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血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

ショウワモダン(安田記念)

2010-06-15 15:45:38 | 2010年GⅠ勝ち馬
ショウワモダン(エアジハード×ユメシバイ-トニービン)牡・04生

主:5 結:4 土:4 弱:5 影:3 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:33点 クラス:2B 芝:7~10F ダ:7~9F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 ショウワモダンは血統の前面で、Nasrullah(=Rivaz)5・6・6・7・8×5・6・7・7、及びHyperion5・7・8・8×5・7・7を形成した血統構成。両者は共に系列クロスを形成し、ショウワモダンの血統内において強力に自己主張をしている。また、両者において満遍なく血統を覆いつくし、かつ両者はChaucerにおいて結合を完了しているものの、連合勢力と言えるほどの協力体制を作り上げる事は出来なかった。従って、主導項目においての評価は並と言わざるを得ない。

 また、結合面においても、Blue Peter(=Full Sail)はPharos(=Fairway)で結合をきちんと完了をしているものの、Precipitationは結合できずその部分でも決して好評か出来るものでは無い。ただし、土台構造はかなり強固で、Pharos(=Fairway)が19ヶとこの部分については単純に評価に値するものと考えることができるだろう。

 また、ノーザンテーストが4代目に後退した事によって、血統表において大きな欠陥や弱点は存在せず、影響度バランスも(9-1-6-4)と悪くは無く、開花した場合には安定感がある配合だと言えるだろう。

 スタミナ勢力については、Hyperionが一応は核として機能してはいるものの、Lady Angelaやテスコボーイの影響が強く、決して万全とは言えず、Sir Gallahadは世代ズレをおこしている。その為、距離延長は本質的に不向きだと言えるだろう。

 反面、スピード勢力は数こそ多くは無いものの、比較的シンプルに日本向きの軽いスピードを生かした配合で、特に父父であるサクラユタカオーの生かし方は良く、サクラユタカオーの再現と言う意味においては、非常に良く出来た内容だと言えるだろう。

 決して、欧州の重い芝においてトップマイラーになるような配合とは言えないが、日本手作りの趣のある血統構成は、好感を抱くものである。出来ることならば、世界的に希少となった、Princely Giftの直系を遺してくれる活躍を願いたい(それは、真の意味において血統理論的と呼べるものでは無いだろうが…)。

エイシンフラッシュ(日本ダービー)

2010-06-04 16:03:21 | 2010年GⅠ勝ち馬
エイシンフラッシュ(King's Best×ムーンレディ-プラティニ)牡・07生

主:5 結:5 土:1 弱:5 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:5
合計:34点 クラス:3B 芝:9~15F ダ:8~11F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:○

 エイシンフラッシュは血統の前面で、Birkhahn5×5を作成した配合。このBirkhahnはAlchimist~Heroldと系列クロスを形成し、非常に珍しくはあるものの主導として機能している。しかしながら、その父Alchimistは血統の2ブロックにしか存在せず血統全体を見渡しても多数派という訳でもない。したがって、主導としての評価自体は高くは無い。

 また、土台構造はかなり散漫でPhalarisが10ヶと、相当貧弱だと言わざるをえない。とは言うものの、BirkhahnがPhalaris・Bay Ronaldを内包していたのは幸いだと言え、この両者によって、9代目までにぎこちなさは残るもののきちんと結合を果たしている。

 ドイツ系の異系配合でありながら、生かされたスピード勢力はNasrullah・Forliを生かしているため悪くは無く、やや物足りなさは残るものの決して悪くは無い。更に、スタミナ勢力は非常に強靭でTantieme・Hyperion・Magnat・Bahramとクロスさせ、それぞれ主導へとスタミナを補給している。本質的なステイヤーとしては若干もの足りなさを覚えなくもないが、7~8代目においてもスタミナ優位のクロスを作成し、国内の芝でなら間違いなく15F克服可能。個人的な見解ではあるが、このように7~8代目において隠し味的にスタミナを補給した配合は、長く脚を使えるタイプが多く、また本馬の場合シンプルな形態でこそ無いものの、クロス自体が少なく脆弱ではあるもののきちんと結合をしている為、瞬間的な反応のよさを見せてもおかしくはない。

 更に、血統全体を見渡してみると、これといった弱点・欠陥は存在せず、影響度バランスも悪くはない為、安定感のある血統構成だと言える。

 総括すると非常に珍しい血統構成ではあるものの、理にかなった部分がある血統で、今後の成長を含め興味深く見たい配合だと言えるだろうか。

サンテミリオン(オークス)

2010-05-24 20:01:59 | 2010年GⅠ勝ち馬
サンテミリオン(ゼンノロブロイ×モテック-Last Tycoon)牝・07生

主:6 結:6 土:3 弱:4 影:2 質[近]:3 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:34点 クラス:3B 芝:8~11F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 サンテミリオンは血統の前面でNearctic6×5および、Almahmoud5×6を形成した配合。両者の影響力は拮抗しており主導としては若干不明瞭であるが、血統全体を鑑みるにNearco~Pharos(=Fairway)系の流れが強い為に、どちらかを選べと言われた場合Nearcticが主導だと言えるか。

 また、異系交配の配合馬にしては全体の結合力は悪くは無く、NearcticとAlmahmoudはGainsboroughで8代目までに確実に結合している。他に6代目までに影響を及ぼしているクロスである、PharamondはPhalaris・Seleneで、Buckpasser・Native DancerはPharamond~Phalarisで結合し、前述したBuckpasserがWar Admiral~Man o'Warなど米系の血統をしっかりと結合させる粘着剤の役割を果たしている。これはかなりのレベルだと言える。更に土台構造もGainsboroughが16ヶと平均レベルは確保されているのが見てとれる。

 この結合力がサンテミリオン最大の武器で、仕上がった際には、粘りあるスピードを発揮できる可能性を秘めている血統構成だと言える。

 血統の前面においてはスピードが勝った配合だと見えるが、7~8代目においてSir Gallahad(=Bull Dog)~Plucky Liege・Hyperion・War Admiral~Man o'Warがしっかりクロスされ、結合力の強固さを生かして血統の前面へと吸い上げている為、本質的には中距離馬だと言えるだろう。惜しむらくは、母が抱えるMill Reef・Sicambreのスタミナを生かしきれなかった点で、本当に厳しい流れになった場合、脆さも同居する可能性があり12F克服は相手やペース次第だろうか。

 その、Mill Reefは母系クロスで4※4となってはいるものの、スタミナというよりはややスピードよりとなっている為に、徐々に8~10Fを守備範囲とするタイプにシフトしていくと考えられる。

アパパネ(オークス)

2010-05-24 19:13:29 | 2010年GⅠ勝ち馬
アパパネ(キングカメハメハ×ソルティビッド-Salt Lake)牝・07生

主:5 結:4 土:3 弱:5 影:3 質[近]:1 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:30点 クラス:2B 芝:6~9F ダ:5~8F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 アパパネは血統の前面で、Northern Dancer5・5・7×5及び、Nantallah7×6~Nasrullah6・7・8・8×6・7を形成した配合形態。このことから解るように、主導としては非常に不明瞭な配合形態で、実質的に評価項目からは削除しているものの、その位置も決して褒める事は出来ない。

 更に、Northern Dancer及び、Nantallah~Nasrullahの結合は、自身の土台構造を形成する、Nearco~Pharos(=Fairway)によって強固になされているものの、Count Fleetは10代目The Tetrarchで、Case Aceは10代目までに結合を完了できていない。実質的な異系交配であるものの、やはりこの結合力の弱さはひっかかる部分である。

 しかしながら、Northern DancerやMr.Prospector内のスピードの生かし方はなかなかきめ細かく、国内向きのマイラーとしては見るべき点もある。

 配合形態としては安易な内容だといえるだろうが(前面にNorthern Dancerクロスを作り生かし方が中途半端)、欧米系のスピードを再現できたのは幸運だと言えるだろうか。

ブエナビスタ(ヴィクトリアマイル)

2010-05-17 21:09:02 | 2010年GⅠ勝ち馬
ブエナビスタ(スペシャルウィーク×ビワハイジ-Caerleon)牝・06生

主:5 結:5 土:2 弱:5 影:2 質[近]:3 質[遠]:3 SP:4 ST:4
合計:33点 クラス:2B 芝:8~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (5)

 主導は、不明瞭ながらTurn-to5×5・6を伴うHail to Reason4×5。このHail to Reasonは、一見強力に血統をリードしているように見えるが、Royal Chargerが断絶した点と、単一クロスでありながらNijinsky4×3が作成された点、Almahmoud5・7×6の系列クロスを作成した点、などを考慮した場合決して高評価できる形態ではない。しかしながら、Hail to Reason・Nijinsky・Almahmoudの三者の連動性は比較的良好なのは幸いで、主導に対しての評価はかろうじて平均レベルにあると言えるだろう。

○ 結合   (5)

 主導たるHail to Reasonと、6代目までに存在するクロスである、Turn-to・NearcoはHail to Reasonに含まれる血統で確実に結合している。また、PharamondはPhalarisで、AlmahmoudはGainsboroughで、StymieはMan o'Warで、NijinskyはNearco・Sir Gallahad(=Bull Dog)を通じて非常に強固に、HyperionはGainsboroughを通じて、それぞれ強固に結合を果たしているものの、PrincequilloはAlmahmoud内White Eagleを通じて間接的に結合を完了している点と、FeolaはHyperion内Son-in-Law~Dark Ronald~Bay Ronaldを通じ間接的に結合している点は明らかにマイナスだと言える(FeolaはBay Ronaldを10代目に配したためにその結合具合は極めて疑問で、実質的に未結合状態と言って差し支えないレベル。この評価は結合を完了していると判断している)。結合の弱い部分は比較的影響が弱い点である事と、Hail to ReasonとNijinskyの結合が極めて強力であるのは幸いだろうか。

○ 土台   (2)

 Pharos(=Fairway)が14ヶで形成。近交馬にしては非常に貧弱で、安定味にかける内容だといえる。しかしながら、Gainsboroughが13ヶでサポートしているのは幸いだと言えるか。ただし、全体的に見るとかなり不満が残る。

○ 弱点   (5)

 近交馬ではあるものの、血統表上において大きな欠陥は存在しない。若干、母母アグサン内Ticinoにおける、8代目Dark Ronaldの結合が弱い点が気にはなるが、さほど大きなマイナスではないだろう。ただし、近交馬としてはやや良いと言った程度。

○ 影響   (2)

 影響度バランスは(10-6-16-4)と決して優れたバランスとは言えないが、強調された部分にHail to Reason・Nijinsky・Almahmoudが配されたのは幸いで、父父サンデーサイレンス、母父Caerleonの生かし方は良く、その意味でも一定の評価はできる。

○ 質[近]  (3)

 母ビワハイジの血統レベルは決して高いとは言い難いが(それでも平均点にはある)、父方スペシャルウィーク~サンデーサイレンス、母方Caerleon~Nijinskyと各父系のラインは質が非常に高い。底力ある血統構成。

○ 質[遠]  (3)

 主導たるHail to Reasonは決して質が高いとは言い難いが、影響の強いNijinsky、Princequillo~Prince Rose、Hyperion等がそれをサポートしたのは幸いだと言える。主導の質が低いため、極めて良好とは言えないのが惜しまれる点である。

○ スピード (4)

 主導たる、Hail to Reason内Turn-toを中核に、Almahmoud・Pharamond・Menowと日本向きの軽いスピードを生かした配合形態。血統全体を見た場合、やや乱雑にすぎる為常に軽いスピードを見せられるタイプではないだろうが、仕上がった場合相応の破壊力を見せる事は可能だろう。

○ スタミナ (4)

 Hyperion・Princequillo~Prince Rose・Bull Lea(その父Bull DogがPlucky Liege
を伴いスタミナ勢力となっている)を中核にした配合。この底力溢れるスタミナを比較的上手く主導勢力に結合させたのは、ブエナビスタの大きなセールスポイントで、7代目以降においても、スタミナ優位で芝12F克服可能だと判断した。


 総合的に見ると、生かされたスピード・スタミナがかなり良好なだけに、主導の明確性が失われた点が非常に惜しまれる内容で、ちぐはぐな内容だと言える。しかしながら、仕上がった際にはかなりの破壊力を秘めた内容で、底力や成長力にも期待が持てる。牝馬としては非常に重厚で、本来は開花が困難なタイプだと言える。
 それだけに、欧州のような深い芝にも対応できるタイプだと考えられるが、主導の不明瞭さや、結合・土台構造の弱さ、また影響度バランスの悪さなどは明らかにマイナスポイントで、多種のスピード要素を生かしてはいるものの、決して器用なタイプだとも言えない。
 また、この手の配合タイプは全兄弟で能力が異なるタイプが多いと推測される。常に信頼できるタイプでは無いだろうが、それなりに魅力がある内容であるとも言えるか。