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そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

天国にいちばん近い島

2007年10月21日 | ラブロマンス/青春

1984年 日本 102分
■2007.10.17 BS-i
■監督 大林宣彦
■出演
   原田知世(桂木万里)  
   高柳良一(タロウ・ワタナベ=日系三世)
   峰岸徹(深谷有一)  赤座美代子(村田圭子)
   エティエヌ・ワモウ(酋長)
   ジル・ピーターソン(トム)
   ジョルジュ・ワヘオ(ジェローム)
   泉谷しげる(タイチ・ワタナベ=タロウの父)
   高橋幸宏(桂木次郎)
   小林稔侍(青山良男)
   小河麻衣子(山本福子)
   入江若葉(マダム・ヒロコ)  室田日出男(西尾久造)  
   松尾嘉代(桂木光子)  乙羽信子(石川貞)

 《story》
桂木万里は、幼い頃に父に聞いた「天国にいちばん近い島」の話が忘れられないでいた。いつかいっしょに行こうと言っていた父が急死し、高校生ながらも冬休みを利用して旅に出る決意をした。目指すはニューカレドニア。ツアーでの参加だったが、現地では自転車を借りて一人で散策。そのとき、日系三世のタロウと出会うが名前も聞かずに分かれてしまう。その後、万里の話を聞いた深谷という男が、イル・デ・バン島に彼女を案内するが、思う島ではなかった。再び再会したタロウに教えられた島にも行ってみたがそこもちがっていた。万里はその島でエイにさされ倒れてしまう。ツアーの滞在は過ぎ、一人取り残されてしまった。ホテルを追い出され、タロウの家に行った。次の日、エッセイストの村田圭子と戦争未亡人、石川貞が訪れる。石川が滞在しているホテルに万里は移る。そこで、村田と深田が出会う。彼らは20年前の恋人どうしだった。万里の仲立ちで、離ればなれになっていた愛をむすび合うことができた。一方、タロウは手紙とお金を万里の荷物とともに送る。その手紙には、これで「日本に帰ってください」とあった。万里は、すぐにタロウのもとに飛んでいく。そしてタロウに告げる。「天国にいちばん近い島を見つけた」と。

 何が天国なの
そういえば学生の頃、この本を読んで同じ思いをしたことがあった。題名にわくわくしながら読んでいくんだけど、結局何が天国なのかわからずじまいだった。今でもそうだけど、「天国」のイメージがはっきりしないのだ。極楽浄土や天使の住む天国を思ってしまう。そこで、不思議なことが起こり、死んだ父親と会う。またはこの世ではありえないことが起こってあっと言わせる。そんなことをいつの間にか想像していたのだと思う。今回は、映画では何を天国と言っているのか確かめたくて、昔の原田知世が見たいのと、大林監督だから何か発見があるかもしれないと少し期待しながら見た。しかし、演技がイマイチ。時をかける少女では良かったが、あのままではね。ニューカレドニアに着いたとき、自然を天国というなら、その国自体が天国だと言えるだろうな。連れて行かれた島だって美しい空や海、緑がいっぱいあった。原住民だって親切だった。いったい何を天国というのだろうと、最後まで見たが、結局恋したことだったんだ。がっかりで終わった。戦争未亡人がここで登場する意味、タロウの存在。深田と村田の恋って何。頭が悪くて結びつかなくて、何かちぐはくのような気がして消化不良だった。ニューカレドニアである意味がわからない。

ミス・ポター

2007年10月08日 | ラブロマンス/青春

2006年 イギリス/アメリカ 93分
■原題「MISS POTTER」
2007.10.8 TOHOシネマズ緑井
■監督 クリス・ヌーナン
■出演
   レニー・ゼルウィガー(ビアトリクス・ポター)
   ユアン・マクレガー(ノーマン・ウォーン)
   エミリー・ワトソン(ミリー・ウォーン)
   ビル・パターソン(ルバート・ポター)
   バーバラ・フリン(ヘレン・ポター)
   マッティエロック・ギブス
   ロイド・オーウェン  アントン・レッサー
   デヴィッド・バンバー

  《story》

「その恋が私を変え、私の絵が世界を変えた」

1902年、ロンドン。まだ封建的な階級が強く前面に出て、女性が男性と肩を並べて仕事を持つなどあり得なかったイギリス。ビアトリクス・ポターは、裕福な家庭で育ち、夏は自然豊かな湖水地方で過ごした。父の影響もあって、幼い頃から動物の絵を好んで描いた。ビアトリクスには夢があった。物語と彼女が作った動物たちの絵本を出版することだった。そのため良縁をすすめられても断り続けた。スケッチブックと彼女が作った絵本を持って出版社を訪ねた。ウォーン社が承諾してくれ、三男のノーマンが初の仕事として任された。ビアトリクスはノーマンとともに、何度も話し合い、印刷所も訪れ色合いなども自ら見てきた。ノーマンの独身の姉とも親しくなり、3人の心は結びついていった。ポターの絵本は一躍ベストセラーとなった。クリスマスの日、ノーマンはビアトリクスに結婚を申し込んだ。しかし、ビアトリクスの両親は猛反対。ビクトリアの幸せを願う両親は、夏の湖水での生活後も気持ちが変わらなければ許すことにした。ところが、その間にノーマンが病気で急死してしまう。悲嘆にくれるビアトリクスは、湖水地方の農家を買い取り、そこで暮らし始める。この地方の美しい自然を守るために、困窮し売りに出される農地を買い取り、無償で貸し与えるのだった。その橋渡しをしてくれたのが、幼いときにこの地で夢を語り合った弁護士のウィリアムだった。

 さわやかな気持ちになれる
いやいや、妬みの心も大きくなった。お金があるからできること。あんな美しい自然の中で、何不自由なく暮らせるのだ。働くことなく絵を描き続けることができるのだ。そんなことも考えたけど、やっぱり映画の中のビアトリクスは自然と一体になって、動物たちと仲良しになれたことが、彼女が描いた動物たちに命を注ぎ込んだのだと思う。たまたまお金があって、それが有効に使われたのだと思う。彼女がいなければ、あの美しい自然が開拓されて住宅街になり、今では高層ホテルでいっぱいになっていたかもしれない。純粋に自然を愛する彼女の心が、さわやかな風を吹かせてくれる。今すぐにでも、自然の中に入り込み、その風をからだ全身で浴びたくなる。自然の中の植物や動物、生き物たちに触れあいたくなる。そして人に優しい気持ちを伝えたくなる。ピーターから伝わる優しさは、この自然を大切にしようとする心だったのだ。ジャケットを身につけていても、自然の姿のまま、自然の心のまま、人と共存しようとしているのかも。

 公式サイト「ミス・ポター」

包帯クラブ

2007年10月06日 | ラブロマンス/青春

2007年 日本 118分
2007.9.30 TOHOシネマズ緑井
■監督 堤幸彦
■出演
   柳楽優弥(ディノ=井出埜辰耶)
   石原さとみ(ワラ=騎馬恵美子)
   田中圭(ギモ=柳元紳一)
   貫地谷しほり(タンシオ=丹沢志緒美)
   関めぐみ(テンポ=本肴阿花里)
   佐藤千亜妃(リスキ=芹沢律希)
   風吹ジュン  岡本麗  大島蓉子  国広富之
   塩見三省  原田美枝子

 《story》

「あの包帯がなければ、ただの10代だったと思う」
「人生をあきらめてしまう、その前に」

「包帯一本巻いて世界が変わったら めっけもんや」

高校3年生のワラは、裕福ではないけど、就職を夢見るしっかりもの。不注意で切った手首をリストカッとだと誤解され、自分を安易なイメージで見ている世間に少し絶望していた。病院の屋上のフェンスに登っていたら、ディノという少年が声をかける。「手当や」と言って、手首から外れた包帯をフェンスに巻く。妙に心が癒されるのだった。次の日、親友のタンシオが失恋し嘆いているのを癒そうと、タンシオが座っていたブランコに包帯を巻く。このことを知ったタンシオのメル友ギモが、世の中の傷ついている人のために包帯を巻く「包帯クラブ」を作ろうと提案。サイトを立ち上げ、相談を受け包帯を巻いた写真を載せ始めた。さまざまなアイデアを考え、写真を載せ、感謝の反響を得るのだった。しかし、他人の心の傷を考えるたび、自分たちの心の傷も浮き上がってきた。ある日、偽善だという非難の書き込みがあり、さらに迷惑行為であると町中でも問題視され警察も動き始める。ワラたちが抱える親友の絆の問題、そしてディノの心の奥底にある暗い影。閉鎖に追い込まれた包帯クラブの仲間が、仲間のために包帯を巻く。

 単純だけど癒される
まるで子どもの「ごっこ」みたいだと思われそう。でも、こんな発想好きだな。大人の戦争ごっこより何倍もいい。包帯ひとつで世界が変わったら、どんなに素晴らしいことだろう。心の傷を負った人の気持ちになろうとするところが、単純ではないことを表している。今の世の中人の気持ちになって考えることが少なくなってきている。自分のことだけで精一杯。自分のことさえどうしようもなく、他人をどこかに追いやってしまう。包帯を巻こうとすることで人の気持ちに触れ、自分の心ともいつのまにか真剣に向き合うようになる。人間って自分を大事にしようと思ったら、人を大事にしなければいけないということがよくわかる。今、自分さえと思ってしまい、それが自分をどれだけだめにしているかを思い知らされる。包帯1本で世界は変わる。自分の世界が変わる。警察官が巻かれた包帯を外している場面は、現実を直視させられる。巻かれた包帯はとらなければならない。そうでなければ汚れ朽ち果て、散らかりゴミとなる。後始末も包帯クラブには必要だ。マンションの屋上に巻かれたたくさんの包帯。それをひとつひとつ片づけていく姿も真正面から見なければならない。これもひっくるめて人の気持ちにふれあえるのだと思う。こういう映画好きだけどなあ。

  公式サイト「包帯クラブ」

クローズド・ノート

2007年09月30日 | ラブロマンス/青春


2007年 日本 138分
2007.9.25 ワイナーマイカル 試写会  with y
■監督 行定勲
■出演
   沢尻エリカ(堀井香恵)
   伊勢谷友介(石飛リュウ)
   竹内結子(真野伊吹)   
   永作博美(可奈子=万年筆店の娘)
   板谷由夏(山崎星美=リュウの仕事の世話)   
   田中哲司(鹿島)  
   サエコ(池内ハナ=香恵の親友)
   中村嘉葎雄(喜一郎=万年筆店の主)
   黄川田将也(夏目涼=ノートの中の彼)
   篠井英介(瀬川=大学の先生)
   粟田麗(君代の母)   山口愛(水原君代)   石橋蓮司(中沢正道)


 《story》

「私と彼女を結ぶ、世界でたった1冊の絆」

教育学部に通う香恵は、引っ越した家で、前の住人が残したノートを見つける。そのノートには、伊吹という女性が始めて小学校4年生の担任となった生徒との交流と、彼女が久しぶりに出会った「隆」への恋心が書かれていた。香恵は、自分がバイトで勤めている万年筆屋で出会った青年への思いを重ねていく。その青年は、香恵が引っ越してきた日に、彼女の部屋を見つめていたり、万年筆の書き具合にこだわったり、香恵にとって強く印象に残った。いつしか香恵は、リョウと呼ばれる青年のイラストのモデルとなったり、彼の家を訪ねるようになる。香恵の思いは大きくふくらんでいく。しかし、リョウには忘れられない女性がいた。

 見え見えだけど
わかってしまうと、とたんにつまらなくなる映画や、知ってしまうともう二度と見る気がなくなってしまう映画がある。でも、わかっているけど、見たくなる映画はすごい。不思議な世界を印象付けながら、現実の世界が交錯しひとつになっていく。二人の人間が一人の人間になったとき、完全に2つの世界が1つになった。
沢尻エリカは好きな女優だ。映画の中では純粋で一生懸命だけど、テレビに出てくるインタビューなどでは、お化けみたいな顔ですましている。映画の中ではとてもいいんだけなあ。もしあのお化けみたいなすました役だったら、地に合っているけど見応えはないかも。なんだかジレンマ。「エリカ様」なんて言わせない、見かけじゃないわがままじゃない女優でいてほしい。
2人招待の試写会だった。会場はほとんど女性。私は息子と二人。映画は誰と見てもいい。「涙そうそう」のときなんか、周りはみんなカップルで、ひとりぽつんといることがはずかしかったことがある。映画が見られるならそれでいい。「行こうか」と言ったら、息子が「いいよ」と来てくれたことがうれしいし、久しぶりにワイナーマイカルに行けたことも楽しかった。ここもシネコンだけど、座席が狭くて、音に迫力がなかった。やっぱりTOHOが一番だ。

 公式サイト「クローズド・ノート」


ハチミツとクローバー

2007年09月23日 | ラブロマンス/青春

 
2006年 日本 116分
2006.8.1 サロンシネマ2
       2007.9.22  wowow 
■監督 高田雅博
■出演
   櫻井翔(竹本)  伊勢谷友介(森田)  
   蒼井優(花本はぐみ)  加瀬亮(真山)  
   関めぐみ(山田あゆ) 堺雅人(花田先生)

 《story》

「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」
「恋をした。それだけのことなのに 世界はまぶしい」

美術大学の学生たちの片思い物語。花本先生を囲む会で、竹本は恋に陥る。2階で大きな画板に絵筆を走らせていた花本先生の姪であるはぐみだった。彼女は4月に同じ大学に入ってきた。人見知りが激しく、一人で食事ができないので、竹本は先生から一緒に食事を付き合ってくれと頼まれる。一方真山はあこがれの先輩理花に恋し、密かにつけたり彼女に関わる物を集めたり・・・その真山が好きなあゆは、彼女も理花をつける真山をつけるのだった。そんなとき海外に出ていた森田が帰ってきた。森田が個展に向けて打ち込む姿を見つめるはぐみ。森田、竹本、真山、あゆ、はぐみは、ひょんな事から車で海を見に行くことになった。砂浜で青春を謳歌する仲間たち。しかし、そこで・・・・。

さわやかな青春物語。私は好きです。「ぼくは、はぐちゃんが好きだよ」「ありがと」これだけでこの映画は最高だと思いました。愛してるとかどうとかではなくていい。小学生の恋みたいかもしれないけど、好きな気持ちを素直に伝えて、それを素直に受け取り、ありがとうと微笑んで言える。それだけですばらしいと思う。竹本が初めてはぐちゃんと出会ったとき、これが恋の始まりだと思った瞬間、確かにそうだと感じた。あの「ニライカナイの手紙」「男たちの大和」の彼女だと思えない、見ている自分もハッと思わせる、そんな感じがした。コミックはどんなものなのか知らないけど、知らないで見る方がいいかもしれない。遠き青春時代を思い出せてくれた。切なすぎて、こんなにさわやかじゃなかったけど。今でもできるなら、こんなさわやかな恋がしたいものです。

      2007.9.22  wowow 

 無垢な青春
青春にもいくつかある。欲望の固まりの青春。だれにでもこんな気持ちはあると思うけど、本気でそれだけを求めているものは少ないと思う。あの青春時代は、先が見えない不安と純粋な愛を求めていたと思う。そんな愛を抱きたいと思っていたと。
はぐは海岸でキスをされ、その後何を悩んでいたんだろう。びっくりした自分。恋する自分。あってはならない事実。自分の心の中のもやもや、変化。そこに何があった?
真山や山田は、恋の心の奥底にひた走る。ある意味変態的な行為にも陥りながら。森田は何も考えないその場だけの人間。恋だの愛だの自分には似合わないと思いつつ、本能的にはぐにキスしてしまう。竹本は一番純粋かな。というより、心の中の愛を大事にする、まさに青春をそのままに走る。自転車で走る。古典的な純粋な青春を送っている。素直に自分の心を打ち明けるだけで満足かあ。そのあとのことを求めないのかあ。どろどろした人間関係とは無縁かあ。どんな恋も青春。どんな恋ももう一度してみたくなる青春。

 公式サイト「ハチミツとクローバー」 


四月の雪

2007年09月08日 | ラブロマンス/青春


2005年 韓国 106分
■原題「April Snow(Oechul)」
■2007.9.7 wowow
■監督 ホ・ジノ
■出演
   ペ・ヨンジュン(キム・インス)
   ソン・イェジン(ハン・ソヨン)
   イム・サンヒョ(カン・スジン)
   リュ・スンス(ユン・ギョンホ)
   キム・グァンイル(グァンイル)
   ユ・スンモク(医師)
   イ・ハンウィ(インスの先輩)

 《story》

「それは、はかない恋だった。
      どんなに舞い降りても積もることもない、四月の雪のように・・・」


照明監督の仕事をしていたインスは、妻の事故の知らせを受け病院にかけつける。意識不明の妻のそばには、同じく意識不明の男性が集中治療を受けていた。二人は不倫の旅行の最中に事故を起こしたのだ。病院の廊下の椅子には、相手の男性の妻であるソヨンがうなだれていた。インスとソヨンは、事故の説明を聞いたり、事故で死んだ相手の自宅を訪ねるうち、お互いのやりきれない気持ちを語り出す。そして、意識し始める。インスの妻が意識を取り戻す。ソヨンの夫は死亡する。離ればなれなになりながらも惹かれ会う二人。

 憤りと悲しみを抑えながらよりそう
いろいろ批判もあるけど、単純な私はそれなりに感動できた。ただあの濡れ場はいらない。体が求めているのではなく、心が寄り添い離れられなくなっていくところを強調してほしい。手をつなぐだけでいい、抱き合うだけでいい。
「復習してやる」・・・表面は冷静な雰囲気を出しながらも心の奥底には荒れ狂った憤りと悲しみがある。そばで看病するだけでも、それなりの悟りがいる。
「不倫しようか」・・・当てつけに、まさに復習心と欲望だけで、その道に行きかねない。でも、この二人はまさに神が巡り合わせたような自然な形に結びついた。
ラスト・・・二人はどこに行くのだろうか。私はハッピーエンドとしてとらえたのだけど、もしかしたら自殺をしに行くのではないかという感想もあった。あんな妻はもう放ってしまって、二人で幸せに暮らしなさいと言いたくなる。


キャプテン

2007年08月31日 | ラブロマンス/青春


2007年 日本 98分
2007.8.27 サロンシネマ1
■監督 室賀厚
■出演
   布施紀行(谷口タカオ)  小川拓哉(丸井=2年生)
   中西健(イガラシ=1年生)  
   岩田さゆり(佐々木舞=新聞部)
   小林麻央(三咲静香=野球部顧問)
   菅田俊(権堂=青葉中野球部監督)
   河野朝哉(佐野=青葉のエース)
   永井浩介(サブ=父の弟子)
   宮崎美子(タカオの母)
   筧利夫(タカオの父)

 《story》

「君ならできる」
「弱小野球チームが巻き起こす、奇跡の逆転ホームラン」


墨谷第二中に転校してきた田の口タカオ。さっそく野球部に入るために部室をのぞいたら、野球の名門青葉中の野球部にいたということで、さっそくキャプテンにさせられてしまう。その後、練習試合があり、タカオはサードで4番。でも、守っても打っても失敗ばかり。みんな落胆し、それからの練習ではタカオを無視し行われた。タカオはひとりもくもくとランニングするのだった。キャプテンをやめるというタカオに、「あきらめちゃだめだ」と父は野球の猛特訓をする。地区予選ではタカオはベンチだった。9回裏2アウト、ランナー一人、代打でタカオが呼ばれた。そして見事逆転のホームラン。タカオへの評価はぐーんとあがた。そして、決勝は青葉中。タカオはできる限りの練習をするんだと部員に猛特訓する。そして迎えた決勝戦。

 単純で素直でさわやかで
こんな単純明快でさわやかな映画が好きだなあ。先は見えているけど、そうなることがうれしくてたまらなく感じる。どん尻でみんなからバカにされていた人間が、人の励ましで猛練習の影の努力をして力を付ける。それを見抜く仲間がいて、活躍のチャンスをくれる。見事そのチャンスを生かす。決しておぼれず、謙虚に前向きに前進し続ける。そんな主人公は理想かもしれないけど、わかりやすくて好きだ。生意気だけど、それでもあの1年イガラシもイガラシなりに謙虚に自分の力をチームに生かす。二代目キャプテンは意気込んでいたけど、どんなチームができるかな。最もいやな自主性のないやらされているチームの代表が青葉だった。強いのかもしれないけど、物足らなさを感じる。楽しくやってないように感じる。何事も楽しみながらするのが心にも一番。それはおもしろおかしくする、手を抜いてふざけてする、ということではなかく、心のつながりを考え、体と心のバランスを考えることだと思うんだけど。

 公式サイト「キャプテン」


小さな恋のものがたり

2007年08月29日 | ラブロマンス/青春

2005年 アメリカ 91分
■原題「Little Manhattan」
■2007.8.26 wowow
■監督 マーク・レヴィン
■出演
   ジョシュ・ハッチャーソン(ゲイブ)
   チャーリー・レイ(ローズマリー)
   ブラッドリー・ホイットフォード(アダム)
   シンシア・ニクソン(レスリー)
   ウィリー・ガーソン(ラルフ)
   トニー・パタノ(バーディ)
   ジョシュ・パイス(ロニー)

  《story》
マンハッタンで暮らすゲイブの両親は離婚寸前。そんな両親の様子を冷めた目で見ていた。ゲイブは、いじめっ子に対抗しようと入った空手で、パートナーとなったローズマリーは、幼なじみで久しぶりに再会した。彼女の自宅で空手の練習をするなどしているうちに、ゲイブの胸はドキドキ苦しくなっていった。ローズマリーの一挙手一投足が気になって、喜んだり落ち込んだり。でも、二人でアパート探しをしたり、二人でスティックボードの乗って街を走ったり、心はときめき続けた。しかし、ローズマリーが転校することが決まり、空手のパートナーも決まり、ついいいところを見せようと、空手の板割りにチャレンジして失敗する。心配して電話をかけてきたローズマリーに、ゲイブは「嫌いだ」と心にもないことを言ってしまう。公園でラグビーの練習をしたあと、父と話したとき、「言いたかった小さな事がたまってきてしまったんだ」と聞く。自分はそうなりたくないと、ローズマリーに愛の告白をするために走る。

 ほのぼのとした恋だ
いつかしたことある恋だよね。そばにいるだけでうれしくて、ひとつひとつの動きや言葉や表情で悔しがったり喜んだり・・・・名前を言っては恥ずかしがったり・・・でもゲイブは、言いたいことを言わなければという言葉に従って愛の告白をした。それはきっと、どうしたいとかどうしてほしいとかではなくて、自分の心のけじめだったのかもしれない。そう考えると大人みたいだけど、そこに打算はなく、純粋に伝えたかった。そのまま離ればなれなることがいやだった。ローズマリーは、そんなに強い感情はなかったかもしれない。ただいっしょにいると楽しい友人ぐらいだったかも。ゲイブの心のけじめ・・・それは大人にも通じる恋の道。それが人を愛する基本かも。何もかも言えて、それでいてその人を大切に考え行動できること。ああ、あの時きちんと気持ちを言葉で伝えていたら、今の自分の心だけでも整理できていたかもしれない。

天然コケッコー

2007年08月20日 | ラブロマンス/青春
 
2007年 日本 121分
2007.8.20 サロンシネマ2
■監督 山下敦弘
■出演
   夏帆(右田そよ)  岡田将生(大沢広海)
   夏川結衣(右田以東子=そよの母)
   佐藤浩市(右田一将=そよの父)
   柳英里沙(田浦伊吹=中1、商店)  
   藤村聖子(山辺篤子=中1、散髪屋)
   森下翔梧(右田浩太郎=そよの弟)
   本間るい(田浦カツ代=小4)
   宮澤砂耶(田浦早知子=小1)
   斉藤暁(篤子の父=散髪屋)
   廣末哲万(シゲちゃん=郵便局)
   黒田大輔(松田先生=中学)  大内まり(美都子=大沢の母) 

  《story》

「もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やあ
   ささいなことが急に輝いて見えてきてしまう」


山と川と海、そして田んぼが広がる田舎。方言丸出しのそよは中学2年生。小学校と会わせても6人の学校に転校生がやってくる。そよと同じ学年の男子、東京からやってきた大沢広海。誰にでもやさしく世話好きなそよ、少し意地悪な広海。登校も下校も、広海も入れていつも7人。海にでかけた7人だが、線路で倒れたそよを助けた広海。知り合いが自殺した橋で花を手向ける広海。二人は少しずつ近づいていく。
修学旅行はそよの希望が叶って東京に決まった。東京駅で途方に暮れるそよ。くたびれ果て、眠るそよ。でも、いつしかビルの谷間に山の響きを感じた。新しい1年生を迎えぬまま、中学校を卒業してしまう。いつかこの校舎も人がいなくなってしまうのか。そよは地元の高校を受験する。広海は・・・

 山と田んぼがあるだけで
なんでじゃろう。山や田んぼや海や空や・・・自然がそこにあるとわかっただけで、生きることに喜びを感じる。次から次にほしいものが目の前に現れ、いつも何か物を求めている現代。だからいつも心が欲している。でも、ここはちがう。欲してはいるけど、満ち足りている。東京にはそのほしいものはいっぱいあるけど、どこか心が虚ろで人の波に流されていく。その地方の方言をそのまま話せるその場が一番落ち着く。道を歩いている場面を見るだけで、心が和んでくる。神社があって祭りがあって。まるで兄弟姉妹のような家族のような子どもたち。そよが早知子の世話をする。海からの帰り、つい自分のことを優先して早知子の言うことを聞かなかったことを後悔し、病気になった早知子を見舞うそよ。部屋に入った瞬間、そよにしがみつく早知子。そよをしげさんと二人きりにさせようと置いて帰ろうとしたとき、泣き出したそよを温かく囲む仲間。いじめなんてないんだろうな。人を大事にすることが当たり前の世界はきっと心地よい青春を作り出してくれる。ついつい言い過ぎてしまう自分を反省するそよ、そのことを責めない仲間。わかりあってるんだなと思う。つい映画の世界に素直に入っていってしまう。島根の浜田に行ってみたくなる。きっと高校生になったそよと広海はやっぱり仲良くやっていると思う。

 公式サイト「天然コケッコー」

ふたつの恋と砂時計

2007年08月13日 | ラブロマンス/青春

2005年 韓国 100分
■原題「Daddy-Long-Legs」
■2007.8.11 wowow
■監督 コン・ジョンシク
■出演
   ハ・ジウォン(ヨンミ)
   ヨン・ジョンフン(ジュンホ)
   ヒョンビン(ヒョンジュン)
   パク・ウネ(ヨンウ)
   シニ(チョン)

 《story》

幼い頃に両親を失ったヨンミ。姿を表さぬ、“あしながおじさん”が、彼女の大学進学や就職など援助をしてくれた。彼女は、ラジオ局に勤めることになったのも、住む家を世話をしてくれたのもあしながおじさんだった。その家は、住人が入院しているのでそのまま住むことになった家だった。ヨンミが、自分のパソコンが故障し、その家にあったパソコンを使わせてもらったとき、「1年後の自分へ」という不思議なメールが届く。その住人の切ない恋が語られ、自分の記憶を失い死んでいく病気のことが書かれてあった。ヨンミは、このことをラジオ放送で流すことで、その住人を励まそうとした。同じ頃、資料室のジュンホと偶然の出会いを繰り返し、彼を意識しはじめるヨンミ。そして、メールにあった砂時計と逆さの絵が一致することを発見する。ふとしたきっかけで、あしながおじさんの人物が判明する。それはジュンホの兄であり、ジュンホの片思いの彼女はヨンミだったことがわかる。

 難解な物語
韓国映画に多い、すっきりしない物語。何となくわかる。でもそうだと言い切れない内容。「そうだったのか」という目の前は開けるような瞬間がない。多分こうじゃないのかなと推測し、そうじゃないかもしれないという不安を抱えてしまう。
筋としてはおもしろい展開だと思うのだけど、もう少しわかりやすい作り方をすれば、涙もいっぱい出るいい映画になると思うのだけど。特にわからなかったのが、ヨンミが大学で片思いするシーン。あれは想像していただけみたい。いつ入れ替わったのかわからず悩んでいた。それを説明してくれているサイトを見つけて、少し視界が開けた。でも、そこまでしなければ内容がつかめないなんて、映画としてはだめだなあ。アイデアはおもしろいのだけど。