あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 ![]() 333 ボーイッシュな先輩 小一郎はマン・リヴのビラを配っている。 「わが校はいまだに、男子生徒に対する待遇が……」 茜はそれを見て、むこうの世界でも同じことやっているねえと思う。 この世界は男尊女卑であるけれど、むこうの世界は逆。 でも、こちらでも元女子大! 学生のなり手がすくない昨今。 女子大も共学にしたわけ。 小一郎は福祉だから、この名門私立校を目指したわけ……。 それを見てわらっている女子がいた。 ショートヘアーで、ボーイシュな女の子。 そう表現したくもなるような古風な人である……。 わが校には、こういう古風な人もいる。 いわゆる、名門女子大! 花嫁学校としての名のこりがあるわけ! それを私たちは生きている化石なんてこともいっている。 でも、そんなことで堪える人たちではない。 お嬢様というのは、意外に気が強いのである。 世界に誇る日本女性ヨーコ・オノも学習院育ちのお嬢様! 常陸宮様と御学友であったとか……。 それにしても、化石が小一郎に話しかけるなんて珍しいと思う。 でも、この茜はむこうの世界の茜。 もう情報は仕入れてあるから、こんなことも理解している。 「マン・リブか! お疲れさまね」 「つかれているけどさ、これも大切なことなんだよ」 「それにマン・リブだけじゃないのね」 「そうだよ、この名門女子大の社会福祉って、名前ばかりで、校舎がバリアフリーしていないんだよ。それも読んでくれたんだね」 「ええ、読んだわ。わたしも一応社会福祉を専攻しているわ」 「あっ、そうだったんですか? 先輩?」 「まあ、そうだけど、バイトも忙しいそうね。大変なのに、よくやるわけね」 すごく誉められている。こんなこと、はじめてだ。 この学校に人間的な人がいるってのも、はじめて知った。 どれも、これも社会福祉というよりも、PTA活動をしたいって感じの、若年寄ばかりだもんなあー。 社会福祉にいって、威張りたいのかよ! それとも仕事しいたのかよ! そんなことをいつもよく思っている小一郎であった。
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