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【読書感想文】赤緑黒白

2007年08月07日 14時33分59秒 | 読書感想文
やっとVシリーズラスト。




『赤緑黒白』
作者:森博嗣

ストーリー:
MNIという宗教団体で会計の仕事をしている赤井という男が銃殺死体で発見された。奇妙なことに赤井の死体はカラースプレーで真っ赤に塗装されていた。
数日後、保呂草のもとに赤井のフィアンセを名乗る田口美登里という女性が仕事の依頼に来た。依頼の内容とは、赤井殺害の犯人は赤井がファンであるミステリー作家の帆山美澪に違いないから証拠を掴んで欲しいというものだった。依頼を受けるかどうか迷った保呂草は3日間の猶予をもらう。
警察の捜査は遅々として進まず、また、保呂草の調査では帆山の事件当日のアリバイを崩すところまでいったが、その先が見えない状態だった。
そして田口のアパートを訪れた保呂草と偶然一緒になった七夏は田口が自室で全身緑色のスプレーで塗装された死体となっていたのを発見した。スプレーで塗装するという手口が共通していることから、同一犯の可能性を疑うが、確たる証拠が出てこない。
そして数日後、今度は公園で黒田という記者が銃殺された上、全身を黒のスプレーで塗装された状態で発見された。
そんな時、美術館で開催されていた関根朔太展で、展示されている絵が盗難された事件も発生していた。
連続殺人の捜査は行き詰っていたが、そんな時、かつて紅子によって犯罪を暴かれた秋野秀和が、この事件について重大な情報を提供したいから紅子にあわせろと要求してきた。林は紅子を秋野に会わせることにし、そこで秋野の口から犯人についての重要な情報を聞いた。


感想:
今回は通り魔的な事件だったため解くほどのトリックはなく、最後の紅子と犯人のやり取りだけが唯一の探偵らしい見せ場だった。そういう意味では本格ミステリーの体裁ではなく、奇想天外なトリックを期待していた身としては不満も残る。ちなみに真犯人は一応意外な人物で、それなりの伏線はあった。
S&Mシリーズもそうだったが、結局紅子・林・七夏の関係はなんの進展もないまま終わってしまった。これも残念。それと、VシリーズとS&Mシリーズの接点を示す重要な伏線が最後に出てくるが、これもかなりわかりづらい。もっとわかりやすくしてくれてもいいと思ったのだが。
それにしても最後の方は警察だらしなさすぎ。

最後に真賀田四季(はっきり名乗ってはいないが)が登場し、紅子と会話をする。実は今回の事件には間接的に四季が関わっていることもほのめかされている。



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