磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

096原爆信仰

2006年06月22日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第一部ブロック・バスター

五、女優志願

096原爆信仰



「核実験は、砂漠、環礁、ツンドラ地帯などが実験場だったでしょう。核実験による火災の発生はほとんど無視することができたけど、核爆発にともなう火災の発生を考慮していなかったんでしょう」
ミス・ホームズは博士にむかって話した。

「そのとおりだね。核戦争でオゾン層も破壊されるから、それだけでも農作物の被害や癌患者は増加することだろう」

「いったい、どのくらいの核を使ったら『核の冬』は来るのかしら?」
「それが、核が使用される場所が都会か、田舎でも大きく変化するし……。気候や地理によっても変化する。でも、わずか一○○メガトンの爆弾で、『核の冬』は来るという説もある。インドとパキスタンの核じゃ起きないだろうけど、フランスやイギリスでは当然、この『核の冬』を起こすことが一国だけでできるというわけさ。彼等は人類を破滅させることができるってわけさ!」

「そのくせ、インドやパキスタンを非難する。非難する権利なんてあるわけがないのに……。核の抑止なんて、寝言だってことが、わかるだろう……。インドやパキスタンでさえも、核開発ができたのだからね……」
行者はインドまで、核攻撃されていた地球を見てしまっていた。

「そうね……。多くの国が核を保有したら、脅しだって効かなくなるわね」
わが国イギリスはと続けたかったが、地球人にもどるミス・ホームズ。

「持っているだけで、自殺行為だよ。それも、核戦争をする当事者だけが問題というわけでなく、地球規模の汚染だよ。都市に落とされれば、火災から有毒物質が多く生まれることだろうし……。生きていける可能性はないだろう……。これほどの規模なのだから……」

夏八木はマイクに訊いた。
「ねえ、これでも、核兵器はあったほうがいいの?」
マイクは今さら、何を話しかけてくるのだろう……。
むかついた。意見を翻したところで、バーバラは返ってはこないのだ。

「なかったら、こんなことには、なりはしなかったわ!」
ソフィーはマイクを非難した。

「そうだよ。核さえなかったら……」
「あいつらさえ、いなかったら、こんなことには、ならなかったのよ」
輝代は語気を強めた。

「いくら怒っても、核兵器がなくならない!諦めてしまう人たちもいる。でも諦めたら、認めたことになるなんて、ぜったい、私はいやよ。核兵器は人を殺したり、環境を破壊したりする以外には何の役にも立たないものよ」

マイクはテーブルに顔をつけていた。なんで、こいつら、今さら、こんなことをくどくどと述べるのだ。

バーバラは死亡したのだ。
そして、僕の父母や、弟だって……。

愛犬のラッキーだって、その名前と反して死んでいることだろう。
もしかしたら、放射性廃棄物なんて、印をつけられているかもしれない。
それとも、丸焦げになっているか、あの茸雲の一部に化してしまっているだろう。

そこまでする悪党もなかなか、いまい……。
いくら、アメリカの治安が悪いといっても、家族全員を殺していくやつはそうはいないさ……。
それも分子のレベルまでばらばらにしていく奴などいないだろう。ばらばら殺人どころの問題ではない。

「ピストルも無ければ、撃てない。ピストルは身を守る武器になるだろう……。核兵器は何の役に立つという……」

「それは、役に立っていたさ……。湾岸戦争のことを思い出してみろよ! やつらは核兵器を持っていないから、あれですんだ」

「あなたは、恋人が殺されても、まだ原爆信仰しているのね」
ミス・ホームズは推理した。

「原爆信仰?」
マイクは顔を上げた。








閑話休題

原爆信仰という人たちがいる。
まさにカルト教団のような人たちです。

彼らだけにとってはいいのです。
まともな神というのは
罪のない万民に微笑むものです。
特に罪のない子どもたちには優しいものです。


そして、生命を愛されているものです。






↓1日1回クリックお願いいたします。

ありがとうございます。






Index[Ra.]











最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。