そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

サムサッカー

2007年12月08日 | 人間/社会派ドラマ

2005年 アメリカ 96分
■原題「THUMBSUCKER」
■2007.11.25 wowow
■監督 マイク・ミルズ
■出演
   ルー・ブッチ(ジャスティン・コップ)   
   ティルダ・スウィントン(オードリー・コッブ=母)   
   ヴィンセント・ドノフリオ(マイク・コッブ=父)   
   ヴィンス・ヴォーン(ギアリー先生)   
   キアヌ・リーヴス(ペリー・ライマン=歯科医)   
   ベンジャミン・ブラット(マット・シュラム)   
   ケリ・ガーナー(レベッカ=彼女)

  《story》

「フツーに心配な僕のミライ」

17歳の少年ジャスティンの悩みは、親指を吸う癖があることだった。両親も、なかなか治らない癖に苛立ちを隠せなかった。ジャスティンは、かかりつけの歯科医に催眠術をかけてもらうが、ますます不安になり、落ち着かない行動を取るようになる。学校側はADHDだと判断し、、薬を飲むように提案した。ジャスティンの毎日ががらりとかわり、ディベートの大会で好成績を収めるようになる。しかし、ある日、薬を飲んでいるところを友達に見られ、捨てる。そして、自分の周りの人たちも、それぞれの挫折から抜け出せず悩んでいることを知る。内緒で応募していたニューヨーク大学の合格通知がくる。大学に向かうバスの中には、親指を吸う笑顔のジャスティンがいた。

 気にすることが一番悪いのかも
大なり小なりみんな悩みを抱えているもの。自分だけが大きな悩みの渦の中でもがき苦しんでいるように思うときがある。そんなときは周りは見えないし、誰かを責めたり、苛立ちを人にぶつけたり、できることも壊してしまう。でも、自分の悩みの小ささを感じたとき、視界が開ける。そして、さまざまな悩みを抱えている多くの人が見える。「みんな同じなんだ」という安心感。それもときには大事な視点だ。自分を解放できる視点だ。優越感に浸って、他人を嘲るためではない。人を自分を見つめる視点なんだと思う。それで自分の可能性が大きく広がり実現できたら最高じゃないか。薬・・それも時には必要だ。抑圧している自分が解放されなければ、どんどんどん底に落ちていく。心地よい風に吹かれ、自分を縛る何ものも感じない開放感。新天地での明るい未来が広がっていく。

ボーン・アルティメイタム

2007年12月08日 | アクション


2007年 アメリカ 115分
■原題「THE BOURNE ULTIMATUM」
2007.11.25 TOHOシネマズ緑井 with y
■監督 ポール・グリーングラス
■出演
   マット・デイモン(ジェイソン・ボーン)
   ジュリア・スタイルズ(ニッキー・パーソンズ)
   デヴィッド・ストラザーン(ノア・ヴォーゼン)
   スコット・グレン(エズラ・クレイマー)
   ブライアン・コックス
   パディ・コンシダイン(サイモン・ロス)
   クリス・クーパー  
   エドガー・ラミレス(パズ)
   ダニエル・ブリュール  
   ジョーイ・アンサー(デッシュ)  コリン・スティントン(ニール・ダニエルズ)
   アルバート・フィニー(アルバート・ハーシュ)
   ジョーン・アレン(パメラ・ランディ)   トム・ギャロップ  コーリイ・ジョンソン  
   ダニエル・ブリュール

 《story》

「彼が記憶を取り戻すとき“最後通告”が下される」

最愛の女性を失ったボーンは、自分の記憶を取り戻し、組織の全貌を明らかにしようと動き始める。自分を暗殺者に仕立て上げた「レッドスートン」の取材をしていた記者と接触しようとしたが、その場はCIAや殺し屋に囲まれ、記者は暗殺されてしまう。写真などを手がかりに、舞台はロンドン、モロッコと移っていく。いつも、そこには彼を抹殺しようとする暗殺者がいて、激闘を繰り広げた。最後の舞台はニューヨーク。そこに彼の秘密のすべてがあった。  

 あんなに監視できるんだろうか
息子が見ようと言わなければ見なかったかもしれない。前2作はwowowで見た。おもしろかった。あえて劇場で見るかどうかはわからない。今回、息子に誘われて見に行ったが、劇場という場所は、映画の感動を広げる場所だ。小さなテレビの画面では得られないスリルや感動がある。迫力がある。結末はあっと驚くほどではなかったが、彼が体験するギリギリの軌跡を体感できた。
驚いたのは、あんなに個人を追うことができるのだろうかということだ。コンピューターを使って、町中のカメラを操作できる。世界中の情報を、ひとつに部屋に集めることが可能なんだろうか。そのことに驚いた。人ひとり、徹底的に追い、調べ上げ、抹殺することができる世界が現実なら、これほどこわいことはない。カメラは小型化しているし、どこに設置してあるかわからなくなってきている。いつの間にか監視されていて、それに気づかないとしたら、それこそ開放された自然と真反対の、抑圧された精神世界へと、未来は変わっていく。それは多くの作家が夢見る索漠とした世界だ。

 公式サイト「ボーン・アルティメイタム」


やじきた道中 てれすこ

2007年12月06日 | コメディ

2007年 日本 108分
2007.11.23 TOHOシネマズ緑井
■監督 平山秀幸
■出演 
   中村勘三郎[18代目](弥次郎兵衛)
   柄本明(喜多八)  小泉今日子(お喜乃)
   ラサール石井(梅八)  笑福亭松之助(与兵衛)
   淡路恵子(おきん)  間寛平(奉行)
   松重豊(地廻りの太十)  
   山本浩司(地廻りの甚八)
   吉川晃司(沓脱清十郎)
   鈴木蘭々(清十郎の妻・菊)
   星野亜希(花魁・おちみ)  藤山直美(お仙)
   國村隼(代貸)  笹野高史(お喜乃の父・杢兵衛)

 《story》

「花のお江戸は毎日が愉快で大騒ぎ」
「ご存じ“弥次喜多コンビ”と売れっ子“花魁”が繰り広げる笑いと涙の珍道中」


大阪で不思議な生き物が捕らえられたと話題になり、名を「てれすこ」と呼んだ。一方江戸では、弥次さんが思いを寄せる売れっ子の花魁が、弥次さんに「思いの深さをしる作り指」だと称して作らせた偽の指で、客から金をだましとっていた。喜多さんは、ようやく舞台に出られたものの、一番の見せ場で大失態。首をくくろうとしているところで弥次さんと出会う。花魁のお喜乃は、偽の指がばれ、弥次さんに故郷の父親が病気だと嘘をつき、足抜けを頼む。喜多さんと知恵をしぼり、足抜け荷成功し、3人の旅が始まった。

 それほどでも
コメディは、ただおもしろいだけでなく、スローリーにきちんとした筋があり、「ほうー」とうならせる場面もちょこっとあって、笑いが光る。バカなことだけして笑うのはただのバラエティー番組だ。寅さんのように、笑いの中に意味があって、それが心に響いてくるとき、映画としてのコメディーの価値が出る。そう思っている。この映画もそれをめざしているのだけど、イマイチという感じがした。おもいきり笑えなかった。劇場ではいくらか笑い声があったが、私にはしらけた場面に感じてしまった。笑って切なくなってハッピーエンド、晴れ晴れとした気持ちになろうと見た映画だったが、ちょっとがっかり、期待はずれ。

 公式サイト「やじきた道中 てれすこ」