ニュース雑記帳

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輸血は常識、でも代理母は非常識

2006-10-24 17:33:05 | Weblog
宗教上の理由から、輸血を拒否する人たちがいます。そういう人たちは、自分は勿論ですが、我が子に対しても輸血させないようです。それで、ケガをしても、病気になっても、適切な処置が出来なくて、最悪の場合は、子どもの命が危険にさらされてしまうようです。

それで、ついに、最近、子どもに輸血することを拒否する親の親権を停止して、手術を強行し、子どもの治療にあたったという出来事がありましたね。

今を生きる私たちからすると、この件の場合、親の方が、どう見ても異常ですよね。だから、よくぞ強硬手段に出て、自分勝手で非常識な親から子どもを救い出してくれたと、喝采しますよね。けれど・・・何十年か前なら、少なくても百数十年前なら、倫理的な理由から輸血を躊躇ったとしても、決して変ではない。それどころか、むしろ良識派であればあるほど、輸血を躊躇ったんじゃないでしょうか。ちょうど、今の私たちが、脳死や臓器移植、代理母やクローン技術について、慎重になるべきだと言っているように。

つまり・・・問題は、生命に対する敬意というようなことではなく・・・新しい技術に対して、我々が、どれだけ馴染んでいるかってことだけなんじゃないでしょうか。

人間の欲望をエネルギーにした科学の進歩は、良くも悪くも止められないでしょう。発明されたことは、今は駄目でも、近い将来、かならず実用化される。けっして、お蔵入りにはしておけないんでしょう・・・原爆が、そのイイ例です。常に、慎重論を引きずりながらも、人は、欲望の猛進を抑えられない・・・とするならば、「使い方注意」という枷をつけるしかないのでしょうね。どれほど有効な枷が作れるか分かりませんけれど・・・。