せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

里山で自然排水の作り方を学ぶ〜土砂災害を予防するには

2018年09月10日 | 森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト

↑千葉の棚田の様子


日曜日には、民家の学校で、スタッフである私たちも
貴重な体験をさせてもらう。

水はけの悪い土地の雨水をどう、
大地に浸透させるのか、
川へ流すのか、

千葉県にある里山再生を目指しているご夫婦の元に
電車、バス、車を乗り継いで、集まって学んだ。

1)まず、竹やぶを刈り、植林のスギやヒノキを伐り、
山の地面に光を入れる。



2)実生の広葉樹を植える。日当たり、土壌などを見極めて。

3)尾根の周囲を伐採すると、枯れた沢の水みちが見えて来る。



(ここは、大雨の時に一気にあふれる恐れがあるので、
周辺を伐採するのは、私は正解だと思う)

4)コンクリートやアスファルトで覆われた道の排水は流れず、
ヘドロとなって土が腐っている。

まずは、それを取り除き、溝を作り、
炭を入れる(伐採した木を燃やしたもの)



5)その上に、朽ちた木々(これも伐採して放置しておいたもの)
を敷き詰めて、バクテリアが生きやすいようにする。



6)最後に枯葉をかけて終わり。



ふかふかの土が、水の流れを作り、
地面内で川へと流れていく。

実際に、これを行った場所は、
大雨後も水たまりができにくくなったそう。


↑道路沿いに完成した様子

昨年も、同じ時期に訪れた民家再生協会の仲間は、
確実な変化を目の当たりにして、感激していた。

私も、そのコツコツと作業をなさり、
水、空気、光の環境改善に取り組まれているご様子に、

大地の呼吸を取り戻してくれている!!

と感極まる。

里山を守ってくださる方あってこその、私たちの命の源。
水と空気が育まれる。

多様な生き物が棲む森が、
彼らの糞が、
土壌のろ過装置となってくれるのだ。
水がきちんとろ過されて飲み水になり、田畑に行き渡り、
食物も育ててくれる。

土砂災害が頻繁に起きる日本の山。

そこには、根が張らない植林の下の、
手入れがされずに腐った土がある。雨の浸透もしずらい。

実生(種から育った)ではないため、根が張らず、
大地をしっかりと固定できていない現状がある。

地震の起きた北海道の胆振地区の大規模な山崩れも、
報道写真では、スギのモヤシ林
(手入がされず、幹が細い、表面は緑の山でも、中は真っ暗な山)
にとても似ている。

北海道といえば、人工林はカラマツのはず。
ということで、林業試験場の
「森林土壌情報データベース-北海道・民有林」を見てみた。

興味のある方は、下記にアクセスしてみて下さい。

http://www.fri.hro.or.jp/idafos/map/jpn/mapframe.htm

やはり、被害の大きかった厚真町には、カラマツの人工林がある。
隣接する穂別町には、トドマツ人工林もある。
早来町にも。

人工林は、林道とセットと考えると、、、
その林道が、先に書いた状態だと
周辺の土はヘドロ状態となり、、、、

根が張っていない植林が地滑りを起こしやすくなっている
ということが、想像できる。

2012年の熊本阿蘇地方での土砂災害から
毎度、各地の土砂災害報道を拝見して、
多くが、地質のせいにされている。
火山灰だからしょうがないというような。。。

でも、それだけではない、確信が、
山に入ってきて実感としてある。

被害地を歩いてみて、植林の根を見て、
土を見て、雑木のたくましさを見て。

今回訪ねた場所には、竹やぶの手入れから見えてきた沢と思われる場所に
祠があった。岩のような石を神に見立てているようだ。

他にも、いくつかあり。



この石が土砂災害を防いでくれていると崇めて置かれたのか、

土砂災害の起きやすい場所には、
祠をおいたらしいという説通りなのかもしれない。
そんなことを思いながら拝ませていただく。

私が建築に日本の木を使うことへのこだわりがあるのは、

海外の違法伐採や森林の消滅を避けたい気持ちとともに、
やはりこれ以上、土砂災害を起こしたくない想いが強いからだ。

価格競争という名の元で、負けてきた国産材。
(このカラクリは、実はおかしいのだけれど)

カラマツは、暴れやすく建材に不向きとされ、
電柱や、杭としての用材だったのが、
現代では出番がなくなり、、、

スギ、ヒノキの人工林でさえ、放って置かれたのだから
北海道のカラマツ人工林は、
手入れがされてこなかったことが容易に想像出来る。

実際に、研究者の論文にもそのようなことが書かれており、
背景を知ると辛くなる。

長野のカラマツは、構造材としてお世話なってきたけれど、
北海道は、まだ広葉樹しか採用したことがなかった。

熊本生まれの私にとっては、旅行先でしかなかった場所の北海道が、
同じ震度7の体験、そして人工林の問題の噴出に、
同じ日本なのだと、改めて思いながら、

地震国だからこそ、台風が上陸する列島だからこそ
やはり、踏ん張って、日本の木を適正に使っていきたい。

旧暦8月1日の新月の夜に、誓うのでした。

(新月の宣言、願いは叶いやすいこともあり)

最後まで読んでくださった方には
私の、にわか勉強と想いにおつきあいいただき、感謝です。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 棟上げしました! 〜工事現... | トップ | 建築家地域評議会アジア[ACA1... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。