CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

なんとなく独り言、その2

2017年12月13日 | ELTON JOHN
1974年頃といえば、グッドバイ・イエロー・ブリック・ロードのアルバムが世界的に大ヒットした事もあり、エルトンは世界を巡るツアーで大忙し。

超過密スケジュールの合間を縫って、たった10日ほどで新アルバムのレコーディングを行い完成したアルバムがCaribouだった。

プロデューサーのガス・ダッジョンは、このアルバムに関してやっつけ仕事だったと言っているし、何処かのトロピカルな楽園を模した壁紙の前でのジャケ写真は私のようなトウシロ・リスナーでもなんとなくやっつけ仕事の雰囲気は感じ取れる。

エルトンが主人公のジャケ写真であるから何とか格好は付いたものの、もし私であれば、健康ランドに良くある絶景のイラストが施されている壁の前でとった単なるスナップ写真となってしまう。

しかしプロから見ればベストではなかったものの、さすがエルトン!シングル・カットされたThe Bitch Is BackやDon’t Let The Sun Go Down On Meはだいヒットし、アルバムも全米一位を獲得した。

そんな中、私の一押しはこの曲、Tickingである。

7分を越える楽曲で、演奏は最後の方にシンセが被るものの、ほとんどがエルトンのピアノの弾き語りで地味といえば地味。

歌詞の内容は、エルトンがスラスラスラと歌っていくので、瞬時には理解出来ないが、結構重い内容。

学校時代ほとんど目立たない静かな少年が、母親が常日頃諭していたにもかかわらず、後に犯罪に手を染めて最後には死んでいくというようなストーリーが語られる。

エルトンの相方のバーニーが、当時のアメリカの銃社会について感じた事を詞にしたと思われる。

同じ頃チャールズ・ブロンソン主演で、悪行の限りを尽くすチンピラ・グループに対して堪忍袋の緒が切れたブロンソンが偶然手に入れた拳銃で復讐を始めるという映画、Death Wishがヒットした。

この映画5作まで作られ、私の知る限りブロンソンさん、マフィアを含む悪人100人以上処刑し、すごいの一言。

更に来年ブルース・ウィルス主演でリメイクされるらしく、この手のストーリーは未だに彼の地では人気があるようだ。

かって、ヒューストンに住んでいる知人を訪問したとき、買い物があるとの事で郊外のホームセンターに付いて行った。日本ならば、ホーム・センターといえば“お値段以上、ニトリ”と言うような感じだが、アメリカのそれはまったく異なる。

キャンピング・カーや小型ボートなど大物商品がずらり展示され、DIY、釣り、キャンプやサバイバル系の小物も充実。

しかし驚いたのは売り場の一角に銃がずらり! リボルバーやオートマチックの小型拳銃や、ショットガンやライフルなどがずらりと展示され、知人もショットガンを持っているとの事で、展示の商品を手にとって眺めていた。

今更ながら、アメリカの銃社会は既に生活の一部になっている背景があるので、規制をかけるのは中々難しい事だと感じる。

歌に話を戻すと、コーラス・パートの
Remember Mama said Ticking, ticking

Hear it, hear it, Ticking, Ticking
の箇所がエルトン節満開で耳に残る。

まあ、此処では重苦しい歌詞は横に置いといて、エルトンがさらっと歌うこのバラードの美しいメロディーを楽しもうではありませんか。

と前回とよく似た締めを採用する。

なんとなく独り言

2017年12月13日 | ELTON JOHN
ポール・バックマスターによる重厚なストリングスの味付けも無く、エルトンを含む4人組のバンドにゲストとしてジャズ・バイオリニストのジャン・リュック・ポンティーとシンセサイザー奏者のみが数曲に絡むというシンプルな編成で臨んだ、1972年の5枚目のオリジナル・スタジオ・アルバムがHonky Châteauだった。

前作のMadman Across The Waterと比べると、スリックな印象になったとも言えるのだが、これが返って功をそうしたのか万人受けし、初の全米一位を獲得した。

そんな中シングル・カットされたHonkey CatやRocket Manに注目がいくが、私の一押しは隠れた名曲、Mona Lisas And Mat Hattersである。

Stand By Meで有名だったBen E. KingがかってSpanish Harlemという曲で、“スパニッシュ・ハーレムではバラが咲く”と歌った。

それに対してエルトンは、“スパニッシュ・ハーレムって美しい響きを持った言葉じゃないと今判った。知っていたつもりだったけど、ニューヨークではバラの木なんて育たないってね。”と歌う。

確かに美化されたイメージの多いこの世の中、いざ飛び込んでみると現実と乖離しているのってよくある話。

まあ、此処ではそんな堅苦しいうんちくは横に置いといて、エルトンがしっとりと歌うこのバラードの美しいメロディーをシンプルに楽しもうではありませんか。