血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

オグリキャップ×アイランドオリーブ

2010-07-21 17:07:51 | 仮想配合
(オグリキャップ×アイランドオリーブ-サンプリンス)-・-生

主:7 結:6 土:4 弱:5 影:1 質[近]:2 質[遠]:3 SP:5 ST:3
合計:36点 クラス:3B 芝:5~9F ダ:5~8F
日本適性:◎ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 主導は、ネヴァービート4×4の中間断絶クロス。ネヴァービート内のNasrullahが5・6×4・6・6とクロスし系列クロスを形成したために、比較的強力に血統全体をリードしている。惜しむらくは、サンプリンス内のNasrullahが4代目からクロスした点および、単一クロスではあるもののBuisson Ardent(=ヴェンチア)4×3が若干主導の明確性を乱している。しかし、血統全体でNearco~Pharos(=Fairway)系が強く、その意味では幸運だと言えるだろう。

 また、オグリキャップの種牡馬としての難しさの一端を示す欧米系の結合であるが、前述したBuisson Ardent(=ヴェンチア)4×3及び、主導たるネヴァービート4×4が血統の前面において見事に、Man o'War~Fair Play・Black Toney・Ben Brush・Dark Legend・Rock Sand等を結合を完了させているのが見てとれる。

 また、血統を底支えする土台構造として、Phalarisが20ヶと非常に堅牢な状態を作り出している。ただし、影響度バランスは(3-9-13-13)と決して褒められるものでは無く、開花は早いタイプではあるものの、常に安定感がある血統構成とは言えないのが、やや残念ではある。

 また、これといったスタミナの核が無い血統構成で、距離延長は確実に不利で、日本向きのスプリンター~マイラーだと言える。従って、父のような距離延長に対する適性や、生かされた血の質も平均点の域を超えるものでは無く、底力まで期待できる内容では無い。

 反面、スピード要素は父母の持つ血(特に祖母イットー)を上手く再現しているため、父の瞬発力の源ともなった、Tetratema・Lady Josephine・Mumtaz Mahal・The Tetrarchが再現され確実に主導へと結合している。

 偉大な先達の方々が目指した、中距離を克服できるようなタイプでは決して無いものの、日本向きのスピード配合として、面白い内容となっているのではないだろうか。もし、完全開花した場合、芝・ダート問わずマイル前後で決め手あるスピードを見せる事が可能となるだろう。

 オグリキャップに押された、突然変異、種牡馬失格の烙印はおそらく消えるものでは無いだろうが、ほんの少しでも、偉大すぎた彼への餞になればと思う。


2 コメント

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Unknown (Mahmoud)
2010-07-22 17:57:13
こういう仮想配合はいいですね。以前はちょくちょく仮想配合が載っているサイトを見かけましたが、最近は皆無に等しいかも・・・。

オグリキャップと同様、野武士的な風情のOverdoseをtakuさんに分析して頂ければと思います。

http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/pedigree.pl?data=202168

競走成績に違わぬいい配合だと思うのですが、いかんせん私では配合上の距離適性とかもう一つ掴めません。お時間が許す限りでお願いできたらと思います。
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Overdose (taku)
2010-07-22 23:01:36
 Mahmoudさん

 いつも、閲覧いただきありがとうございます。自分にとってMahmoudさんの投稿が何よりの励みになります。

 確かに、以前はたくさんの方々が五十嵐理論で血統解説をされていらっしゃいました。

 私自身の診断は方々の足元にも及びませんが、楽しみながら出来ればと考えています。

 Overdoseですね、了解いたしました。少々お時間をいただければ幸いです。じっくり診断してみたいと思います。貴重な機会を頂いた事なによりに思います。

 ちなみに、話半分にお願いします(汗)
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