去る14日のバレンタインデーに、これまで本当にお世話になった
ある方に、久しぶりにお会いする機会がありました。
それに合わせて、今までの感謝の気持ちを込めて、何かプレゼント
を差し上げたいと思い、いろいろ考えた末、選んだのが、今日の
写真のものでした。
下のほうは、
ウクレレ奏者、ジェイク・シマブクロのCD
「JAKE SHIMABUKURO Nashville Sessions」
初の全曲オリジナル。バスのNolan Verner、ドラムスの
Evan Hutchingsとのセッション。
そして、上は、
アッケソンのチョコレート・バー
「BRAZIL FAZENDA SEMPRE FIRME 75% FORASTERO
COCOA」
アッケソンは自家農園のカカオを使うことで知られるブランド。
世界各地の農園の「風土」の個性がカカオの風味にあらわれる
ところから、「Plantation to Bar」の味と評されているそうです。
そして、三日後にプレゼントをお渡しするという夜のこと。
とんでもないことをやらかしてしまいました。
ラッピングをして、あとはカバンに入れるだけになっていたプレ
ゼントを、あろうことか、踏んづけて、台無しにしてしまったの
です。
和室の畳の上に置いておいたのですが、真っ暗なその部屋に入っ
たとき、うっかりプレゼントの上に足が乗ってしまい……
「パキッ」という音がした瞬間、「ああ、だめだ」と観念しま
した。
灯りをつけて確認してみると、やっぱり。
チョコレート・バーは割れていくつかの塊になり、CDもケース
にはっきりとヒビが入ってしまいました。
ショック。
この次お目にかかれるチャンスがいつあるかわからないと思い、
頭を悩ませながらやっと選んで準備を整えたというのに……。
それでも、チョコもCDも、とても差し上げることはできなくな
ってしまいました。
何てことを……。
自分の馬鹿さ加減に、あきれてしまったけれど、もう仕方があ
りません。
せめてもの幸いは、翌日が日曜で、まだ代わりのプレゼントを
買いに行ける時間があったこと。
同じ物をそろえることは諦めて、地元の織部焼の箸置きを贈る
ことに決めました。
こうして、何とかプレゼントをお渡しすることができ、安堵
しました。
どうか、気に入っていただけたらいいのですが。
そして、予期せず手元に残ったCDとチョコレートでしたが
……
もし自分の失敗さえなければ、触れることのできなかった
音色と風味を味わわせてくれたのでした。
ジェイク・シマブクロの名前は知っていて、多分ラジオで
演奏を聴いたこともあったけれど、CDは持っていなくて。
「Nashville Sessions」はとてもクールだと思います。
ハワイっぽいイメージとはかなり違う曲も入っているけれ
ど、ウクレレの魅力がみごとに表現されています。
アッケソンの「BRAZIL FAZENDA」は……
初めて口にした瞬間、どこか土を思わせる香りが鼻に抜け
て、そこから、ブラジルのどこかにあるという、このカカ
オの生まれ故郷の農園のイメージが、脳裏に広がったので
す。
自分が今まで口にしたチョコレートでは感じたことのない、
新鮮な驚きでした。
正直に告白してしまいますが、プレゼントとしてこの二つ
を選んだとき、本当は自分も聴いてみたい、味わってみた
い、そう思っていたのです。
もちろん、だからといって、決してわざと踏んで駄目にし
たわけではありませんが……。
今回は、宇宙が、私に、この二つのものに触れる機会を贈っ
てくれたのかもしれません。
受け取るはずだった方に差し上げられなくなったのは、本当
に申し訳ないけれど……
思わぬかたちで宇宙がくれた贈り物を、ありがたく受け取ろ
う。
そう決めたのでした。