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【小倉百人一首】23:大江千里

2014年06月14日 01時00分24秒 | 小倉百人一首
大江千里

月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど

儒学者として身をたてており、唐詩の世界を和歌で表現するという斬新な歌風が特徴。
この歌も白居易の『燕子楼』という詩から生まれた。この『燕子楼』は独身を貫き通す未亡人が秋の月の下、夜の長さを歌ったものがなしい詩である。


 滿窗明月滿簾霜  満窓の明月、満簾の霜
 被冷燈殘払臥床  被は冷やかに、燈は残(うす)れて臥床を払ふ
 燕子樓中霜月夜  燕子楼の中(うち)の霜月の夜よ
 秋來只爲一人長  秋来たつて只一人(いちじん)の為に長し


ちなみに燕は二夫にまみえない貞操を守る鳥ということで建物の由来となった。

さて、大江氏は千里の父、音人の代から臣籍降下したといわれ、音人の父は阿保親王という説があるので、在原業平と親戚になる。祖父・阿保親王同様、この音人も承和の変に連座して一時期配流にあっている。
また、大江は元々大枝という姓を桓武天皇から下賜されたが、大江に変更している。

大江千里は中古三十六歌仙の一人に数えられているが、大江氏は家学として代々紀伝道(歴史学)を伝えてる学者の家柄で(他に菅原家も紀伝道を家学としている)大江氏からは後に紹介する和泉式部や鎌倉幕府設立の功労者である大江広元(当初は中原姓)などがでている。








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