血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

エイシンフラッシュ(日本ダービー)

2010-06-04 16:03:21 | 2010年GⅠ勝ち馬
エイシンフラッシュ(King's Best×ムーンレディ-プラティニ)牡・07生

主:5 結:5 土:1 弱:5 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:5
合計:34点 クラス:3B 芝:9~15F ダ:8~11F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:○

 エイシンフラッシュは血統の前面で、Birkhahn5×5を作成した配合。このBirkhahnはAlchimist~Heroldと系列クロスを形成し、非常に珍しくはあるものの主導として機能している。しかしながら、その父Alchimistは血統の2ブロックにしか存在せず血統全体を見渡しても多数派という訳でもない。したがって、主導としての評価自体は高くは無い。

 また、土台構造はかなり散漫でPhalarisが10ヶと、相当貧弱だと言わざるをえない。とは言うものの、BirkhahnがPhalaris・Bay Ronaldを内包していたのは幸いだと言え、この両者によって、9代目までにぎこちなさは残るもののきちんと結合を果たしている。

 ドイツ系の異系配合でありながら、生かされたスピード勢力はNasrullah・Forliを生かしているため悪くは無く、やや物足りなさは残るものの決して悪くは無い。更に、スタミナ勢力は非常に強靭でTantieme・Hyperion・Magnat・Bahramとクロスさせ、それぞれ主導へとスタミナを補給している。本質的なステイヤーとしては若干もの足りなさを覚えなくもないが、7~8代目においてもスタミナ優位のクロスを作成し、国内の芝でなら間違いなく15F克服可能。個人的な見解ではあるが、このように7~8代目において隠し味的にスタミナを補給した配合は、長く脚を使えるタイプが多く、また本馬の場合シンプルな形態でこそ無いものの、クロス自体が少なく脆弱ではあるもののきちんと結合をしている為、瞬間的な反応のよさを見せてもおかしくはない。

 更に、血統全体を見渡してみると、これといった弱点・欠陥は存在せず、影響度バランスも悪くはない為、安定感のある血統構成だと言える。

 総括すると非常に珍しい血統構成ではあるものの、理にかなった部分がある血統で、今後の成長を含め興味深く見たい配合だと言えるだろうか。


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