あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 334 やる気のない教授陣! 「ビラもまきおわっているんでしょう。カフェでお茶でもおごってあげるわよ」 「えっ! ボクが女性に?」 「彼女じゃなくって、先輩なんだから、別にいいんじゃないの?」 「それもそうですね。でも、いいんですか?」 「いいわよ。どうせ! わたしも、化石なんでしょう」 「化石?」 「花嫁学校が、この大学の建学精神で、私もお嬢さんって陰口をたたく人たちがいるわ」 「花嫁学校なんて言われていたことがあるのは知っていますが、このままで家事などをこなすのは100パーセント無理でしょう!」 「あら、いうわね」 「良妻賢母っていう言葉も時代がかかっていますよね」 「そうよね、女性は男にしたがうべきって……。わたしはその部類の人間と思われているらしいけど、あなたといっしょで真面目に勉強しているだけよ」 「そうですか! それは珍しい!」 「そうでもなくてよ……。でも、ここの大学にしたって、どこの大学にしたって、福祉の先生ってやる気があるのかしら……」 カフェテリアに入り、飲み物をのむ。 クラシック音楽が流れている……。 「福祉って、テレビの福祉の番組でも、大学の先生って出演していないのよね」 「そうですね、録画して見ていますけど、出演していないですね」 「歴史の番組では歴史の先生なのにね……」 「あっ、でも、大学放送テレビはちがう気がしますよ。ぜんぜん、おもしろくないし、役にも立たない。ただ教科書を読んでいるだけって感じなのがありますよ」 「あれ、まったくおもしろくないわね。福祉の現場でもまったく役に立たないって話よね」 「国家試験と同じらしいですよ。まったく役に立たない! そう嘆く人もいますよね!」 「それでも、資格もってないと、やとってもらえないし……」 「そう、暗記しないといけない……」 「そんな無駄な時間困ったものよね」 「そうやって、飼いならされたらダメだって、先輩がいってましたよ」 「飼いなされるか! 本当にそうね、わが大学の教授陣をみていると!」 「先輩って、君はどこかでバイトしているの?」 「そう特養! ここの一期生が働いています」 「そう、それはいいわね」 「勉強しないとね。仕事はできなくとも、仕事場は確保しなくっちゃ!」 「おもしろい先輩が、現役でもいるのね」 そういっても、先輩は静かにしていた。 それは、茜に見とれていたのである。 茜が入ってきたのである……。
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