磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

講談社現代新書1721 粉飾国家

2008年12月29日 | 読書日記など
『講談社現代新書1721 粉飾国家』
   金子勝・著/講談社2004年

国鉄(JR)の民営化がどこをとって成功したのか?
--成功したのは、火事場どろぼうした、ゼネコンぐらいのものではないでしょうか?
旧国鉄の借金は国民……。そして、JRで危険な運行をして、もうけた金でリニア新幹線を走らせるという……。ゼネコンはまた大儲けすることだろう……。
--その前に、国民が肩代わりした借金をかえすのが、民間会社としての倫理ではないか?
今の新幹線はどうするのか? そして、多くの借金が増えれば、また、運賃や税金で払わされるのか……。



民営化では問題は解決しないという。

ゼネコンたちは、借金をチャラにしてもらった……。下「」引用。

「たとえば、多額の公的資金を投入された銀行が、いくつものゼネコンに対して数千億円もの債権放棄(借金の帳消し)を行う。そのたびに「経営再建は可能だ」と主張されるが、結局は潰れてゆく。そこで働く社員たちは、労働債権(未払いの賃金や退職金)さえ十分に支払われないまま、街に放り出されていった。こうしていくらの金がドブに捨てられていったのだろうか。一方、その陰では、多くの中小企業が貸し渋りや貸し剥がしにあって倒産していった。」

最近、ゼネコンはもう日本では働く場がないという。
--ゼネコンは海外へ、働きに出るべきだという学者がいる……。

借金を隠しをしてでも、道路をつくったという……。

JRも本当に民営化されたのか? 下「」引用。

「民営化されたはずのJRに、相も変わらず大量の税金が注ぎ込まれて整備新幹線が計画される一方で、国鉄清算事業団に隠された借金は約二六兆円に膨らんだ。そして、「隠れ借金」がどうにもならなくなると、国鉄清算事業団を解散して特別会計にして、一般会計から税金で利子返済を行うようになる。道路公団でも、それと同じ構図が繰り返されようとしているだけなのだ。」

民営化という、粉飾をしたにすぎないと言われても否定できないだろう……。

そして、この国の形……。下「」引用。

「よく、「規制緩和や民営化を中心とする市場原理主義は、経済格差を拡大する」という批判がある。しかし、それはメダルの表側にすぎない。メダルの裏側に隠された粉飾国家の仕組みを見てこそ、この社会を覆っている閉塞感の奥深い根っこの部分が見えてくるのだ。」

「隠れ借金」を増やすための「構造改革」
--これが小泉改革の正体だろう……。

厚生年金の債務超過額は四五○兆円であるという……。下「」引用。

「厚生年金の債務超過額である未積立金は、図4-1によれば四五○兆円、グリーンピアの損失は三八○○億円。比べものにならない額である。-略-」

しかし、グリーンピアだって、巨額のマネーである……。
いつものことですが、責任ある立場の人たちが逮捕されない……。

これは組織犯罪であり、まず法律で組織犯罪に時効なしとすべきである。

そして、一円のこらず、返金してもらうことは可能であるとボクは思う……。

人手不足ではないし、職を求めている人たちは多い。

このような人たちを雇い、一日も早く、汚職や詐欺をおこなった者たちを調べ上げ、逮捕するべきである……。

歴代の総理たちにも司直の手がいかねばならないことだろう……。

そして、このこと以外にも大きなことがいくつもある……。

それには、原子力発電も……。

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ガス料金も安くなるのに、石油が安くなっているのに電気代は遅い……。

電気会社がマスコミに広告料金を払わなくなれば、電気料金は10%~20%も安くなるという人がいる?……。

これで、中小零細企業の経営も少しは楽になるだろう……。

そして、国民の生活も……。ホームレスも減ることだろう……。

--だが、国民の血を吸っている大手マスコミは伝えない。

その巨額の費用は、ウソを伝える、あるいは事実を伝えないために使われているといってもいいのではないか?

この広告費などは、粉飾のためだけに使われているといっていいだろう……。

いつものことですが、国民が何万人自殺しても、路頭に迷い、ホームレスになっても続けている……。







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原発は差別で動く-反原発のもうひとつの視角-

2008年12月29日 | 読書日記など
『原発は差別で動く-反原発のもうひとつの視角-』
   八木正・編/明石書店1989年

『原子力帝国』は差別によって成立している。
--もちろん、原発立国であり、国策で原子力をすすめる日本。
わが国も『原子力帝国』……。
国策という人格もないものが人々を支配する……。



イメージは民主主義、実際は強力な差別の国アメリカ……。下「」引用。

「ウラン開発によるアメリカ原住民の犠牲について生々しい映像を通じて明らかにし、原住民の英知について限りない感銘を与えてくれたのは、映画『ホピの予言』(宮田雪監督)である。侵略してきた白人たちに追い立てられて、追い詰められた「インディアン居住区」がウランの宝庫であったとは、-略-」

オバマ大統領でチェンジすればいいのですが……。

日本は名誉白人といわれていた……。下「」引用。

「南アにおける残酷なアパルトヘイトの実態とその本質、および「名誉白人」として遇される最大の貿易顧客・日本の南アとの不名誉な関係については、日本アンチ・アパルトヘイト委員会(JAAC)が的確な解説パンフレット『アパルトヘイトと日本』(一九八六年)を出している。」

名誉白人というよりも、有色人種の裏切り者という感じですね……。
--差別して、自らを偉いという、哀れな自己中になってしまった……。
事実は、否定されているのに……。認められたのはマネーだけ。

ナミビア産を買っていた関電と、中電……。下「」引用。

「関電だけでなく、中電もナミビア産を使っているという。
 ナミビアという所は、国連の統治下にあって、南アは不当に侵入しているのである。
 だからナミビア産は、国連ナミビア理事会の布告第一号によって、盗品として没収されるか、やがて出来る黒人政府によって賠償させられるものなのである。
 それなのに、野蛮な南ア政府を支え乍ら、ナミビア黒人政府の出来ぬ先に、資源を使ってしまえというのが、今のやり方ではないか。」

中島哲演氏は……。下「」引用。

「明通寺の副住職である中島哲演氏は、反原発運動の先頭に立っている人である。彼は、「解放同盟」のある人の言をもとに、「原発は差別問題だ」と明言している-略-」



原発蟻地獄……。下「」引用。

「交付金で、無用の長物化することが見えている「箱物」を建て並べ、自然を破壊して土木工事を進めることを、地域の活性化だとする一部の権力者が、それによる旨味(うまみ)を吸い続けるため、進んで増炉を電力[会社]に働きかける原発蟻地獄が、タカリ根性、乞食根性の行き着く先である。」

しかし、自らが飛び込んでいった人たちや、作り出していった人たちがいることも忘れてはならないことだろう……。
--自然にでたものではなく、人間がつくったものですね。

『蟹工船』についても書かれてありました。









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目 次



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昭和戦争文学全集13 原子爆弾投下さる

2008年12月29日 | 読書日記など
『昭和戦争文学全集13 原子爆弾投下さる』
   昭和戦争文学全集編集委員会・編/集英社1965年

「解説」阿川弘之・著。下「」引用。

「此の巻に収めたもののうち、長崎の原爆関係の作品は、永井隆の「長崎の鐘」だけで、あとは全て広島関係のものである。
 被爆者の悲惨という点では、長崎も広島も変わりはないが、地勢の関係で、広島の方が被害が大きかったのと、人類の頭上に初めて投ぜられた核兵器ということで、公にされた記録や文学作品は、広島に関したものがの方がずっと多かった。-略-」

ずっと多かったというが、長崎のは読んだのだろうか?



■目 次■
ヒロシマ日記 蜂谷道彦  7
長崎の鐘 永井隆  126
年年歳歳 阿川弘之  200
八月六日 阿川弘之  219
夏の花 原民喜  239
原爆詩集(抄) 峠三吉  254
原爆の子 長田新  272
短き夜の流れ星 桧垣干柿  
ヌートリアの思い出 石井一郎  330
四十八願 浮気モト  342
甲神部隊の父 横山文江  345
子供らとともに 尾形静子  350
人間襤褸 大田洋子  357
解説 阿川弘之  421
年表 橋川文三  428
用語解説  430


すっかり変化した広島……。下「」引用。

「賢ちゃんと私は、大八車にのって、今はじめて見る広島の焼跡を通りながら横川の新しい家に帰りました。すっかり変化した広島、家はあちこちに数えるほどしか立っておらず、昔の隣組の人は一人二人しか残っていないし、知らない人と知らない家ばかりになっていました。」

「ヌートリアの思い出」 下「」引用。

ヌートリアという動物は、ネズミのかつこうをして、兎位の大きさで、その毛皮は外国人が好むので、これを飼って皮を輸出して小遣いもうけ出来るというのが、-略-」

その小説では、ABCCのことも書かれてあった。下「」引用。

「二十六日の朝ABCCへ行った。ABCCでは、
「この位の医師の照会状じゃあ、うけつけが出来ん、正式な手つづきがいる、日赤へでも入院して、そこから正式な手続をせえ」
 いわれて、日赤へ行った。」

そして、日石へ行き、癌ということで、電気治療をしたという。

そして、ABCC……。下「」引用。

「死ぬるとすぐ又ABCCに交渉して、ABCCの医者が来られ、生きている間に見たかったといわれました。
「すぐ解剖させてくれ、広い沢山の人のためになるのだから」
といわれたので、解剖してもらいました。その結果は、
「原爆による縦角膜特殊症」
とわかりました。日赤のひかえ室でおつやをさせてもらって、火葬にしました。大勢の原爆患者を扱って来た御坊(おんぼう)は一目で、
「これは原爆にやられとってじゃ」
といいました。骨を拾おうと思うと、足の骨が折れていました。」

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ボクには、よくわかりません……。

--「四十八願」
女学校の創立者で校長だった人……。下「」引用。

「今私はお上の御世話になって、観音村の喜生園の御世話になって居ります。山中女学校を明治三十五年に卒業してつづいて補習科を卒業して可部の女学校の第一回から、県立になるまで家事の先生をしました。もう少しで恩給になるのだから、恩給まで勤めなさいと勧められるのに、恩給などで政府の御世話になる気がなかったから、恩給直前に勤めをひいて、私財を投じて広島市東観音町二丁目に、常磐(ときわ)女学校を建て、長い間校長を勤め、国家のために働き、学校を残し生徒を残すことに、年月を忘れて来たのであります。それがこうして今は、人の御世話にならねばならぬと思えば、もう一日も早くあの世へ行って、仏界に生きたいと、そればかり思います。」

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先生のとっておきの話35 広島編 らくだい先生

2008年12月29日 | 読書日記など
『先生のとっておきの話35 広島編 らくだい先生』
   広島・子どもと教師の文学の会・編/せきあきこ・絵/ポプラ社1982年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「●このシリーズについて●
 さいきん、じぶんたちの力で教材をつくりだそうという、学校の先生がたの運動がひろがっています。
 この「先生のとっておきの話」のシリーズは、こうしたねがいをこめた、教育ねっしんな先生がたが創りだしたものです。
 いずれも、先生がたの感動的体験がもとになっているので、読者のみなさんの、胸をうつものばかりです。
 全国の数おおくの少年少女のみなさんが、ぜひ、このシリーズを愛してくださることを、心からねがってやみません。」



■もくじ■
はじめに  1
おしることお正月 竹田まゆみ  6
らくだい先生 三上寿磨子  23
*水玉もようのワンピース 山本玲子  39
*あの日のこと 佐藤禎子  53
南の島のふるさと 国重美恵子  70
黒いあわ 森田勉  88
夏休み報告 沢井充子  107
鉄ごうしの中の手芸教室 和田勝恵  118
かあさんのたより 竹岡良典  138
二十才のやくそく えのゆずる  149
あとがき 土屋孝子  172
  *が原爆関連作品

--「おしることお正月」
土谷は「あとがき」で書く。下「」引用。

「新米先生ならではの生徒たちとの熱い交流。深い信頼てずね。二十年ぐらい前までは、まだどの町や村の学校でもよく見かける構内風景でしたのに--。」

そして、この話でこんなことが……。下「」引用。

「戦後の直後で、日本中が、貧しい時代でしたから、じぶんだけをみじめに思うことはありませんでした。
 しかし、社会が落ついて、あるていど、ゆたかにくらしている人びとのなかでは、貧しいということは、つらいことでしょう。」

ボクは結局、年代的には後者かな?
--でも、貧しい地区というのはありますね……。
今も昔も、東京、大阪にも……。
--たぶん、広島にもあるように思えます……。
しかし、著者の目は、そのような地区へは配られていないということでしょうか?
--どの時代にも、いろいろな人がいます。
でも、そんな人は“あなた(自分)だけ”なんて、ウソを伝えてもらっては困ります……。
全国にはたくさんいます!
--そして、世界にはさらに上回る数がいます!
それに、その世界の人たちを貧しくしているのは意外に豊かな国の豊かな人たちや、エリートたちだったりします……。

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この本のすべてにいえますが、問題点の追究などしていない。
何となく書かれているだけの作品が多いです……。

--「水玉もようのワンピース」
黒い雨にうたれる……。

--「ある日のこと」
広島市に原子爆弾が投下されたとき、13歳……。

--「鉄ごうしの中の手芸教室」
精神障害者のことが書かれてあります。下「」引用。

「世のなかには、精神障害者はどうしようもない人だと思っている人がたくさんいるわ。そうでなくても、たいていの人は、特別な人間だと思っている。最初、わたしもそうだった。でも、田中さんは、あんなきれいなレースあみをプレゼントしてくれたし、三宅さんはやみんなの作品も見せてもらった。-略-」

精神障害者の数も少ないなんてことはありません。
--テレビに出ている人も有名な作家や画家にもいます。










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おはなし日本地理11 都会のくらし 都市・交通I

2008年12月29日 | 読書日記など
『おはなし日本地理11 都会のくらし 都市・交通I』
   入江敏夫、他・編/岩崎書店1979年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「日本には、いろいろなところがあります。そして、それぞれのところにくらしがあります。それを知ることが、日本の地理を学ぶ第一歩です。この『おはなし日本地理』は、さまざまなところのくらしが、「おはなし」で書かれています。ひとつひとつの「おはなし」を読んでいくうちに、日本各地のようすやくらしを知ることができ、みなさんのくらしているところに、日本のほんとうの姿があらわれているのだなということがわかってくるでしょう。」



■目 次■
日本の心臓部、霞ヶ関ではたらく人びと  7
日本一の繁華街、新宿の人びと  27
下町のくらし  49
せんい問屋のまち  71
古いまちで陶器をつくる人びと  93
原爆にみまわれたまち  111
私鉄がひらいたまち-たまプラーザ  133

「古いまちで陶器をつくる人びと」
--京都府京都市の清水焼の話……。
“釜の火を消しとうない”と、3度、浩兵衛(こうべえ)さんは思ったという。
一度めは、太平洋戦争中、空襲をさけるための疎開……。疎開準備はするが、清水焼は捨てず。2は高速道路、3度めは1969年3月大気汚染防止法……。

もくじ

「原爆にみまわれたまち」
--「原爆の子」の像のモデルのサダコさんの話。下「」引用。

「折りヅルは六四四羽だった。そして、一○月二五日、お父さんやお母さんが見守るなかで、禎子さんは、『禎子、かならずなおる。』と必死でいいながら、息をひきとった。禎子さんはそのとき一二歳、宙が区一年生だった。」

この折りヅルの数は、お話のなかのサダコさんの折った数。

事実はそうではない。

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