そよかぜから-映画

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遠くの空に消えた

2008年06月22日 | ラブロマンス/青春

2007年 日本 144分
■2008.6.15 DVD
■監督 行定勲
■出演
   神木隆之介(楠木亮介)
   大後寿々花(柏手ヒハル)
   ささの友間(土田公平)
   小日向文世(土田信平)
   鈴木砂羽(土田スミ)  伊藤歩(サワコ先生)
   長塚圭史(赤星)  田中哲司(トバ)
   柏原崇(大人になった亮介)
   チャン・チェン(スミス提督)  石橋蓮司(天童)
   大竹しのぶ(BAR花園ママ)
   三浦友和 (楠木雄一郎)

 《story》

「きみのためなら、ぼくらは、UFOだって呼べるんだ」
「100人の子どもたち 場所は空港予定地の麦畑 
             満月の夜一晩でやる  史上最大のいたずらを」

麦畑の広がる馬酔村(まよいむら)。亮介は父と一緒にやってきた。父はこの麦畑に空港を建設するためにきたのだ。牛乳配達の公平と一騎打ち。糞まみれになった二人は、UFOを呼んでいるという不思議な少女ハヒルと出会う。星が取れるという望遠鏡で美しい夜空を見る。大人たちは、地元の空港建設反対の青年団と亮介の父の会社の人たちがぶつかる。そして事件は起きた。ハヒルたちの秘密の場所が荒らされ、ハヒルがけがをする。そして、父が撃たれた。もう大人だけに任せてはいられない。亮介と公平は大きな計画を立てる。その夜、子ども達が麦畑に集合。一夜で作ったミステリーサークル。村は大騒ぎ。

 子どもたちが団結するっていいよね

大人は利権がからむからもめるばかり。ああだこうだと理由をつけて、本当に大切なことを見ない。理想と建前は違うと言って正当化する。空港はだれのためのもの。地元の人はだれものぞんでいなかった。でも空港をくるという。だれがのぞんでいるの。もちろん亮介の父ではない。亮介の父親は仕事で交渉にきているだけ。本当に作りたい人は見えない。工事でお金を儲ける人たちかもしれない。ただ作りたいだけかもしれない。

そういえば子どもだけで大きな穴をほって、その中に入って遊んだことがある。現代ならすぐに学校に通報されしかられるだろうなあ。爆竹を使ったり、畑や田んぼでいろんな虫を捕まえたり、基地をつくったり・・・現代では絶対に許されない遊び。アイデアいっぱいで、自然の中でさまざまな工夫をして遊んでいた。だれかがすごいアイデアを出して、みんなうきうきして準備して行動した。ミステリーサークルもその一つだと思う。知恵と行動は、団結と人々のために、やさしく使うもの。そう聞こえてくる。

自然と空港、生活・・何が大事か。今を考えるか未来を考えるか。自分を考えるか人類を考えるか。道は必要だが空港はいらない。自分の身の回りにふりかかれば必要だが、そうでなければいらない。単純には考えられないから、悪くなるばかり。結論は先送り。時間がたって、そこから関心がなくなったとき、いつのまにか空港はできている。そして、自分もその空港を使う。ジレンマに襲われる。あきらめの境地、もうどうでもいいと思ってしまう。子ども達の奇跡のイタズラ。それも流れに記念の印を押しただけなのかもしれない。感動と同時に絶望感におおわれてしまう。

 公式サイト「遠くの空に消えた」