せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

これからは、子ども同士の教え合いの時代ではないでしょうか?~『災害時に子どもたちが果たした役割の記録』を読んで~

2020年04月06日 | 子ども・環境


本日は、各学校で入学式だったところも
多いのではないでしょうか。

我が家もお祝いすべき日なのですが
卒業式と同様、保護者なしでの対応となりました。

さらに、その後は2週間程度の休校となっております。

4月1日時点では、横浜市の4/8からのスタート予定だった
公立の小中学校も本日の入学式後は、
20日まで休校となりました。

子どもたちにとっては、新学期が始まるこの季節。
緊張感満載の入学式や、ワクワクドキドキのクラス替え。

自分自身を振り返ってみても、
学校生活の中で、一番緊張した季節ではなかったかしら。。

不安と期待と、そして希望に満ちた4月。

その春が、今年は、新型肺炎の脅威にさらされて
見えない恐怖と子どもたちも戦っているに違いありません。

天災等よる子どもたちにとっての、非日常の恐怖、
その時、何を感じ、何をし、どう乗り越えていくのか。。。

こども環境学会でご一緒している
工学院大学の安部芳絵先生が、冊子にまとめられた
「災害時の子どもたちの記録」を頂戴しました。
(公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン 版)

Webでも、拝見できます。興味のある方は
こちらよりDLください。

災害時に子どもたちが果たした役割の記録
 ~2018年西日本豪雨の経験から~
セーブザチルドレンのHP

首都圏では、新型肺炎の感染拡大を受けて、
外出自粛となっ先週末。
幸いにも、拝読する時間が出来ました。

本日は、その記録から学んだことを綴ります。

先生のご専門は「子どもの権利」です。
こども環境学会では、関連する論文で賞もとられています。

その視点に立って、「記憶から記録へ」と
災害を体験した子どもの声をすくい上げておられます。

『災害後の子どもたちの声に学ぶ』
と題して、まとめられた文章には、

被災の当事者として、支えてとして
何を感じ、考え、揺らいだのか、、、、(中略)
頻繁する災害と子ども支援のあり方を問い、
子どもの権利保障への道を拓きたい

と、あります。先生の真髄はここにあるのでしょう。

実は、先生とは、神奈川県建築士会の子ども部会
からのお付き合いです。

まだ、彼女が学生だった頃、
私たちの主宰するワークショップにボランティア参加して下さり、

その後は、専門家となられ
私たちに、ファシリテーター講座を開いて下さり、
今は、所属学会が一緒という関係です。

だから、人柄も、お母さんとしての頑張りも存じています。
私は、建築設計が生業ですが、
彼女は研究者であり、学生を育てる立場であられます。

今は、逆に学ぶところが多いのです。

今回の報告書では、具体的には、

  • 子どもたちの「何もできなかった」という声も意思表明の一つであると捉えること、
  • 回復を促すのにあそびが重要であること
  • 子どもの子どもに対する支援(赤ちゃんの抱っこや見守り、遊び相手など)
  • 災害にあったからこそのメッセージ「とにかく逃げて」
  • 子どもが、粉塵に晒される健康面での課題

など、私も納得し、そして共感する部分が大いにありました。
ありがとうございます。

ここからは、私の考えになります。

2011年の東日本大震災の時、被災した子どもたちは、私たち大人より
余程、心も強く成長されたのではないか。と感じ入っていました。

つまり、被災者という点では、子どもたちはまさに大先輩なのです。
子どもの言葉から、学ぶことは大人の立場にも大いにあるのだと思うのです。

日本は、古来より、地震、噴火、洪水など、災害国です。

神話の話も、実はそれに基づいているという説もります。
風土記なども然り。

過去ブログで紹介
日本神話と自然災害〜生命と風景の哲学〜を読む

2016年の熊本地震の経験後は
 地域の伝承によって、どこまで津波が来たかの記憶、
どんな災害が起こったか、どこに避難すれば安心かなども
古文書などに残っている。というのを歴史家の本で拝見しました。

*磯田 道史氏の
天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 (中公新書)
オススメです。

今、小中学校では、防災教育というものが行われています。

しかしそれは、地域の安全確認や、
避難場所への移動のことに留まっているように感じます。
(我が子の子育ての中で)

これからは、子どもたちが実際に体験した子どもたちに
学ぶ時ではないでしょうか。

この報告書は、学校の先生方にもぜひ、読んでいただきたい内容です。

先生方が、子どもたちに有事にどう接すればよいか、
さらに、日頃から、子どもたちにどう対処し、行動するかを、
考えるチャンスを与えて欲しいと思った次第です。

これから本当に必要な子どもたちの力は、
災害対応能力かもしれないからです。

子どもたちの置かれた現実に目をむけつつ、
大人ができること、私も考え、行動していきます。

木育ワークショップにも、
 少しずつこのことを、盛り込んでみよう!
真剣に、楽しみながら、プログラムを練ろうと思います。

当分は、イベントは自粛になりますが、
再開できる日まで、あたためておきます。

乞うご期待!?


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