了している(ただしAlmahmoudと直接結合を完了するのは10代目の為、実質的に間接結合だと言える)。しかしながら、Belle Mere(=Beau Pere)はHyperion内Bay Ronaldを通じて、RabelaisはHyperion内St.Simonを通じて、間接的にかろうじて結合を完了している。更に、Balladierは結合が完了していない等、完全異系交配ではあるものの、その結合力は決して良好であるとは言い難い。

○ 土台   (3)

 Gainsboroughが14ヶで土台構造を形成している。完全異系交配である点を考慮に入れても、やや貧弱であると言わざるを得ないが、Blandfordが10ヶでサポートしているのは幸いであると言えるか。

○ 弱点   (4)

 母方、Nalga内に欠陥を派生させている。完全異系交配である為にその影響は軽微であると考えられるが、比較的影響の強い部分である点である事を考慮に入れた場合、やはりその影響を受けていると考えられる。

○ 影響   (3)

 (3-3-5-4)と絶妙のバランスを形成している。決して超一流のバランスであるとは言い難いが、良好であると考えられる。

○ 質[近]  (3)

 3代目までに存在する血統は全体的に良好であると考えられる。底力勝負に対応可能な血統構成である。

○ 質[遠]  (4)

 主導たるAlmahmoudは、決して質の高い配合だとは言えないが、Hyperion・Nearco・Princequilloと影響の強いクロスは非常に質が高い。前述した質[近]と併せ良好な状態を形成している。

○ スピード (4)

 主導たるAlmahmoudのスピードを中核に、Nasrullahがアシストした形態。両者の連動は良好で、決して器用なタイプだとは言えないものの、スピードに良さがある配合。

○ スタミナ (3)

 Princequilloの単一クロスを中核にした配合。Princequillo内はPapyrus~Tracery・Gay Crusader・White Eagleが生きた為に、中距離向きのスタミナを補給している。アシストがやや弱いのが気にはなるが、比較的良好であると言える。

○ 特別配点 (1)

 主導牝馬クロス:Almahmoud


 総合的に見ると、主導勢力は比較的明瞭であるものの、結合力の弱さや欠陥の派生等、決して良好な血統構成であるとは言い難い部分も併せ持つ。また、この結合力の弱さや欠陥の派生は本馬の戦績において、不安定さや距離延長においてマイナスに作用していると考えられる。血統のみの考察においては、マイル~中距離を適性とするはずの本馬が、スプリント適性を見せたのは、この部分に由来すると考えられる。
 しかしながら、Princequilloを始めとして、Hyperion・Nearcoや7代目以降においてもKsar等の重厚な血を生かした為、成長力は秘めている配合だと考えられる。
 また、フジキセキの後継としての可能性だが、特殊な仏系であるTourbillon~Ksarの影響も強いため、この部分を連動させるのが非常に難解であると言える。可能性としては、Lyphardの単一クロス内に血統を連動させる形態も考えられるだろうか。


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