“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

チェルノブイリと福島第一原発

2011年10月02日 06時02分51秒 | 蜂助の呟き
 おはようございます。蜂助です。

 公共図書館から「チェルノブイリの真実」という古いビデオテープを借りてきて鑑賞しました。チェルノブイリ原子力発電所の事故から10年が経過した時点の1986年での映像記録映画です。広河隆一さんという「チェルノブイリ子ども基金」の代表を務めている方が総監修をしています。
 このビデオを見ながら、すぐに福島第一原発の現実と重なって「これは日本のこと?」と思ってしまいました。

 「本当のことを何も知らされなかった」

 「死の町になったプリピャチ市、汚染がひどいため、恐らく永久にこの町は復活しないだろう。事故当時5万人が住み、彼らは事故の翌日、3日間の避難と告げられ、街を離れた。」

 「3日で帰れると思っていたが、10年たってしまった」

 「住居禁止の村に戻った老人は放射能で死ぬより先に寿命が来るだろうと、村に住むことを大目に見られている」

 「汚染の情報はほとんど極秘扱いになっていた。住民は強制避難させられた。」
 

 これらは7ヶ月前に現実に福島県で起きたこととほとんど同じです。


 10月1日の地方新聞で「飯舘などでプルトニウム」という見出しで一面に報道されています。福島県内の6地点でプルトニウムが検出されました。プルトニウムは粒子が重く、遠くまで飛散しにくいと言われていますが、30km以上離れた飯舘村まで行ったのです。プルトニウムは原子力発電に使う燃料からしか作られることの無い物質です。すなわち原子炉が破壊して燃料がの一部が放出されたことを示しています。これは、「核爆発」により破壊したものを「水素爆発」とウソをついていたかもしれない事実です。

 10月2日の朝刊では、「ストロンチウム90」が79ヶ所で検出されたと報道されています。ここまでくると、何が起きても驚かない、と言う感じです。ストロンチウム90はカルシウムと化学的性質が似ていて、これを摂取すると骨などに蓄積します。チェルノブイリでもストロンチウムが子どもや人々の白血病やガンを大発生させました。半減期が29年と長く生きものへの影響が大きい危険な放射性物質です。


 茨城県東海村の村上村長が東海村JCO臨界事故発生から12年となる9月30日に注目すべきことを言っています。

 福島第一原発の事故処理をめぐる政府や東京電力の対応について、事故で故郷を追われた人たちが将来のあてもない状態におかれ、行政機能も根底から壊れたまま放置されているとし、「このように人に冷たく、かつ無能な国では原発など持つべきではない、その資格などはないと考えるにいたった」と発言したそうです。東海第二原発をかかえる村長は「村民と東海村の将来を思うとあいまいな妥協は許されない」と語っています。

 政治家の方、今回の事故に関わる役人さん、東京電力などの電力会社の役員や管理職の皆さん、電力労連の役員の方々、ゼネコンなど原発マネーに群がっている人たち・・・
 東海村の村上村長の決意に少しは学んでください。

震災復旧と計画の作り方、実施で注意したいこと②

2011年10月02日 05時00分00秒 | 臼蔵の呟き
3.11震災を受けて、このような自然災害の衝撃に乗じて(「てこ」にして)、政治・経済を一気に作り変えてしまおうという「どす黒い」意図、狙いを持った市場原理至上主義者、シカゴ学派の経済学者、信奉者が“うごめいて”ます。その1つが復興に名をかりた特区構想(水産特区、構想会議)です。

特に、過去においてこの政治潮流、経済学派が何を行ったのかを知っておく必要があります。歴史的、典型事例が1970年以降のチリ(1973)、アルゼンチン(1976)、ブラジル(1964)、ウルグアイにおける軍事クーデターです。チリ軍事クーデターのときアメリカニクソン政権(目的は中南米諸国を反共の砦化すること)、CIA、アメリカ多国籍企業と通じたチリ軍部が政権転覆を行い進歩的政治家、文化人、知識人への迫害行為、テロ(このテロ行為はアメリカ9.11貿易センタービル事件など問題にならない規模と犠牲者数、軍事政権による国家テロ殺戮行為です)により殺害しました。その先例がイラク、アフガン戦争などに引き継がれました。また、政権転覆を通じた市場経済至上主義がそれらの国の経済を席巻しました。このときの政権中枢、経済政策を主導した経済エリートがシカゴボーイ(シカゴ大学経済学部留学生)でした。表裏一体の関係です。

その特徴は、国有財産を二束三文で民間にたたき売ること。(小泉が行った郵政民営化もその1つ)。多国籍企業の経済進出、権益の確保(チリではフォード自動車、ITT、鉱山会社など)を行うこと。小さな政府の名の下に公務員数の大幅削減(民主党、みんなの党が主張している)、福祉予算の削減、改悪(医療制度、生活保護制度の廃止)。軍事費の増大、維持。現象面では極端なインフレ発生。労働者の諸権利攻撃し、無権利状態に追いやること(中曽根行革が国鉄民営化で国鉄労働組合を解体)。一部(数パーセント)エリートが「富の大半(8~9割)」を握り、中産階級が没落し、極端な貧困人口の増加。(中南米の軍事政権時代、アメリカ、日本の現在)。現在のイラク、アフガンはその代表的な事例です。

新自由主義経済はリーマンショックを発生させ、世界的な金融危機を招きました。その結果、世界経済、アメリカ経済は大混乱、失業者の増加と失業率の高止まり、貧困層の拡大、日本は小泉構造改革、規制緩和路線で郵政の民営化、非正規労働者の爆発的な増加と中産階級の没落、大企業への手厚い保護などが現実化しています。日本ではその政治経済運営への不満から自公政権から民主党への政権交代が実現しました。
今回の経済危機の原因を作ったのは、新古典派経済学の主張する「自由放任主義」「競争原理」「市場原理主義」の考え方です。

 特に「シカゴ学派」は、強固に新古典派経済学を信奉し、小泉政権の「例外なき構造改革」にも大きな影響を与えました。しかし、彼らが主張してきた「市場原理至上主義」は、結果的に今回の経済危機を引き起こし、1930年代の大恐慌同様に市場原理主義の脆さを露呈させました。何もかもマーケットに任せておけば、すべてがうまく行くと主張しましたが、我々の目の前でそのマーケットが崩壊しました。しかも、主要国政府はシカゴ学派のもっとも嫌う「市場介入」によって、経済を立て直さなければならなくなっています。このことは「シカゴ学派」はすでに役に立たないということを意味しています(証明)。

世界的経済混乱と危機を作ってしまった張本人(新自由主義、市場原理至上主義)シカゴ大学のミルトン・フリードマン等の学問は学問的にも、実践的にも歴史から退場を命じられるのが自然だと思う。震災復旧、復興に名をかりたショックを期に、新自由主義に固執する自民党規制緩和主張者、民主党の政治家、官僚の行動を運動の力でとめる必要があります。