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教科書に書かれなかった戦争Part 15 ヨーロッパの教科書に書かれた日本の戦争

2009年01月30日 | 読書日記など
『教科書に書かれなかった戦争Part 15 ヨーロッパの教科書に書かれた日本の戦争』
   越田稜編・著/梨の木舎1995年

いろいろなことが書かれすぎていて、理解するのに困難な気がする……。
--また、平和のために、論理を展開してほしかった……。
民主主義で、平和憲法下の学者ならそうあってほしいものです。



「はじめに」で書かれてあります。下「」引用。

「ヨーロッパの教科書を繙(ひもと)こうとした私なりの思いは、日本が侵略したアジア諸地域をそれまで植民地支配していたヨーロッパ旧宗主国が、「日本の戦争」をどのように観ていたのかを知りたかったということである。また旧宗主国が「アジア」をどう認識していたのか、あるいは宗主国であったか否かを問わず、第二次世界大戦をいかに歴史教科書に映し出しているのかということにも関心があった。これらのこととあわせて「戦争」を枢軸国側に立って戦った国と連合国側に立って応戦した国との予測される「戦争」観のちがいも知りたかった。」

「ドイツの教科書に書かれた日本の戦争」
--リットン賛成したドイツ。下「」引用。

「三三年一月に首相に任じられたヒトラー率いるナチス・ドイツは、日本の「満州」侵略を非とするリットン報告の採決には賛成の票を投じた。ドイツは当時、中国の経済関係を重視しており、二八年以来、中国共産党軍に対抗する蒋介石の軍隊に軍事顧問を派遣していた。」

「詳細な「ナチ犯罪」記述」 下「」引用。

「かつての枢軸国ドイツの歴史教科書は、同盟国だった日本の戦争についてあまり触れていない。訳出した『私たちの歴史・第三巻』でもその扱いは小さい。日本への原爆投下、降伏過程についての記述はあってもごくわずかである。「ヒロシマ」の写真があるくらいである。ドイツの他の歴史教科書を見ても、やはり同様だった。日本で出会ったドイツ人にたずねても、近現代の歴史教育の中でほとんど「日本の戦争」を学ばなかったという。しかし「ナチス犯罪」に関してはひじょうに描写が詳細である。そもそも「ナチス犯罪」記述部分に限らず、日本の教科書に比べて全体的にドイツの教科書は写真・図表等が豊富であり、また証言、史・資料類の引用も多く盛りこまれている。いわゆる地の文が少ないぐらいである。」

「過去への向きあい方の違い」 下「」引用。

「枢軸国として負の遺産をもつ日本とドイツとそれぞれの過去へのとりくみに隔たりがあることはよくいわれる。たしかに、侵略動機、侵略経過、さらには降伏時の、そしてその後の国際情況下での両国の諸相の違いが、過去の向きあい方に異なった対応をもたらした。」

未来に目をむけたドイツ。基軸通貨もできた……。
--過去にこだわる日本。保身の政治家、官僚……。

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オーストリア。下「」引用。

「オーストリアの歴史教科書『現代史』(認定。検定に比較すると公機関の介入は少ない)には、東アジアの「島国」の“戦争」について比較的詳しく述べられている。特に、枢軸国参入までの“戦争”準備段階である戦争期の日本の動向はコンパクトにまとめられている。ただし、いささか粗雑な体系づけや反体制運動等の記述の誤り部分が気になるところだが。」

日本のファシズム(イタリア)。下「」引用。

「拡張政策の再開は、議会政治および政党制を打ち倒そうと考えていた将校のあいだでとくに勢力を伸ばしていた超国家主義グループに、新しい活力を与えた。こういった権力主義的志向は、反動的な傾向を代弁し、日本型ファシズムを広めていた一連のグループや組織の支持を得た。この日本型ファシズムは、ヨーロッパ諸国における同様の思潮と、権威への崇拝、暴力および戦争の礼賛、対外拡張の必要性、民主主義および議会政治への攻撃、農村生活の礼賛、マルクス主義に対する憎悪、階級闘争の拒絶、といった一連のイデオロギー的基盤を共有している。
 他方、日本型ファシズム独自の特徴として挙げられるのは、天皇崇拝、家族主義、そして汎アジア主義である。-略-汎アジア主義は、アジアの諸民族を日本の指導の下でヨーロッパの植民地主義から解放することを目的として掲げ、そのためにこそ日本はアジアの覇権を握らなければならないとしている。」

「原子爆弾の投下と日本の降伏」(イタリア)。下「」引用。

「-略-当時の日本はすでに崩壊寸前にまで追いつめられていたので、この決定が下されたのは、軍事的というよりも政治的な理由からだった。つまり、戦争の終結時においてソ連に対して優位に立ちたい、さらに、原子力のおぞましい抑止的威力を誇示したいというアメリカの意図によって下されたのだ。-略-」

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フランス。下「」引用。

「大戦後フランスが一種のタブーとされていた、ナチス・ドイツへの協力と沈黙の事実関係へのアプローチが、政局の推移、国民の意識変化、そして時の経過とともに、十数年前から歴史教育の中に反映されるようになった。それは、本年(九五年)七月、シラク大統領がフランス大統領としてはじめて、ビシー政権によるユダヤ人の強制収容所(絶滅収容所)移送はフランス国家に責任があると、明言したことにも現われている。」

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原爆(ロシア)。下「」引用。

「必然性のなかった“原爆投下”
 -略-アメリカの“原爆投下”描写はその必然性のなさを批判するものだが、これも他の教科書にはみられない厳しさである。」

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