CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

懐かしの50年代、OL’ 50S

2016年08月29日 | SSW

ウエスト・コースト特有のスムーズでカラッと乾燥させるフィルターをかましてオリジナルにあった独特なアクを抜いてカバーしたのがイーグルスが1974年3枚目のスタジオ・アルバム、ON THE BORDERに収録されているOL’ 55(懐かしき55年)。


しかし、個人的には1973年のトム・ウェイツのデビュー・アルバム、CLOSING TIMEの先陣を飾るオリジナルに好感が持てる。

トムの演奏するピアノに控えめなアコースティック・ギター、ベースとドラムの伴奏で、後に比べるとまだ初々しさの残るしゃがれ声でゆったりと歌いきる。

一人でしんみりと聴くにはうってつけの哀愁の帯びた曲である。

翌年、上述通りイーグルスがカバーして、結構な印税を得ることになったので、本人は感謝していると思いきや、彼らのカバーはちょっと生気の無いというか冷たい感じがすると言ったとか。

当時、イーグルスは3枚目のスタジオ・アルバムを制作していて、前作と前々作のプロデューサーだったグリン・ジョンズを解雇し、新しくビル・シムジクをプロデューサーに迎えた。

そしてそれまで録音していた曲のうち2曲のみ残して他の局はすべて破棄し、新しくレコーディングに取り掛かった。

グレン・フレイによると、それまでのウエスト・コースト系のカントリー・ロックは少々スムーズすぎ且つガラスのように滑らか、少し退屈な感じがするというわけで、もう少しタフなサウンドを作るためプロデューサーの交代と新ギタリスト、ドン・フェルダーの参加となったとか。

しかしながら、彼らのOL’ 55のカバーに関しては、グレンのアルバム制作の構想とはちょっと異なり、スムーズ過ぎるように思う。

つまりフィルターかけ過ぎって感じ。

アメリカのフォーク系のベテラン・シンガー・ソング・ライターのエリック・アンダーセンも1975年のアルバム、BE TRUE YOUでカバーしている。こちらのほうが淡々とした感じで歌われていて雰囲気はあると思う。


で例によって、相変わらずへたくそな英文和訳で

OL’ 55

Well my time went so quickly, (時なんてあっと言う間に過ぎ去った)
I went lickety-split out to my old'55 (俺も愛車の55年型で全速力で駆け抜けた)
As I drove away slowly, feeling so holy,  (ゆっくり走れば、何か神聖な気分になる)
God knows, I was feeling alive.  (神はご存知かも知れないが、生きてるって感じてた)

Now the sun's coming up,  (日が昇り)
I'm riding with Lady Luck, (俺は幸運の女神とやらと一緒に走っている)
Freeway cars and trucks, (フリーウェイの車やトラック)
Stars beginning to fade, (星の瞬きも消えていき)
And I lead the parade (俺はそのパレードを率いた)

Just a-wishing I'd stayed a little longer, (もう少しこのままでいたいなんて願う)
Oh, Lord, let me tell you (ちょっと言わせてもらえば)
That the feeling's getting stronger.(その感覚がだんだん強くなっていくのさ)

And it's six in the morning, (時間は朝6時)
Gave me no warning, I had to be on my way. (警告なんて必要なかった。だって自分の道をいくべきだったからね)
Well there's trucks all a-passing me, (もちろん、トラック全部が俺を追い越して行く)
And the lights are all flashing,(ライトをすべてフラッシュさせながら)
I'm on my way home from your place. (俺は家に帰る途中さ)

And now the sun's coming up,
I'm riding with Lady Luck,
Freeway cars and trucks,
Stars beginning to fade,

Just a-wishing I'd stayed a little longer,
Oh, Lord, let me tell you
That the feeling's getting stronger.

And my time went so quickly,
I went lickety-split out to my old '55
As I pulled away slowly, feeling so holy,
God knows, I was feeling alive.

Now the sun's coming up,
I'm riding with Lady Luck,
Freeway cars and trucks,
Freeway cars and trucks,
Freeway cars and trucks...

内容は自身の所有した55年製のシボレー?で、フリーウェイを明け方ゆっくりとクルーズし、トラックにパッシングされながら家路につくという歌詞で、それに、どんな事が有ったのかは不明であるが、1955年当時の自身の思い出を重ねているって具合だろうか?

ちなみに、55年と言えばあのスティーブ・ジョブとビル・ゲーツが生まれた年でもある。

そしてさらに重要なのは、その数年後なんと私もボコッと生まれている。

嗚呼、懐かしの50年代、OL’ 50S

Tom Waits - OL' 55