神奈川県知事選に当選した黒岩祐治氏は知事選のマニュフェストとして、神奈川県の全世帯に太陽光パネルを実質無償で設置する政策を掲げていました。
今後4年間で200万戸に設置したいと豪語しています。
神奈川県は人口900万人、世帯数384万世帯ですからそのスピードたるやものすごい進捗になります。
この数字を見るとちょっと眉唾のような気がしてきました。
世帯数はマンション、アパートなどの集合住宅も含んでいるわけですよ。
まあ数は別として意気込みだけは評価したいと思います。
太陽光発電システムは太陽のエネルギーで発電しますので、太陽がある限り半永久的に使えるエネルギーです。
これを太陽光パネルで効率的に電気に変換することが出来ます。
東日本大震災で原発の危険性がクローズアップされるなかで、太陽光発電システムに多くの人が興味を持ち始めています。
株式市場でも太陽光関連銘柄が大きく値を飛ばしています。
太陽光発電システムのデメリットは、初期費用が高いことです。普通の戸建てですと3キロワットの電池パネルを乗せたとして200万円程度かかるかと思います。
その初期費用を県出資の新会社が銀行から借り入れて負担することで、設置する家庭の負担を実質ゼロ円にするようにしています。
費用の返済方法ですが、まず太陽光発電で発電した電力を電力会社に売ります(売電)。
毎月の売電代金が銀行に返済されるわけです。そう考えるといま政府で検討している発電全量買取制度のほうが良いかもしれません。
使った電気は払う、発電した電気は全部売る、すっきりします。そうしないと現状の余った電気だけ売電するでは計算がややこしくなります。
ローン返済後は個人の設置者が売電収入を得るという仕組みです。
ただ、パネル3キロワット程度で金利込みで返済するとなると個人の持ち物になるのに20~25年以上はかかるでしょうね。
「あなたの家の屋根を貸してください。20年程度あとに太陽光発電システムを差し上げます!」
ということなんですよ。早い話。
そこで問題、屋根の耐久性です。築20年以上とかの家も非常に多いわけでその上に太陽光を乗せると元を取る前に屋根の寿命が来てしまうでしょう。建て替える家も出てきます。
その点からも4年間200万戸はかなり怪しい数字と見てます。
あとひとつ、この政策でいまいち見えてこないのは、太陽光発電のメリットはエコキュートを設置してオール電化住宅ににしてこそ最大のメリットを享受できるという点、つまり太陽光発電だけでは大きなメリットはありません。そのあたりどう考えているのか?。エコキュートは設置工事費込みで7~80万円かかるのではないでしょうか。
やはりまず公共施設への設置から始まるんでしょうね。一般家庭への設置はいろいろと大変そうです。
でも本当にそういう家庭にも設置という流れになってきたら嫌といわずぜひ協力してあげてくださいね。
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