“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

自治体と政府対応の関係

2011年10月06日 12時08分18秒 | 臼蔵の呟き
10月2日仙台弁護士会館で女川原発の現状という報告会が開催されました。その報告を聞いて感じたことです。女川町(東北電力の原子力発電所立地自治体)の町会議委員は女川原発で3.11以降どのような状況にあったかがほとんど報告されず、分からなかったと報告していました。3.12福島原発事故で放射性物質が空中に飛散し、雨などで相当高い濃度で観測されたそうです。そのときにも政府、宮城県からの情報は全くなく、子供などに外に出ないようにとの指示、対応が出来なかったそうです(報告)。これを聞いて思ったことは立地する前は「金の力」自治体、自治体の有力者を懐柔し、立地してしまったら情報の開示、安全性などの情報開示は全く関心がない。そのことをはっきり示していると思います。

福島県知事が強く抗議 中間貯蔵施設の次官発言に対してです。これも女川町、県、政府の対応と非常に類似しています。立地自治体は政府、電力会社の隠れ蓑に使っているとしか言いようのない対応です。
 
 9月末の細野豪志環境相兼原発事故担当相との会談で佐藤雄平知事は、同省の南川秀樹事務次官が放射性物質の付着した廃棄物の中間貯蔵施設が県内に複数、必要になるとの方針を打ち出したことに強く抗議した。

 佐藤知事は「県や市町村に説明がないまま、施設についてさまざま言及した。県民をはじめ、市町村に不安と混乱を招いた」と、中間貯蔵施設をめぐる議論が被災した自治体を置き去りにしたまま進められていることに不快感を示した。細野氏は「十分な検討がない段階で、メディアに出て発言するのは本来の姿から離れている。迷惑を掛け、心からおわび申し上げる」と陳謝した。
 一方、細野氏は今月末までに中間貯蔵施設設置までの工程表を公表する方針を示したが、具体的な規模や設置場所については言及しなかった。

原発は原爆にはならない

2011年10月06日 06時06分11秒 | 蜂助の呟き
 こんにちは。蜂助です。今日は、原発と原爆の話です。

 福島第一原発の事故は、マスコミ報道が減り風化が心配されます。この原発は水素爆発が起き大量の放射性物質を撒き散らしましたが、現在は放射性物質の放出は無いようです。ここからの放出が無くなれば、放射能が無くなるなんていうことは一切ありません。すでに大量の放射性物質がブチ播かれて大地や海、建物や山、木々などに堆積しています。原発では多くの核種(放射性物質の種類)が生成されていますが、今回の原発事故で今後問題になるのは昨日も書いた「セシウム134」と「セシウム137」のふたつです。これらは、目に見えないし、匂いも無いけど確実にわたし達の回りに存在しています。

 わたし達の回りに存在している放射性物質から放射線が出ています。この放射線が子ども達やわたし達を被爆させています。外から被爆すれば「外部被爆」、食べものなどで体内に入れれば「内部被爆」します。

 だから、わたし達がやることはふたつあります。
①生活空間にある放射性物質を隔離すること。すなわち除染です。わたし達の回りにある 放射性物質をわたし達が居ないところにしまいこむことです。
②食べ物や飲み物に付いている放射性物質を出来る限り摂取しないことです。

 福島第一原発の事故処理が失敗すると、原発のように大爆発するのではと考えている方がいるようですが、「原発」はけっして「原爆」にはなりません

 「原発」も「原爆(広島型)」も天然にあるウラン鉱石を集めて、その中に0.7%程度ある「ウラン235」を精製します。天然のウランはほとんどが「ウラン238」で、これは放射性物質ではなく「原発」や「原爆」に利用できません。
 ウランを含んだ鉱石を細かく砕いて放射性物質をむき出しにして、「ウラン235」だけを集めます。「原爆」は「ウラン235」を90%以上にし、「原発」は3~5%位にします。

 「原発」と「原爆」の燃料の純度が全く違うので、「原発」で仮に核反応が起きても「原爆」のように一瞬にして激しい連鎖反応は起こりません。「原発」ではあまり激しい連鎖反応が起こると困るので適度な濃度の燃料が作られているのです。核燃料の濃度が全く違うので、福島第一原発で「原爆」のような大爆発が起きることはありえないのです。原発は信じられないようなことがたくさん起きますが、ウラン235がいつのまにか濃縮されることはありえないので、原発は原爆にならないのです。

 ただし、原発は大量の放射性物質を生成し、それを自ら処理する能力を持っていないことは忘れてはいけません。「原爆」の破壊力は、瞬間的な核連鎖反応による膨大なエネルギーが一瞬の熱線、爆風となりすべてを破壊することです。「原発」は核を大量にゆっくり燃やし続けるので大量の放射性物質を生成することが大問題となります。

 放射性物質は、焼却炉で燃やしても、薬品をかけても、おまじないをしても、何をしても放射線を出し続けます。人類が作る最悪の物質です。