■2006年 韓国 120分
■原題「THE HOST(怪物)」
■2006.9.11 アルパークシネマ1
2007.8.20 wowow
■監督 ポン・ジュノ
■出演
ソン・ガンホ(長男カンドゥ)
ピョン・ヒボン(家長ヒボン)
パク・ヘイル(次男パク・ナミル)
ペ・ドゥナ(長女パク・ナムジュ)
コ・アソン(孫娘パク・ヒョンソ)
《story》
「お父さん、助けて」
ソウルの中心部を流れる漢江。美しい川岸では、人々が余暇を楽しんでいた。しかし、米軍基地から川に投棄された薬品が原因で、突然変異した怪物が出現した。すばやい動きと、判断力で、人々を襲い、飲み込んでいった。
この漢江のほとりで売店を営んでいたパク一家の孫娘が怪物にさらわれた。すでに死んでしまっただろうと思われていたその孫娘から父親の携帯に電話が入る。「助けて」・・・パク一家は立ち上がる。病院を抜け出し、裏の社会から銃をを買い、孫娘の救出に向かう。しかし、軍隊や対策本部の当局者たちが、彼らを阻む。孫娘は救助されるのか。
実はちょっとがっかり、期待はずれだった。もっとリアルな演技がほしい。怪物がリアルなだけに、とぼけた演技や笑いをさそう場面はいらないと思った。私は、あの孫娘がさらわれる場面が好きだ。父親が自分の娘だと思って握っていた手がちがっていた。それはありうる。でも、それをちゃかしてはいけない。置いていかれた娘がよろよろと立ち上がり、怪物の尾で連れ去られてしまう。悲哀感がある。
軍隊がどこにもいない、何もしていないことも、変な感じがした。対策が薬品を撒くことだなんて、巨大な散布機が出てきて違和感があった。もっと軍隊のまじめなおかしな動きや、怪物にしてやられる場面があって、一家の努力で怪物をしとめていけばいのになあと思った。最後の場面も、一家にまかせてしまった。軍隊はどこにいるんだと思ってしまった。私としては、あの孫娘が「助けて」と訴え、その声に向かってみんなが命をかけたのだから、あの娘を死なせてほしくなかった。もったいない映画だと思った。
2007.8.20 wowow
また見てしまった
あの怪物は、確かに見応えはあった。ぬいぐるみや明らかにわかる作り物には見えなかった。特に好きなシーンは、やっぱりヒョンソが怪物にさらわれるところだ。よろよろと立ち上がって、振り向こうとした瞬間、長い尾でからめ連れ去られてしまう。その他にも、父親(ヒョンソの祖父)がやられるシーンも印象深かった。残っているはずの弾がなかったときのなんとも言えない気持ち。よくよく考えれば悔しいだろう。無駄死にだと言える。そのときのカンドゥはどんなことを考えていたのだろう。「しまった。計算間違いだ。自分のために父が死んだ」と後悔しただろうか。弟妹たちは彼を責めただろうか。地下下水溝の中でのどろだらけのヒョンソの演技は一生懸命さが感じられた。知恵を絞って生きようとしている必死さが伝わった。しかし、あの地下溝の怪物にたどり着いたのが、カンドゥだけだとは、なんと警察の未熟なことか。ウイルス探しよりも、怪物探しの方が先だろうと言いたい。やっぱりラストはヒョンソに目を開けてほしかった。怪物を退治した後、死んだと思っていたヒョンソが目を開ける。3人で食事する風景で幕を閉じる。
公式サイト「グエムル -漢江の怪物-」