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ゲーム攻略、読書感想文など。

【マンガ100選】その22 ブラックジャック

2007年02月14日 01時31分03秒 | マンガ100選
いわずと知れた医学マンガの金字塔。

『ブラックジャック』
作者:手塚治虫




ストーリー:
モグリの開業医・ブラックジャックが法外な手術料を患者に吹っかけて様々な難手術を成功させたり、時には無料で手術したりしながら医学界や社会に対して風刺をする。



感想:
ストーリーははしょった。全話が一話完結になっているのだが、どの話もクオリティが高く、30年近く経った今読んでも全然色あせない内容だからすごい。
最近夜勤中に一気に読んで気づいたのだが、ブラックジャックが患者(というか患者の家族)に法外な値段を吹っかける理由がわかった気がする。それは命の価値を思い知らせること。特に不治の病に侵された患者にしてみれば、命が助かるならばどれだけお金を出しても助かりたいと願うのが当然。が、その家族はそれがわからない。そういうことをわからせるためにブラックジャックは法外な値段をふっかけてるんじゃないだろうか。



それと、「人間が人間を裁いてはいけない」と言った本人が、ある事情によって人間を襲うようになった動物を殺したとき、「人間が動物を裁いていいのか」という問いかけも胸に刺さる。
こういうかっこいいというか、はっとさせられるセリフが多いのも他の手塚作品には見られない特徴に思える。



今でこそ医学界・医療現場を舞台にしたマンガはけっこうある。だが実際には存在しない病気が出てくるどころか、宇宙人や幽霊を手術する話まで出てきてしまうブラックジャックを超えるマンガは今のところでていない。この理由は考えるに値するものだと思う。

【読書感想文】使命と魂のリミット

2007年02月14日 00時55分51秒 | 読書感想文
少し時間経ってるが、東野圭吾の最新作。得意の理数系ミステリー?

『使命と魂のリミット』
作者:東野圭吾



ストーリー:
帝都大病院で研修医をしている氷室夕紀はある目的があって、心臓外科の権威・西園の下で勉強していた。
直井穣治はある理由により、帝都大病院に入院しているアリマ自動車の社長・島原総一郎の命を狙っており、着々と準備を進めていた。

ある日帝都大病院に脅迫状が届いた。が、第一発見者が夕紀だったため、病院から秘密裏に警察に渡された。続いて病院内で第二の脅迫状が見つかる。さらに病院内のトイレに発炎筒が仕掛けられ、帝都大病院は、希望する患者を自宅療養にさせたり、他の病院に転院させる処置にでた・・・。


感想:
毎回ストーリーをまとめるのがうまくいかないのだが、今回は特にひどい・・・。
本書は大学病院内で発生した脅迫事件について、研修医の夕紀、刑事の七尾、犯人の穣治の3人の視点で交互に描かきながら進行される。
刑事の七尾は以前から上層部からよく思われておらず、手柄を立てる機会すら与えられないのだが、今回は捜査方針に歯向かい、一人たんたんと事件の核心に迫る重要な役。が、もう少しかっこよくというか、なぜ七尾だけが核心に迫れたかを説得力あるように書いてくれるとよかったかも。人並みはずれた才能がある、みたいな書き方はされてないし、ほとんど勘で捜査を進めてるにも関わらず核心に迫るというのはなんかリアリティに欠ける気がする。

また、本書はミステリーというよりは人間ドラマという感じの内容なので、ひねったものが少し物足りない。もう少し意外性のある話だったらよかったかな。でも手術後の西園の告白シーンはちょっと意表をつかれた。一応ラストの展開も伏線はあったものの、夕紀の最後のセリフにそれほど感銘を受けれなかった。
でも1日で一気に読んでしまう面白さではある。