「椅子クソ兄弟」前編エビナスブタ作
俺がホラ吹きで有名な先輩と
旅行していたときの電車での本当の話。
トイメンにカップル風の男女が座っていたんだ。
男はかなりのイケメンだがヤワな感じで
凄く痩せていたんだが、
問題はその隣。
はっきり言ってデブのブス女。
それだけでも笑ってしまいそうなのに、
凄く小さく見える弁当をくちゃくちゃ音をたてて、
凄い勢いで食べ終えると、
隣の男がちょうど3分の1くらいまで
同じ弁当を食べているところで、
いきなり「あんたはダイエット中だから、
そのへんにしなさい」と言って
その弁当を横取りして
同じようにくちゃくちゃと犬のように食べ終えると
プーと大きなおならをしたんだよ。
俺はしっかりと笑いをこらえたが、
隣の先輩は大笑いしてしまったんだ。
普通ならここで気まずい雰囲気になって、
どちらかが席をはずすところなんだろうけど、
そのデブ女、先輩を指さして
「あんた今私の顔を見て笑ったでしょう」と
ずうずうしくも怒りだしたんだ。
先輩が怒りだすかと思ったら、
多分、ホラ話をしたかったんだな。
「いえいえ、そんな、奥さん。違いますよ。
思い出し笑いです。本当ですよ。
きっと、奥さんも私のガキの頃の話しを
聞いたら笑いたくなりますよ」と
平然と言い返したんだ。
そしたら、そのデブ女意外にカンが鋭どくて
「私を笑わせる自信があるの」って、
先輩の顔を見て言うんだ。
「なんせ、本当の話だから
自信もへったくれもないけど笑っちゃいますよ。
なんせ、椅子クソ兄弟の話ですから」と
先輩は相変わらず丁寧だか、
ガラが悪いのかわからない話し方をした。
するとそのデブ女「あら、椅子クソ兄弟の話し」って
いかにも知ってるかのような言い方をして
「でも」と急に小声になると
「小さな声で話しなさい」って真顔になったんだ。
先輩は予想もしないデブ女の対応に
少し考え込んだ後
「では、汚い話しなんで、小声で」と言って話し始めた。
「私がまだ小1の頃、
うちのクラスと隣のクラスに双子の兄弟がいたんです。
何の授業だったかは忘れたんですけれど、
授業中、凄いにおいが後ろの方からしてきたんです。
そのときは、
誰かがすごい屁でもしたんだろうなあくらいに
思っていたんですが、
授業が終わったら大騒ぎ。
なんと、双子の兄の隣の席の椅子の上に
きれいなとぐろを巻いたうんこがのっていたんです。
そう、奥さんが思っているとおりですよ。
それだけじゃなく、
隣のクラスも奥さんが考えているとおりで
大騒ぎになったんです。
で、誰となく、
その双子の兄弟を椅子クソ兄弟と呼んで
いじめるようになったんです。
でも、二人とも「僕はしてない」とシラをきり続け
必死にいじめに耐えていたです。
でも、誰もがその兄弟が犯人だと思っていたものだから
いじめはひどくなるばかりです。
もちろん、謎は残りますよ。
わかりますよね。
どうやって、うんこを椅子の上に移動させたのか。
しかも、きれいにとぐろを巻いたままの状態でということ。
どちらのクラスも欠席した子の椅子の裏には
落書きがあったので、
椅子を取り替えたということではないんですよ。
しかし、
その謎こそが双子の兄弟が
犯人である証拠のようなもんだったと
みんな思っていたんです。
まあ、そんな謎はいいんです。
問題はその後です、
数週間ぐらいしてからのこと、
校門の前につるっぱげで相撲取りのような大男が
刃物のようなものを持ってたっていて、
その両脇に椅子クソ兄弟が両手を組んで立っていたんです。
(続く)
俺がホラ吹きで有名な先輩と
旅行していたときの電車での本当の話。
トイメンにカップル風の男女が座っていたんだ。
男はかなりのイケメンだがヤワな感じで
凄く痩せていたんだが、
問題はその隣。
はっきり言ってデブのブス女。
それだけでも笑ってしまいそうなのに、
凄く小さく見える弁当をくちゃくちゃ音をたてて、
凄い勢いで食べ終えると、
隣の男がちょうど3分の1くらいまで
同じ弁当を食べているところで、
いきなり「あんたはダイエット中だから、
そのへんにしなさい」と言って
その弁当を横取りして
同じようにくちゃくちゃと犬のように食べ終えると
プーと大きなおならをしたんだよ。
俺はしっかりと笑いをこらえたが、
隣の先輩は大笑いしてしまったんだ。
普通ならここで気まずい雰囲気になって、
どちらかが席をはずすところなんだろうけど、
そのデブ女、先輩を指さして
「あんた今私の顔を見て笑ったでしょう」と
ずうずうしくも怒りだしたんだ。
先輩が怒りだすかと思ったら、
多分、ホラ話をしたかったんだな。
「いえいえ、そんな、奥さん。違いますよ。
思い出し笑いです。本当ですよ。
きっと、奥さんも私のガキの頃の話しを
聞いたら笑いたくなりますよ」と
平然と言い返したんだ。
そしたら、そのデブ女意外にカンが鋭どくて
「私を笑わせる自信があるの」って、
先輩の顔を見て言うんだ。
「なんせ、本当の話だから
自信もへったくれもないけど笑っちゃいますよ。
なんせ、椅子クソ兄弟の話ですから」と
先輩は相変わらず丁寧だか、
ガラが悪いのかわからない話し方をした。
するとそのデブ女「あら、椅子クソ兄弟の話し」って
いかにも知ってるかのような言い方をして
「でも」と急に小声になると
「小さな声で話しなさい」って真顔になったんだ。
先輩は予想もしないデブ女の対応に
少し考え込んだ後
「では、汚い話しなんで、小声で」と言って話し始めた。
「私がまだ小1の頃、
うちのクラスと隣のクラスに双子の兄弟がいたんです。
何の授業だったかは忘れたんですけれど、
授業中、凄いにおいが後ろの方からしてきたんです。
そのときは、
誰かがすごい屁でもしたんだろうなあくらいに
思っていたんですが、
授業が終わったら大騒ぎ。
なんと、双子の兄の隣の席の椅子の上に
きれいなとぐろを巻いたうんこがのっていたんです。
そう、奥さんが思っているとおりですよ。
それだけじゃなく、
隣のクラスも奥さんが考えているとおりで
大騒ぎになったんです。
で、誰となく、
その双子の兄弟を椅子クソ兄弟と呼んで
いじめるようになったんです。
でも、二人とも「僕はしてない」とシラをきり続け
必死にいじめに耐えていたです。
でも、誰もがその兄弟が犯人だと思っていたものだから
いじめはひどくなるばかりです。
もちろん、謎は残りますよ。
わかりますよね。
どうやって、うんこを椅子の上に移動させたのか。
しかも、きれいにとぐろを巻いたままの状態でということ。
どちらのクラスも欠席した子の椅子の裏には
落書きがあったので、
椅子を取り替えたということではないんですよ。
しかし、
その謎こそが双子の兄弟が
犯人である証拠のようなもんだったと
みんな思っていたんです。
まあ、そんな謎はいいんです。
問題はその後です、
数週間ぐらいしてからのこと、
校門の前につるっぱげで相撲取りのような大男が
刃物のようなものを持ってたっていて、
その両脇に椅子クソ兄弟が両手を組んで立っていたんです。
(続く)