せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

新年度特集_こども環境02 〜理想の教育環境とは?〜

2021年04月12日 | 子ども・環境


ご近所の桜は、ソメイヨシノが散り、
しだれ桜が、葉桜になりながらも、

ピンク色と緑の葉の
色彩のバランスがとても良い具合で
目を楽しませてくれています。

先週のフレッシャーズから、
引き続き街中では、

幼稚園や保育園の入学式に向かうらしい親子連れや
小学生の集団登校など、目にする機会が増えました。

微笑ましいですね。
思わず、こちらも笑みがこぼれます。

本日は、こども環境アドバイザー×建築士としての
理想の教育環境とは?のテーマの続きです。

予告した切り口は、「小学校の35人学級」について、でした。

コロナ渦となった昨年。
ちょうど春過ぎでしょうか。
新聞に、国が「小学校の35人学級」を
進めていく記事が載りました。

人数が多いと「密になる」
それを避けるためにという理由でした。

「学習効果が上がるというデータはまだないが。」と。

え===、そこ!?

学習効果のためだけに、
少人数化するという
国の効率優先に、愕然としました。

子どもの育成環境が、狭苦しい空間で
汚染された(=CO2過多)空気環境で
宜しいわけないじゃないですか!

そこで過ごす人間環境の健康や快適性の視点が
明らかに抜け落ちていて、

教育をそのようにしか考えていない行政には、
とてもがっかりし、さらに怒りがこみ上げてきました。

もちろん、そうではない部分もあると
考えて欲しいところですが

記事にする側も、もう少し、
突っ込んで欲しかったですね。

さらりと読める記事なのかもしれませんが
私自身は、とっても腹が立ち、
「だから新聞はあまり読みたくないんだ!」
と、ひとりごちていたほどです。

「小学校の35人学級」の実現は、
もちろん喜ばしいことです。

もっと少なくても良いと考えます。

以前から、「30人学級へ」という活動は、
専門家の中でも議論があっていました。

私も子どもの育成環境として、賛成してきました。

そしてまた、親としても、少人数学級と
原稿どおりの44〜5人の大人数学級での子育てを経験し

少人数のクラスの良さを目の当たりにして
ますます、推進派となりました。

学術的にではなく、実体験として、

私が考える、その育成環境のメリットは

1)先生の目が行き届く。

→ 学習遅れの取りこぼしがない。

2)必然的に、誰とでも仲良くなれるチャンスがある。

→ クラスのお友達で、話したことがない
  というクラスメートがいない。
  仲良しだけでのグループも作れないので、
  苦手な人とも組むチャンスが生まれる。

3)出番が増える。個性輝く。

→ 係など責任のある立場を、やることで自立する。
  役が人を作る。本人の輝ける場が増える。
  結果的に個性が引き出されます。

私自身の子ども時代を振り返ってもそうですが、
体育祭、図工、家庭科など何をとっても、
先生に目をかけられたり、
積極的に活動する生徒というのは、
重なってくるものです。

ゆっくりの子も、おっちょこちょいの子も、
全ての子が得意不得意を持つ中で、
自分らしく輝くには、見守る時間も必要。

それが、ないままに児童を終えると、
日本の子どもの一番の課題
「自己肯定感が低い」
につながってしまうと考えます。

一方でハード面(空間・環境)はというと、
適正人数であれば

1)空気環境改善

→ 二酸化炭素の排出量が減る。空気環境の快適性が保たれる。

2)自己スペースの改善(個人領域の確保)

→ 個々人の席を離すことができ、授業に集中しやすくなる。

3)空間の圧迫感の改善

→ 潜在的な身体の内部に入る不快感を取り除ける。

教室に入る時、あの密度、圧迫感は、
身体が小さい子ども時代から感じていました。

親になって授業参観に伺う時も、
窮屈すぎて息ができない程と思いました。

特に中高生になると、思春期の汗臭さも加わり、
モワッとした匂いが立ち込めていますよね。(笑)

その中で、先生も大変だなぁと、同情すら覚えます。

以前、「おさかなくん」が、
いじめの新聞記事で書いてくれていましたね。

水槽に入れると、魚は、いじめを始めると。
いじめられている魚を除いても、
また新たなターゲットができると。

だから、狭い空間や、世界が狭いとストレスから、
はけ口を求めてしまうのではないかと。

子どもたちよ。大海にでよ==
という結論でした。

実際に子どもが通っていた少人数の学校では、
いじめがないと、有名なところでした。

もちろん、子ども同士、相性合う、合わないは出てきます。
小競り合いや、ちょっとした無視や、悪口などは、
子どもなりに、やはりあります。

それでも、それが続かないのは、空間からの影響と
環境(緑豊かでした)。そして、大人の目も行き届く
育成環境の賜物ではないかと感じてきました。

では、適正な人数は、何人くらいでしょうか?

今の教室の大きさで、そうですね。

私自身は、15人前後が一番良いと思います。

なぜかって?

長くなりました。
その理由は、次回に続けます。


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