天使のエナジー

「すべてなるものの源」への、愛の告白

ガンに「ありがとう」(9)

2013-03-28 11:21:11 | ガンに「ありがとう」
ルネさんがリラさんの名前を口にした時、私はハッと
しました。

実はその時、同じ病棟に入院中のリラさんも、療養中
の病気の根本的な治療を控えて、非常に大事な時期
にあったのです。

リラさんの病名は「骨髄異形成症候群」といって、白血
病になる一歩手前の状態でした。

その根本的な治療法として骨髄移植があり、きょうだい
三人のうちで一人だけ白血球の型が適合した、お兄さ
んの骨髄を移植する計画が進んでいたのです。

そして、ルネさんはそのことをよく知っていました。とい
うのは、彼女は入院中のベッドが、リラさんの隣りだっ
たからです。

つまり、ルネさんが私に言いたかったのは、私が手か
ざしを習得すれば、自分だけでなくリラさんのためにも
それを使うことができる、ということでした。

(もちろん、骨髄移植の代わりに、というのではなく、そ
れを補助するものとして、という意味ですが。)

ルネさんの言葉は、まるで私とリラさんの生死は、私の
決断一つにかかっている、そんなふうに私には響きまし
た。

その重圧のきつかったこと。

まるで、自分の命だけでなく、リラさんの命までも背負
い込んでしまったような気になりました。(そんなわけ、
ありっこないのですが……。)

しかも、こんなことも判明しました。

あの、セドさんの手かざしの翌日の、完璧なエネルギ
ー状態は、その日一日しか続かず、次の日には元に
戻ってしまったのです。

つまり、常に完璧な状態に保ちたければ、自分で毎日
手かざしをする以外にないということです。

それには、やはり信者になって講習を受けるしかない
でしょう。

でも……

心の中で、何かがひっかかるのです。

その何かが、信者になることに対して、抵抗を表明し
ているのでした。

かと言って、すっぱり断ってしまうこともできません。

悩みに悩んで、どこへもたどり着けない状態に陥って、
私は本当に行き詰まってしまいました。

そんな私の様子にルネさんは業を煮やしたのか、ちょ
っと強引な手段に出てきて……

これが、ひと悶着起こすことになったのです。

(次回に続きます。)


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