■2006年 ドイツ/フランス/スペイン 147分
■原題「PERFUME: THE STORY OF A MURDERER」
■2008.4.5 wowow
■監督 トム・ティクヴァ
■出演
ベン・ウィショー(ジャン=バティスト・グルヌイユ)
ダスティン・ホフマン(ジュゼッペ・バルディーニ)
アラン・リックマン(リシ)
レイチェル・ハード=ウッド(ローラ)
《story》
「それは、昨日まで人だったもの」
「その香りに、世界はひれ伏す」
1978年パリの魚市場で産み落とされた赤ん坊。母親は、子殺しの罪で絞首刑。生き延びた赤ん坊は施設に預けられる。バティストと名付けられたその子は、すべての香りや臭いかぎ分けられる才能を持ち、その変わった行動のため、仲間外れにされた。13才になったバティストは皮なめし職人に売り払われる。青年になったバティストが初めて郊外に出ることを許された日、運命の香りと出会う。それは人間の少女の香りだった。彼の異常な行動に騒いだ少女の口をふさいだとき、少女は死に香りも途絶えていった。この香りにあこがれ、いつか保存したいと願うようになる。
かわいそうな身の上だけど
やっぱり殺された女性が浮かばれない。両親を知らず、めぐまれない人生を送ってきた彼だけど、結局自分の欲望に身を任せて生きてきただけだ。香りをかぎ分けられる力をうまく生かせたら、人々の幸せのために役立てられたらどんなにいいことだろう。希な才能が自分の欲望を駆り立て、それを満足させるために、勢力が費やされるなんて、なんだかさみしくなってくる。
誰も持ち得ない才能。私も憧れる。もし私に香りをかぎ分ける才能があったら、どんな仕事をするだろうか。犯人逮捕や人捜し、もの探しに力を貸すだろうか。お金儲けに、その才能を使うだろうか。きっとそうだろうなあ。何の取り柄もない私にも、少しでも何かの才能の欠片でもあったら、少しは自信を持って生きられたかもしれない。
バティストは、他人が自分をどう見るかなんて少しも気にしていなかった。自分のただひとつの思いを達成させるために、さまざまな方法をとっただけ。ある意味、自信をもって我が道を行っているのかもしれない。かわいそうだとか、さみしそうだとか、彼のことをそう思うことは無用なんだと思う。もしかしたら、何の感情をも持ち得ない悪魔なのかもしれない。
公式サイト「パフューム ある人殺しの物語」