せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

ものづくりのセレンディピティを楽しむ

2017年11月23日 | A06設計監理_熊本県M邸古民家再生

↑オリジナルで創ることになった手洗器の窯入れ前の状態

本日は、ものづくりにおいての
偶然的な出来事による偶然的な出会いを生かす
デザインの仕事もまた楽し、というお話です。

毎日使うところ、非常にディテールが求められるところは
原寸大で考えます。

思考してなんとなく出てきた形を、
手を動かして、確認したり、実寸で描いてみたり。

今回は、急遽、トイレ内の手洗い鉢を製作することになりました。

↓A3サイズの紙で折ってみた


設計時には、
「できたら、創りたいね〜」とクライアントさんと相談していたものの
予算的なものや工期の関係で保留し、既製品を選んだのでした。

ところが、解体後に出てきた構造的な壁の貫部分があり、窓の高さを変更、
ちょうど既製品の手洗器の高さに窓があり、カウンターが取り付かない、ピンチ!

焼き物で考えるときは、窯元の窯入れ(焼く時期)に合わせて
寸法等を前もって伝えておかないとなりません。
だいたい半年前くらいからでしょうか。

ダメ元で、間に合うかなぁ、、、
と、先日知り合った窯場さんに相談すると、
今月中に作れれば、年内に間に合うよのご返事。

ありがたい〜。

すぐに、デザイン画を送らないとなりません。

そこで、急ぎ、先週末に休み返上で、検討したのでした。
(そんなこともあり、月曜日のブログアップ余裕なしで本日のupです)



狭いスペースでは、薄型の陶器が望まれます。
十分に手をストレスなく洗うためには、
高さ、幅、水栓との位置関係を計算しないとなりません。

やっと納まったなぁ、、と図面をクライアントさんにも見せて
OK出たところで、またまた、ピンチ!

このデザインだと型を起こしてになるので、
時間が不足するし、金額も上がるのだそう。

そこで、ロクロで製作できる形で、
これをベースに試作してみたよ、の連絡。



早い!すごい!
さらに工夫されたデザインとなってます。

セレンディピティを感じた瞬間です。

立水栓の位置とカウンターの長さに変更は出そうですが、
何とかおさまるのではないかしら?

形状変更の画像は、クライアントさんにも昨日見てもらい
「いいんじゃない!」のご返事。

またまた、ありがたい〜。

1週間ほどで、決まるとは、
皆様のご協力、決断力と行動力の賜物です。

これからも、あきらめず、手間を惜しまず、
デザインすることに取り組もうと思える瞬間です。

現場監督さんには、排水目皿を至急用意してもらうなど
こちらにもお世話になります。

お手間かけますが、宜しくお願い致します!
コメント
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