誰もが押し寄せる所なら 誰かが行く。
誰も行かない所でこそ、我々は必要とされる。
<by 中村哲:医師>
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「氷河の流れのように」 中村 哲
農村や下町に行けば、そこには殆ど昔と変わらぬ人々の生活がある。
そして我々の活動も、これらの人々の涙や笑いと共にある。
何世紀も営まれてきた人々の暮らしが、たかだか10年やそこいらのプロジェクトで
変わるものではない。
しかも、俗にいう「進歩」や「発展」が本当にこの人々の幸せにつながるかどうか、
私は疑問に思っている。
我々の歩みが人々と共にある「氷河の流れ」であることを、あえて願うものである。
その歩みは静止しているかの如くのろいが、満身に氷雪を蓄え固めて、巨大な 山々を
確実に削り降ろしてゆく膨大なエネルギーの塊である。
我々はあらゆる立場 を超えて存在する人間の良心を集めて氷河となし、騒々しく現れては
地表に消える小川を尻目に、確実に困難を打ち砕き、かつ何かを築いてゆく者でありたい
と、心底願っている。
<以上、ペシャワール会のHPより>
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中村哲さんは、パキスタンのペシャワールを根拠地として、アフガン難民の診療活動を
持続的におこなっている日本人医師である。
そし、アフガニスタンやパキスタンにいくつかの診療所を建設しながら、それと同時に
アフガニスタン東北部山岳地域の“無医村”における診療にも たずさわっている。
最近では、戦争によって破壊された環境のアフガニスタンの人々のために、日常生活を
人間らしく暮らしていけるように、井戸を掘り、用水路を拓く活動にも力を注いでいる。
頭がさがる思いで、中村さんの活動を見つめ、見守り、応援していきたいと感じる。
私には到底できない活動を、長きにわたり、されていらっしゃること事態、何にも増して
尊敬するべき行為である。