磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

反核と戦争責任-「被害者」日本と「加害者」日本-

2008年12月24日 | 読書日記など
『反核と戦争責任-「被害者」日本と「加害者」日本-』
   岩松繁俊・著/三一書房1982年

著者はラッセルのことを紹介されている人でもあるようです。



中央中心主義だけが原因だったようにはボクには思えない……。下「」引用。

「わかりやすくするために、あえて図式的に表現してみよう。東京を中心に考えると広島・長崎ははるかに遠いところにあるが、焼津所属の第五福竜丸のマグロは自分たちの食卓にのぼるというきわめて身近で切実な問題だったのである。だから、ビキニの死の灰事件が東京のひとびと、なかんずく主婦たちを直接に動かして、死の灰マグロ反対の運動がおこり、これが水爆(実験)反対之運動にひろがっていったのである。」

プレスコードや、原爆神話なども問題であったと思う……。

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それに、「はだしのゲン」以前と以後では異るのではないか?

そして、日本の敗戦の原因がソ連の参戦というのだけでは、筋が通らないことだと思う……。

反戦思想などない、日本政府……。下「」引用。

「「非核三原則」といいながら、「核の持ち込み」を許しているにもかかわらず、表面上は核の持ち込みはないとして国民の前に開きなおるという欺瞞にみちた政策をとっているのも、反戦の思想によって裏打ちされていないからである。」

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近距離の人はピカはあっても、ドンは聞かなかったという。そして、きのこ雲も見なかったという。下「」引用。

「その雲の真下にいた私たにとって、キノコの形をし雲は存在しない。原子核分裂の瞬間、十の太陽が一時に落ちたように光の球が猛烈な閃光できらめいた。ところが、あたりはまもなく暗くなり、みるみるうちに闇となった。地上のすべてを焼き、衝き倒し、破滅させて、闇のなかにつつみんこんだのである。しかしその闇は、まことに無気味な色をした、まさに地獄の闇の色であった。」

分ける中国……。下「」引用。

「「戦争に利用された犠牲者」である一般人民と戦争遂行責任者である「日本軍国主義」とを区別する思想がひろく浸透している。」

それを愚民という著者。下「」引用。

「また、「人民」は指導階級から命令されたとおりにしか動けない、理性をもたないロボットだったのだろうか。これはじつは人民を愚民とする愚弄の論理である。」

愚民だから、共産党一党独裁でいいというのか?

右翼の脅迫があったという……。下「」引用。

「一九五四年光文社から出版された『三光』(カッパブックス)は、日本軍の戦争犯罪について当時日本で発行されたほとんど唯一の文献(極東国際軍事裁判の記録をのぞいて)であったが、右翼の脅迫によって絶版とされてしまった。かなり長い空白期間をおいて、朝日新聞記者の本多勝一氏が中国で直接取材し記録『中国の旅』(朝日新聞社、一九七二)および『中国の日本軍』(創樹社、一九七二)が発行された。」

ラッセルもマスコミ批判をしていたという。下「」引用。

「ラッセルは一九六三年九月、「平和財団」を設立するにあたって、もっともつよくジャーナリズム批判をおこなった。私はこのことを折にふれて紹介してきたが、日本では注目されることがなかった。ラッセルは、マスメディアの報道機関について、反戦・平和運動にたいして「本質的に敵意をいだいているひとびと」、「当局から金をもらって自己の利益のためにうそをついているひとびと」によって支配されている、と規定し、それに対抗するために、「バートランド・ラッセル平和財団」を設立したのである。」

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インタビュー岩松繁俊原水禁議長








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きみには関係ないことか-戦争を考えるための子どもの本-

2008年12月24日 | 読書日記など
『きみには関係ないことか-戦争を考えるための子どもの本-』
   戦争を考えるための子どもの本リスト編集委員会/
     京都家庭文庫地域文庫連絡会1984年



「はじめに」で書かれています。下「」引用。

「とにかく子供達の身近かに本をおきたいと出発した私達の文庫活動、その連絡会である京都家庭文庫地域文庫連絡会も満十年が過ぎ、出発時とは子どもをとりまく状況、世話をするおとな側の状況がかわり、読書環境や出版状況も随分変化してまいりました。どんな本をどのように子ども達に手渡すかという本の中身を子どもの問題を考える中で見つめていくことが大切になってきました。-略-」

平和を願った戦中派……。下「」引用。

「一国の利益と横暴から他国へ侵略していき、唯一の被爆国となって終ったあの長い戦争を経て、誰もが心からもう戦争はいやだと平和を願いました。今、日本は表面上は世界でもめずらしい長い平和の期間を保っています。しかし真の平和は一人一人の自覚と行動でふだんに守られねばなりません。」

戦争をどう意識するか? 下「」引用。

「子ども達は戦争を知識としてしか知らず、親達も戦後世代となってきている現在、子ども達が戦争をどう理解し、平和をどう自覚するか、母親達が子ども達にどう伝え、どう心を掘りおこせるかが重要な課題です。-略-」

一般の人たちが作られた冊子らしいです。下「」引用。

「作家でもなく、研究者でもなく、評論家でもなく、図書館員でもない私達がこのような作業をすることはまことに困難なことであり、力量不足を感じました。
 御高覧の上、種々御教示いただきますならば、これにすぎる喜びはありません。
   昭和59年7月15日
      京都家庭文庫地域文庫連絡会
        代表  小林治子」

手にしたこともない本がけっこうあります。

今から手にできるかもわかりませんが……。

若者が「戦争いいじゃん!」という……。

もし、戦争というものが、どんなものか理解できたら、そんなことは言えないとボクは思います。

--闇教育といって、都合の悪いことには目をつむる人たちが、この日本の偉い人たちに大勢います。

テレビなども、そんな人がほとんどです。

--切り捨てられたら、人間扱いされない世界……。

そんな人たちが伝える戦争もまた、ウソが多いのではないでしょうか?

--戦争のない状態だけなら、消極的な平和。

構造的暴力をなくしていくのを、積極的な平和という……。

ボクは積極的な平和のための本を読みたいものです!

そして、子どもたちにも、それを伝えるべきだと思います。

その子どもたちのためにも、日本の明るい未来のためにも……。

--切り捨ての人たちで、日本のパイは小さくなるばかり、借金はふくらむばかり……。

もちろん、原爆関連の図書もリストされています。

--このような子どもを思ってのことも、複数の仕事をしている人には無理なことでしょう……。

人間をロボットのようにしたい人たちがグローバル化しようとしては、世界ごと不幸になることでしょう……。








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広島のいしぶみはみつめる 第1集

2008年12月24日 | 読書日記など
『広島のいしぶみはみつめる 第1集』
    西尾隆昌・著/西尾隆昌1982年

おそらく自費出版だろうと思います。
--プロとかわりのない仕事だと思います。



この本では、原爆に関するものも含まれる碑も掲載されています。

「広島銀行職員慰霊碑」 下「」引用。

「1 慰霊
2 役職員物故者のみたまをここに鎮まる その偉業をたたえ景慕敬弔の誠を捧げる 創業90周年を迎えて 昭和43年11月 頭取 井藤繁雄(碑石裏面)。
3 144柱
4 広島銀行
5 1968(昭和43)年11月
6 広島市中区紙屋町1丁目3-8 広島銀行屋上」

浪切不動尊(竜心寺原爆死没者慰霊の像)」 下「」引用。

「1 原爆死者之霊(台座)
3 原爆犠牲無縁仏
4 新長武(中区大手町5丁目9-17)
5 1956(昭和31)年4月28日
6 広島市中区大手町5丁目2-11 竜心寺」

平和石燈」下「」引用。

「1 閑思清和
2 被爆33回忌にあたりここに記す平和石燈の詩(昭和52年)-略-
4 茶道裏千家淡交会広島支部
5 1955(昭和30)年8月6日
6 広島市中区平和記念公園」

平和の鳩」 下「」引用。

「4 山本常一(新制作協会会員)
5 1955(昭和30)年
6 広島市中区基町5 市立児童図書館」

二葉山平和塔(仏舎利塔)

エドマンド・ブランデン詩碑







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第五福竜丸心の航跡

2008年12月24日 | 読書日記など
『第五福竜丸心の航跡』
   静岡新聞社・著/静岡新聞社2004年

「第五福竜丸に乗り組んだ人たちの一生をかけた物語の断片。第9回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞を受賞した『静岡新聞』連載等を基本に収録し、加筆、修正し、再構成したもの。」



平和運動について……。下「」引用。

「事件以来、ずっとそうだった。
「政党・団体は久保山愛吉さん(無線長、故人)や、すずさん(久保山の妻、故人)と同じように、乗組員を宣伝に使おうとする。焼津市もあんた方の集会、あんた方の事件だといが、いつまでもそれじゃ困る。乗組員がいるから平和運動ができるなんてとんでもない話。わしらがいなくても続く、市民の運動にしてほしいだよね。第五福竜丸の衆は年を取ったし、はあ、居にゃあずらよ、と言われるくらいでちょうどええ」
 そう軽く言って笑顔を見せたが、決して冗談とは思えなかった。」

時代は流れていきますね……。

若い人たちにといっても……。

親たちも働く場が複数で、子どもたちと語り合える時間もないという……。

平和を伝えるのも、子どもが知らないというのは、大人たちの責任もあるだろうと思う……。


やはり、爆発音はすさまじかったようです。下「」引用。

「 そのとき、突如轟音が襲った。閃光をしのぐ衝撃にデッキの乗組員は一斉に身をすくめた。
「ゴオーッ」「ガアーッ」と、音を再現しようとしたがしっくりしない。元漁労長の見崎吉男は記憶を手繰りながら思わず身構えた。息が荒くなっていた。
「幾つもの山が一度に崩れるような、海底にあいた穴に土砂が流れ込むような、すさまじい音だ」」

資料館には間違いがあるという。例えば……。下「」引用。

「十四日の「外科医大井亮は原爆症と診断」も、見崎の証言だけでなく医師自身が「原爆症?」と疑問符付きで紹介状に書いたことも明らかな間違いとわかる。
 このパネルが、同資料館開設以来十八年間も掲載されてきた。」

そして、修正要求を出したという……。下「」引用。

「かなわぬ修正要求
 -略-同市歴史民俗資料館が「第五福竜丸福竜丸事件」展示場に掲げる時代年譜の修正を求めて、三崎は九二年四月、事件記録の一部を同館に提出し、六月には館長にも手紙を書いた。
 焼津市は翌年三月、見崎に修正案を出すことを勧め、見崎は七月に依頼の手紙や資料を、九四年四月には「修正文の素案」や意見書を出した。-略-以来、市は修正要求に耳を貸すそぶりもなく、話し合いは宙に浮いたままだ。」

北朝鮮から狙われるのは……。下「」引用。

「「北朝鮮に狙われるのは自業自得」-一瞬耳を疑うような過激な表現でビキニ事件に対して日本政府の取った態度を批判する。「政府はアメリカの核実験に協力すると言った。あの時に核実験反対とはっきり意思表示していれば、また違った道が開けていたはず」
 第五福竜丸の元冷凍士大石又七は二○○三年の3・1ビキニデー前日の二月二十八日、静岡市内で三つの講演をこなした。-略-」

たしかに、そのような側面もあるだろうと思う……。

クラウゼヴィッツ人はそんな受け止め方はしないだろうが……。

そもそも3原則はあるけれど、実際は米軍の核兵器が日本に持ち込まれているのだから、狙われて当然だろう……。相手から見れば……。どちらにせよ、核で核は守れない。

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そして、輸血で慢性C型肝炎になった乗組員もいたという……。
そのためにも、大変なことだったようです……。








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生活保護の経済分析

2008年12月24日 | 読書日記など
『生活保護の経済分析』
   阿部彩、国枝繁樹、鈴木亘、林正義・著/東京大学出版会2008年

偉い学者が、机上の論理を書かれている感じです。
--しかし、悪いものではないと思います。
だけど、これでは効率的なものも、人間的なものは無理では?
--だけど、期待はしております……。これからのご活躍を!



「はしがき」に書かれてあります。下「」引用。

「貧困問題に対処する公的扶助制度の設計は経済学における最も重要な課題の一つであり、特に欧米では、公共経済学や労働経済学と呼ばれる分野において、数多くの重要な研究が蓄積されてきている。その一方、日本の近代経済学では公的扶助(生活保護)研究が正面から取り組まれてきたとは言い難く、むしろ、関心さえも十分に持たれることはなかったようだ。これには様々な要因が推測されるが、その結果、日本の経済学者は、公共経済において公的扶助が重要な問題であるにもかかわらず、本来期待される役割を十分に果たすことができなかったといえるだろう。-略-」

厚生労働省関係審議会議事録等 その他(検討会、研究会等)「生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会」の項にリンクがある。

このようなものも、ネットで見られる時代のようです。

しかし、これを受けている人たちの意見などはどう繁栄されているのか?

その人たちは、ネットを見る余裕はあるのか?

情報も格差社会であろうと思う……。閉鎖的であることには変わりがないだろう……。

--若者のみならず高齢者にもワーキングプアーがいる。

日本とアメリカなどの比較。下「」引用。

「日本と比べられることが多いドイツとアメリカについてみると、両国ともマイナスの移転が貧困継続層では日本より少なく、非貧困層では日本より多くなっており、逆に、プラスの移転は貧困継続層で多く、非貧困層で少なくなっている。換言すると、日本の社会保障制度の実際の移転は、貧困層には厳しく、非貧困層にとって比較的に潤沢なパターンとなっているのである。」

とくに国会議員にはすごいものだろう……。まさに特権階級……。
あるいは合法的詐欺……。自らで自らのことを決める……。自作自演! 国会劇場!

このような人たちが、逆に議員のことを決めるというシステムになればおもしろいですね……。


再チャレンジと、欧米……。下「」引用。

「政府において、2006年待つには再チャレンジ支援総合プランが示され、さらに2007年2月には「成長力底上げ戦略」が示された。-略-欧米においては、すでに就労促進型の公的扶助政策が実施され、その影響についての理論的分析や実証研究も積極的に進められている。」


世代間不公平の是正が必要であるという。

ジェンダーによる年金格差も考慮すべきだという……。

ホームレスの医療扶助費……。下「」引用。

「東京都発表の統計によれば、東京都において医療扶助の入院医療費における44%もの割合を73条のケースが占めていることがわかる。逆に、73条ケースの人々が受けている生活保護費の内訳をみると、その73.6%が医療扶助費という異常な状況にある。」

まさに可能性を切り捨て……。下「」引用。

「-略-このことが、一定年齢に達するまで野宿生活からの脱却をしない選択をさせたり、その結果、自立・就労能力が失われていくままにさせているのであれば、それはまさに、生活保護費へのモラルハザードと呼ぶことができる。」

海外のもっと安い労働力をねらっているのだろう……。

モラルハザードのグローバル化なども、大きく影響を与えていることだろう……。

これらのことにも、民主化を願いたいものだ……。









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