血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

サンテミリオン(オークス)

2010-05-24 20:01:59 | 2010年GⅠ勝ち馬
サンテミリオン(ゼンノロブロイ×モテック-Last Tycoon)牝・07生

主:6 結:6 土:3 弱:4 影:2 質[近]:3 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:34点 クラス:3B 芝:8~11F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 サンテミリオンは血統の前面でNearctic6×5および、Almahmoud5×6を形成した配合。両者の影響力は拮抗しており主導としては若干不明瞭であるが、血統全体を鑑みるにNearco~Pharos(=Fairway)系の流れが強い為に、どちらかを選べと言われた場合Nearcticが主導だと言えるか。

 また、異系交配の配合馬にしては全体の結合力は悪くは無く、NearcticとAlmahmoudはGainsboroughで8代目までに確実に結合している。他に6代目までに影響を及ぼしているクロスである、PharamondはPhalaris・Seleneで、Buckpasser・Native DancerはPharamond~Phalarisで結合し、前述したBuckpasserがWar Admiral~Man o'Warなど米系の血統をしっかりと結合させる粘着剤の役割を果たしている。これはかなりのレベルだと言える。更に土台構造もGainsboroughが16ヶと平均レベルは確保されているのが見てとれる。

 この結合力がサンテミリオン最大の武器で、仕上がった際には、粘りあるスピードを発揮できる可能性を秘めている血統構成だと言える。

 血統の前面においてはスピードが勝った配合だと見えるが、7~8代目においてSir Gallahad(=Bull Dog)~Plucky Liege・Hyperion・War Admiral~Man o'Warがしっかりクロスされ、結合力の強固さを生かして血統の前面へと吸い上げている為、本質的には中距離馬だと言えるだろう。惜しむらくは、母が抱えるMill Reef・Sicambreのスタミナを生かしきれなかった点で、本当に厳しい流れになった場合、脆さも同居する可能性があり12F克服は相手やペース次第だろうか。

 その、Mill Reefは母系クロスで4※4となってはいるものの、スタミナというよりはややスピードよりとなっている為に、徐々に8~10Fを守備範囲とするタイプにシフトしていくと考えられる。


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