風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

浅草〜鳥と太鼓ともんじゃ焼き 2

2017-09-13 | 東京
(この日のルート)その1⇒もんじゃランチ→太鼓館→鳥カフェ→お茶→夕食
その1からの続きです。

● 浅草ランチ

お昼時になりました。浅草っぽいランチにしようと、伝法院通りのお好み焼きの店、ふじでんに入りました。



ここは、具材をもらって自分で焼くセルフシステム。
子どもの頃、駄菓子屋でお好み焼きを作って食べていたというミカンさんが作ってくれます。
お好み焼きのテーブルが駄菓子屋にあるなんて、本格的ですね。



てきぱきととっても手慣れた手つき。
あっという間においしそうなお好み焼きのできあがり~♪



焼き立て、作り立て、ジュージューでジューシー。
おいしくないわけがありません!



● もんじゃを焼いてみる

それではと、私はもんじゃ焼きを作ってみることにしました。
とはいえ、これまでもんじゃは2、3回くらいしか食べたことがありません。
一体どんな食べ物だったのか、完成形がよくわかりませんが、まあなんとかなるでしょう。(テキトウ!)
着地点が見えないままプレートに火をつけて、未知へと発進。(こういうところに性格が出ます)



まずは具材を生地に混ぜ混ぜして、固形の具材をプレートに載せます。
それをドーナツ型にし、真ん中に液状の生地を注ぎ込みます。
生地が流れ出ないように、具材の土手を作ります。



固めながら「土手というよりウォールローゼみたい」とつぶやくと
「いや、ウォールシーナでしょう」とミカンさんが乗ってきました。
「ちょっと崩してみる?」
「だめ、巨人が入ってきちゃうから!」
『進撃の巨人』ネタを言いながら、生地が煮立つのを待ちました。



いつまで焼けばいいのかわからずにいると「そろそろいいですよ」とお店の人に教えてもらいました。
では、これで全部を混ぜて出来上がり。
小さなヘラで食べると、舌が火傷をするんじゃないかとおっかなびっくり。
でも不思議なことに、ヘラを口に入れても熱くありません。



「巨人のいない、平和なもんじゃ」とつぶやくと
「壁を壊してるから、自分たちが巨人なのでは?」とまたもや返しが。
ウォールシーナを崩しながらランチタイムを楽しんだ巨人2体です。

浅草でもんじゃを食べていると、レトロつながりで花やしきに行きたくなってきます。
かつてあった多摩川園や向ケ丘遊園、横浜ドリームランドといった昔ながらの日本の遊園地は、浦安の某ランドの影響を受けて次々と無くなってしまいました。
まさに黒船襲来。
某ランドも好きですが、花やしきは日本オリジナルの遊園地として、姿を消した遊園地の分もがんばってもらいたいと思っています。
今また、人気が復活しているんだとか。嬉しいことです。

● 神輿のお店

満腹になったので、腹ごなしに向かったのは、交差点に立つ宮本卯之助商店
神輿・太鼓・山車・獅子舞用品などの祭礼具の製造販売などを行っている古くからのお店です。



2階に上がってみると、売り物の太鼓が並んでいました。
三社祭の神輿も飾られていましたが、ここが目的地ではありません。 
「このお店に博物館があるらしいんだけど」
よーく探してみると、1階奥の扉の向こうに、太鼓館への道がひっそりとありました。

● 打楽器パラダイス

入口でチケットを買い、裏に周ってエレベーターで上の階まで行くと、探していた場所がありました。
それは太鼓館という博物館。
英語だとドラム・ミュージアムです。



大混雑しているかと思いきや、中には3人しかいませんでした。
ここには世界中の太鼓コレクションが展示されており、それを見学するだけでなく、なんと実際に演奏できるというすばらしさ!
入館料を払ったら、時間制限なしでいつまでもいられるんです。
なんという打楽器パラダイス!

浜松の楽器博物館をエンジョイした身としては、ここも見過ごせない場所でした!
世界中のどの地域にも、太鼓はあるんですね。
前々から興味があった、トリニダード・トバゴのドラム、スティールパンを演奏したら、止まらなくなりました。
いい音色だし、これ、2時間くらい音出ししていられるわ~。
 
不思議なインドネシアの打楽器がありました。アンクルンという西ジャワの竹製の打楽器でした。
太鼓はシンプルな打楽器ですが、それでも見たこともなく、どうやって音を鳴らせばいいのかわからない楽器もあります。
そういう時には、係の人がやってきて、つかず離れず状態で、いろいろ教えてくれました。

風の音や雨の音を出す、いまだと効果音に使われるものも。
場所柄か、時折外国人もやってきますが、さほど長居をせずにあっさりといなくなります。
触っていい楽器は、ほぼすべて打ってみて、満足しました。

中世時代の昔の打楽器もありました。
「苦労して再現しました」という説明がついています。
そういえばここは太鼓屋で、皮の張り替えといったメンテナンスも請け負っています。
職人さんは、昔の楽器でも作れる腕を持っているんですね。

撮影禁止なので、画像は載せられませんが、1時間半くらい楽しみました。
意外と知られていないんですよね。ここは穴場です。
世のパーカッション好きの人たちに、教えてあげたいわ。



満足して外に出ると、交差点からまっすぐスカイツリーが見えました。
先ほどよりも雲が晴れて、ずいぶん上の方まで見えていました。

● 襲われる鳥カフェ

次に向かったのは、鳥カフェです。
その名も、鳥のいるカフェ
鳥カフェに入るのは初めて。猫カフェよりも少ないですね。
この浅草にあるお店は、普通の鳥カフェとはちょっと毛色が違うといううわさを聞きました。
鳥が襲いかかるように向かってくるんだそうです!

鳥嫌いなら泣き出しそうですが、鳥好きの私は熱烈大歓迎。
ヒッチコックの『鳥』はこわいですが、いっぺん鳥にモフモフもみくちゃにされてみたいわー。
ということで、ミカンさんにリクエストして、襲われに行ったのです。
観音巡礼を終えたところだし、精進落としにちょうどいいでしょう。(そう?)

どこにあるのかなあと商店街をキョロキョロ見渡すと、フクロウが外にいて、客寄せパンダならぬ客寄せフクロウしていたのですぐにわかりました。
お店は雑居ビルの地下。
鳥は空に近い生き物なのに、地下にいるというところがギャップです。

● 静かなフクロウブース

お店の中に入ると、思ったよりも狭いスペースでした。
フロアはフクロウとインコのスペースに分かれています。
まずはフクロウたちと触れ合いました。
みんなおとなしくて、頭を撫でられても平気。
時々甘噛みしようとします。

夜行性だから、日中起きていたらつらいんじゃないかと気になりますが、彼らは生まれた時から人間と一緒に暮らしているため、昼夜逆の生活に慣れているのだとか。
それもかわいそうなことですけれどね。

いろいろなフクロウがいましたが、ミミズクとメンフクロウしかわかりませんでした。


つぶらな濡れた瞳!!



見返りハンサム。絵になりますね~。



チョウゲンボウでしょうか。りりしい!



Hello~☆


撫でてみると、綿菓子のようにフワッフワ。
眠そうなのは、餌を食べた後だからのようです。
フクロウたちがみんな静かでおとなしく、全く威嚇しないので、すっかり安心しました。

● カオスのインコブース

それからインコブースへ。入口でポンチョを借りて着込みます。
なんのためかって?フンよけですよー。
おそるおそる中に入ると、そこにはたくさんのインコたちがいて、ピチピチとにぎやかでした。







中にいる人の肩や背中には、ナチュラルに鳥がいます。
わー、トリさん乗っけてるー!

● オウムの手荒い歓迎

猫カフェのように、餌を買って鳥たちを呼ぼうかなと思っていると、バサバサっと音を立ててミカンさんの頭の上に大きな白いオウムが飛んできました。
「わあ、いいなあ~♡」
目を輝かせて見ていると、ミカンさんは喜ぶどころか「イタタタ」と言い出しました。
あれ、どうしたのかな?
「耳を咬まないで~」
見ると、オウムはミカンさんの耳をせっせとついばみはじめています。
「痛いよー」
手荒すぎる歓迎です。でもマウントを取られているので、簡単には振り払えないミカンさん。
このままだとヒッチコックの『鳥』になりかねないので、微笑んで見守っていた係のお姉さんに助けてもらうことに。


頭上での攻防


お姉さんが腕に乗せようとするも、トサカを角のように逆立てて反抗するオウム。
ミカンさんの頭に居座ろうとします。
よっぽど気にいったのかしら。
お姉さんがプロの本気を出して追い出しにかかったので、ようやくオウムは離れました。

オウムが頭からいなくなり、一難去ったミカンさん。
ゼイゼイいいながら「今のはいったいなんだったんだろう?」と首をひねっています。
「よっぽど嫌われたのかな?」
でも、はたから見たら攻撃しているようには見えませんでした。
ちょっと手加減せずにウェルカムしちゃったみたいな?
ミカンさんの受難を見て(そうか、襲い掛かってくる鳥カフェとはこういうことなのね~)と理解しました。

● 私は樹木


足元にはアヒル


足元のアヒルもかわいいのですが、そっちを構う間もなくインコが頭上を飛んできたり飛んで行ったり。
そのうちに、インコたちが肩や頭に乗ってくるようになりました。
こちらは何もしていません。ここの鳥たちは、餌がなくても寄ってくるのです。
どうしてー?
人懐こいというか、人を危険視していないよう。
ポンチョはつるつるした素材なので、肩の上で足をすべらせたりしていますが、ちょっと落ちてもめげずに、上手にくちばしを使ってガシガシと上ってきます。


Happy~☆



気がつけばこんなに!



電線になった気分。鳥たちにとっては人も枝も一緒なんでしょう。



手が重くなってきました。樹木の苦労がしのばれます。

けっこう重みがあります。樹になったつもりであまり動かずにいると、ミカンさんに「表情がこわばってるよ」と言われました。
鳥たちはひっきりなしに動くし、私は木ですから。アイアムツリー!


「お、いい木があった」(数秒後に飛んでくるインコ)


● 多様な攻撃スタイル

鳥たちはみんないたずら好きで、じっとしていません。
ポンチョのファスナーのところをガリガリかじり始めました。
「中にくちばしを突っ込もうとしているよ」
「こわさないでー!」


ファスナーに夢中の下の鳥


頭上から、ピチピチと甘い声が聞こえてきました。
鏡に映してみると、頭の上で仲睦まじく寄り添う2羽のインコ。
ピーッ、そこ、いちゃいちゃ禁止ー。
リア充の鳥カップルに当てられた~!


白鳩さんもいましたよ



どの鳥も羽つやがよくて健康そう。


あっという間に1時間がすぎました。
ギリギリまでインコルームにおり、帰りがけにまたちょっとフクロウをかまって、退出しました。
レジのところに、「コーヒー、ジュース 150円」と書いてあるのを発見。
そういえば、ここはカフェでしたね。すっかり忘れていましたよ!
あのインコルームのカオスの中でお茶を飲むのは難しそうですけれどね~。

とっても普通じゃないひと時を過ごした私たち。
お互いにポーッとして、現実に戻れぬまま、方向も考えずに人波の中を、歩いています。
そのままだと、クラゲのようにふらふらと人の中を漂流しているだけ。
とりあえず、興奮を鎮めるためにどこかでお茶することにしました。

● カフェ・珈琲天国

カフェを探していると、珈琲天国を見つけました。
太鼓の天国、鳥の天国のあとは、珈琲の天国。
浅草はパラダイスだらけだわ。
有名なお店ですが、満席だったため別のカフェに落ち着きました。



今までいた鳥カフェのサイトを見ると、ミカンさんの頭上に陣取った白オウムが紹介されていました。
"世界一美しい鳥"と言われるクルマサカオウムです。
お値段は68万円!うわ~、ゼロが多い!
「そんな高級な鳥だったなんて~」と驚くミカンさん。
「傷つけなくてよかった。自分は傷つけられたけど(爆)!」
ガシガシ噛んで、歓迎していましたからね~(^_^;)



お茶をしても、まだ2人とも興奮冷めやらないままです。
かなり強烈な未知との遭遇で、忘れられない思い出になりそう。
でもやっぱり、鳥っていいわ~。
お茶のあと、夕食も取って帰宅しました。



● epilogue

この日はまる1日、浅草で楽しく過ごしました。
いつもは観光客が大勢集う独特な人込みに負けて、早々にほかの町に移動していました。
でも今回は、浅草寺以外は混む場所に行かなかったためか、逃げ出さずに済みました。
メジャーな界隈でも、探せばなかなかマニアックな場所があるものですね。
浅草がこれまでよりもぐっと好きになりました。


浅草〜鳥と太鼓ともんじゃ焼き 1

2017-09-12 | 東京
この日のルート:浅草駅→桜橋→今戸神社→待乳山聖天→浅草神社→浅草寺→まるごとにっぽん⇒その2

● prologue

高崎の観音を訪れた10日後。
ほぼ坂東33観音を巡り終えて、残すところ浅草寺だけとなりました。
涼しくなってからのんびり行こうと思っていましたが、ミカンさんのリクエストもあり、夏の間に行くことにします。
近いようで遠い浅草。いつでも行けると思っていながら、実際にはなかなか行かない場所です。
せっかくなので、ほかの気になる場所も巡ってみることにしました。

一日曇りで、気温は30度いかないとのこと。
最近、お寺巡りをする日はずっと曇り続き。空はどんよりとしていますが、暑すぎないので助かります。

● はじまりは雷門から

浅草は、駅が4つあり、出口が違ったりするので、気をつけなくてはなりません。
今回は京急と浅草線の改札で待ち合わせ。
これまで銀座線で来ることに慣れていたので、出口の場所が違って面食らいました。

メトロの浅草駅を降りて地表に上がると、まずは浅草寺の雷門へ向かいます。
今は工事中で、すっぽりと幌に覆われていました。



幌に雷門の絵が描かれているのが、いい感じ。
京都の清水寺の子安の塔の工事もそうでした。
絵じゃなくて写真なら、もっと本物っぽくなりそうですけれどね。



隅田川遊覧船の列に外国人たちが並んでいます。
いつ来てもここはインターナショナル。
隅田橋のたもとには、キラキラしたネコがいました。

● X型の桜橋

向こう岸には渡らずに、隅田川沿いに歩いて行きます。
スカイツリーの上はもやに隠れています。



じきに、私がリクエストした桜橋のたもとに着きました。
角度を変えてあちこちから見てみましたが、橋の横からだと全貌がつかめませんね。
でも、普通の橋ではないことは判っていただけるでしょうか。



これは上からでないと、どんな形か見えません。
橋を見下ろせる、ちょっとした高い場所があればいいのに~。
橋の形を気にする人は、そんなにいないのかしら~。



X型のこの橋は、橋好きの私にとって要チェックの場所。
隅田川唯一の歩道専門橋でもあります。
対岸まで渡って戻ってきました。



説明版がありました。うん、たしかにXの形だわ。
向こう岸は墨田区で、浅草駅側に戻ると台東区です。

● 猫の今戸神社



次に、今戸神社に向かいました。
豪徳寺には何度か訪れたことがありますが、同じ招き猫伝承でも、こちらの神社に来るのは初めて。
境内にいるのは女性ばかり。恋愛成就の神社だからです。



とにかく招き猫がいっぱい。沖田総司最終の場所だというのに、あまり大きなアピールはされていません。
浅草七福神巡りの一つで福禄寿も祀っていますが、男性はちょっと行きづらい雰囲気があります。



威嚇顔の狛犬の下に、黒猫のじょうろが置かれていました。
狛犬が猫たちを守っているようで、なんだかほのぼのします。



手水舎にも、さりげなく小さな招き猫が乗っていました。



拝殿の中には大きな招き猫がいました。
神さま、仏様、お猫さま~!
といっても、猫の神さまを祀っているわけではありません。
御祭神は応神天皇、伊弉諾尊、伊弉冉尊です。



全体的に女性らしい神社。境内には、花がきれいに咲いていました。

● お寺のお言葉

神社を出て、辺りを散策します。
この辺りは寺町らしく、お寺が並んでいます。



ひとつのお寺の前に貼られていたお言葉。
「縁は切るより結ぶもの」
その通りですね。

● ダイコンのお寺

歩いている途中、お寺の境内にケーブルカーがあるのが見えました。
「ええっ?」と驚きましたが、そういえば、前に浅草七福神巡りをしていた時に両親が乗ったと話していたことを思い出します。
これのことね。



乗ってみると、ちゃんと二人がけの座席もあり、無料で下から上の本堂まで連れていってくれます。



ここは本龍院というお寺ですが、広く待乳山聖天(まつちやましょうでん)として知られています。
ご本尊は名前の通り、歓喜天(聖天)。七福神では毘沙門天。
推古天皇の時代からある、歴史あるお寺です。



ふと、両腕に大切そうに大根を抱えた女性が、しずしずと拝殿の石段を上がっていきました。
私たちも、あとに続いて本殿に入ってお参りすると、その女性は大根を、うやうやしく奉納していました。
そして中には、奉納されたたくさんの大根が。
わー、すごい。八百屋で売っているのと同じような生の大根なので、ヘルシーな印象です。



聖天様は、大根が好物なのかしら。
塀やちょうちんといった、境内のあちこちに、大根と巾着のマークが見られます。



大根は縁結びや子孫繁栄、巾着は商売繁盛を表すそうです。
かつての民間信仰が今の世まで引き継がれて、人々が大切に伝統を守っているようでした。

● 残念なスカイツリー



相変わらずの曇り空。スカイツリーの上の方は見えません。
ということは、展望台に上っても雲しか見えないのでしょう。
それにしても大きなタワーです。

● 浅草神社

さらにてくてく歩いて、浅草神社までやってきました。



ここを訪れるのも初めて。
隣にある浅草寺には何度も来ていますが、いつも仲見世通りの人込みに参ってすぐに帰ってしまうため、神社に寄ったことがなかったのです。
でも今回は、正門ではなく横の方から入ったため、そう混んでいません。

鎌倉も京都も、そしてここ浅草も、浴衣の人が多くなったなあと思います。
浴衣のレンタル屋さんが増えたためでしょう。



● 相合い傘の狛犬

入ったところにいる大きな狛犬に驚いていたら、境内の片隅には、相合い傘の夫婦狛犬がいました。
なにこれすてき~!
ぴったりよりそっていてラブラブ~!



こんな幸せそうな狛犬を見たのは初めてです。
満足するあまり、うっかりここで帰りそうになりました(えっ)

● 見えない邪鬼

それから二天門を通って浅草寺の中に入りました。
二天の足元には、おそらく邪鬼がいるはずです。
狛犬も邪鬼も好きな私。
ただ、どんなに背伸びしても、ギリギリのところで邪鬼は見えず、いるのかいないのか、その存在さえわからずじまいでした。
浅草寺さん、邪鬼好きのことも考えてあげてー! 



あとで調べてみたところ、二天門の修復工事中、一時的に移動した二天の像の画像がありました。
やっぱり邪鬼を踏んでいました。
浅草寺さーん、いるなら邪鬼も見せてー!

● にぎわう浅草寺



ここは本当に、いつ来ても参拝客でいっぱい。
この日初めての混雑ぶりです。



手水鉢の上には、りりしい大きめの立像がありました。
こちらは高村光雲作の龍神(沙竭羅龍王)像。芸術品ではないですか。
以前は本堂裏の噴水のところに置かれていたとのことで、それで少し大きめなのかなと思います。



上は、参道から見る本堂。参拝者がいっぱい。
下は、本堂から見る参道。参拝者がいっぱい。



● 阪東巡礼締めくくり

そもそも、今回は浅草寺がメインです。
私の阪東観音巡礼の最後を飾るお寺となりました。
ここは坂東三十三観音のほか、江戸三十三観音の札所にもなっており、どちらも説明がありました。



お参りの時には、坂東最後ということもあって、しっかり般若心経を読みたかったのですが、押すな押すなの混雑ぶりに、とてもそんなことができる状況ではありません。
人波に押されるように、外へと出ました。

御朱印は違う建物で分けていただきます。ここもまた行列ができており、頼む時も待つ時も並びます。
奥では大勢の人が手分けして御朱印を書いており、ミカンさんと私はそれぞれ違う人が担当したらしく、比べてみると御朱印の字が違っていました。
御朱印を書いてもらっている間、蝋燭をともし、線香をつけました。



お盆休みの間は、普段よりは空いているかと思いましたが、そんな気配はつゆほどもありません。
外国人が日本人以上に多いようです。

再び本堂に戻って読経代わりに納経札を収めようとしましたが、箱が見つけられなかったのでお寺の人にありかを教えてもらいました。
これで一段落。平成25年末から始めた阪東を、3年8か月でコンプリートしました!
やったあ~。でも感慨に浸るより、早く脱出したい気持ちでいっぱいです。
参拝客の中でもみくちゃになった後で、ミカンさんが
「自分の坂東最後のお寺は、ここじゃないところにしようっと」と言いました。
それがいいですね。混雑しすぎていて、余韻に浸れないから。

● まるごとにっぽん

仲見世通りは混んでいるので避けて、入ったのと逆側の横から出ました。
去年できたという"まるごとにっぽん"という建物に行ってみます。
地域情報を発信している場所かと思いましたが、どちらかというと地産商業の物販用施設でした。



愛媛では、水道の蛇口をひねると、ポンジュースが出てくるという都市伝説がありますよね。
ここにもありましたよ!

その2に続きます。


高崎だるまと観音さま index

2017-09-11 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
[2017.8.1]
◆ 渋川 1 ←旅行記へ
 夏休みに入り、群馬の高崎に向かいました。
 通勤ラッシュに当たってしまい、東京を抜けるのにひと苦労。
 お昼は、水澤うどんのなめらかさに舌鼓を打ちました。
  ● prologue ● 東京越えに一苦労 ● 上里SA
  ● スマートIC初体験 ● 五徳山 水澤寺(No.16) ● 名物水澤うどん
  ● 白岩山 長谷寺(No.15) ● 江戸期の狛犬 ● うすさま明王



◆ 高崎 2
 高崎に来たからには、ダルマと大観音を見ずしては帰れません。
 どちらも圧倒的迫力。さらに洞窟にもぐって観音様に会いに行きました。
 帰りは大雨に逢いましたが、見どころの多い一日でした。
  ● 高崎といえば ● こけしのメッセージ ● 群馬八幡駅
  ● だるまのお寺 ● 大観音対決 ● 思いつきで洞窟観音
  ● 徳蔵さんはすごい人 ● 陽気な鬼と閻魔 ● つじうらを引く
  ● 山徳記念館 ● 早目の帰途に ● 大雨の事故
  ● 渋滞を抜けて ● epilogue




高崎だるまと観音さま 2

2017-09-11 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
その1からの続きです。

● 高崎といえば

目的だった2つのお寺を訪れたあとの予定は、特に決めていませんでした。
「さて、これからどうしよう?」
「達磨寺に行ってみたいな」とミカンさん。
祈祷してもらったダルマを、家に飾りたいそうです。

たしかに、高崎といえばダルマ。
毎年、年末近くなると、だるまの作成にいそしむ高崎のニュースが流れます。
もちろん異存はありません。参りましょう!

● こけしのメッセージ

途中の道路脇に、こけしが等間隔に立っていました。
(うわっ、どうしてこけし?)と胸がザワつきます。



よく見ると、胴体に文字が書いてあります。
「ゆ・っ・く・り・走・ろ・う」
こけしのインパクトの強さに驚いているうちに、通り過ぎてしまいそう。
ドライバーは、すぐにメッセージに気づくのかしら。

● 群馬八幡駅

小さな駅の前を通りました。
「なんていう駅かな?」
一瞬「郡上八幡駅」かと思いました。
でもあれは岐阜県。そんなはずないわね。
正解は「群馬八幡駅」でした。似てるー。

名前から察するに、そばには八幡宮があるということですね。
大きな鳥居の奥に、立派そうな社殿が見えました。
看板に「上野国一宮八幡宮」と書かれていた気がして、おやっと思います。
日本一ノ宮巡りもしている私。
群馬の一ノ宮、貫前神社は参拝しましたが、ほかにも一ノ宮があるのかしら?

あとで調べてみると「上野国一社八幡宮」だったとわかりました。
群馬八幡に続き、こちらもまぎらわしいな~。
というより、見間違えるのは私の目が悪いせいですね。

● だるまのお寺

目指すだるま寺は、山の方にありました。
川に架かった橋の欄干に、なにか赤いものが見えます。
あれはもしや、リンゴ?



いいえ、ダルマの後姿です。



橋を渡って着いたのは、少林山達磨寺。
略して少林寺、ではありません。
黄檗宗(おうばくしゅう)の、きっちりとした禅宗寺院です。
境内には、凛とした空気が張り詰めていました。

鐘楼。下は通り道になっています。
鐘が「ゴーン」と鳴った時に下にいたら、すごい音響でしょうね。



観音堂。雰囲気があるかやぶき屋根。さらにそこから若草が生えています。
境内には、建築家ブルーノ・タウトが、2年の間過ごした家も残されています。



本堂へ向かうと、なにか赤いものがごそっとうず高く積まれているのが、遠くから見えました。
なんだろうと思って近づいてみると、そこにあったのは、ダルマ!



あふれんばかりの大小さまざまなダルマが、みっちりと詰まっていました。
おびただしい数の、色とりどりのダルマに圧倒されます。



どのダルマにも、両方の目が入っています。
願いが叶った人々がお礼参りに訪れて、奉納しているのでしょう。



大きなダルマには、JRや森永といったメジャーな会社や、地元の野球チームなどの名前が書かれていました。



軒下には、雨宿りをしているトトロのような、大きなダルマがいました。
いろいろなサイズのダルマが飾られていました。みんな白目でちょっと怖いです。
ミカンさんは、小ぶりのダルマをひとつ選び、お坊さんに祈祷をお願いしました。
「では頭をお下げ下さい」とお坊さんが小声で穏やかに言ったかと思うと、突然朗々と響く声でお経を読みだしたので、一緒に頭を下げていた私もビクッとしました。



このお寺では、そうやってダルマに念を込めてくれるんですね。
これでミカンさんの願いも叶うことでしょう。



ピンとした空気の漂う達磨寺の境内に、「だるだる」という名前の甘味処があって、ちょっと脱力しました。
高崎観音は高さ41.8m。大船観音は25mなので、大きさでは高崎に軍配が上がります。
大船は胸像で「本体は地面に埋まっている」という都市伝説もありますが。(あくまで伝説)
どちらの像も優しい感じで、両方好きな巨大仏です。

戦前に造られた高崎の観音様はとにかく目立つため、戦時中は「空襲の標的となる」という理由で、取り壊しが検討されたそうです。
でも、市民からの強い反対で取り壊されずに済んだのだとか。それで、私たちも今こうして見られているわけです。
今も昔も、住民の心の支えなんでしょう。

そばまで行って満足し、また山を下りました。



群馬に来るたびに、この2人のポスターを見かけます。
すっかり群馬代表ですね。

● 思いつきで洞窟観音

ダルマに別れを告げて「次は、こんにゃくパークに行ってみようか」と、下仁田方面へと向かいました。
途中にあった「洞窟観音」の看板に目が留まります。
「今の見た?」
「洞窟観音って書いてたね?」
洞窟の中に観音様がいるんでしょうか?

なんだか気になります。そう遠くなかったので、こんにゃくパークから方向転換して、そちらに行ってみることにしました。
よくわからないまま、中に入ってみると、ひんやりした空気に包まれます。
洞窟の中は常に17度くらいなんだそうです。自然の冷蔵空間。
外のじめじめした空気は一気になくなりました。



これまで入った洞窟は、どこもみんな暗くて、明かりがないと先に進むのも一苦労といったところばかりでした。
ここも真っ暗かと思いましたが、歩くのに問題ない程度の明かりがついています。

少し行くと、御影石の観音像がありました。
通路沿いにいくつも洞があり、その中に観音さまが一体ずつ入っています。
33の姿に変化をすると言われている観音様。
その一つ一つの観音様の像が彫られているようです。


衆宝観音



徳王観音


観音様の御顔は端正で涼しげな美しさ。一つ一つのクオリティがとても高く、見とれます。
周りには誰一人としていません。時折、洞窟のどこかから人の話し声がぼんやりと聞こえてきますが、姿は見えないので、ずいぶん遠いところにいるようです。



完全な異空間ですが、居心地は悪くありません。
ゆっくり進んでいくと、曲がりながらもなお洞窟は先にのびています。



そのうちに大きな洞があり、何体もの観音像が洞にありました。
迫力!
人が銅像の前でくつろぎながら瞑想できるように作られた「瞑想の場」がありました。



冷気が洞窟の奥からやってきます。
涼しくて、避暑にうってつけの場所です。



観音様の周りの石は、浅間山から持ってきた溶岩石だそう。
通路を進んでいくと、途中で通路が左に曲がっていくところがあり、その辺りから雰囲気が変わっていきます。
コンクリートの坑道が素彫りの洞窟に変わり、小さかった通路横の小部屋も急にダイナミックになります。

滝観音。奥に大きな滝を模して削った岩がありました。20mもの高さだそうです。



外に出て来た時には、本当に別世界から戻ってきた感覚。



隣には礼拝堂があり、ろうそくの光が灯っていました。
洞窟の中なので、換気穴がしっかりありました。



● 徳蔵さんはすごい人

ここは、大正時代に呉服で財を成した山田徳蔵という商人が、当時のお金で私財200億円を投じ、88才で亡くなるまで50年間かけてつくりあげた洞窟。
多くの人々が共に楽しめる霊場、楽天地を目指して、ここを作ったそうです。

機械のない時代、人の手でここまで作ったということに、驚き、そして感動します。
徳蔵爺の邸宅の下にはかつての防空壕がありましたが、崩壊の危険があるとかで途中までしか入れませんでした。

総長400mを越えた、十分長い洞窟ですが、「この倍は掘りたかった!」という徳蔵さんのコメントが載っており、彼の無念さが偲ばれます。
とっても見がいがあって、大満足。
おもしろい体験ができました。

● 陽気な鬼と閻魔

敷地は広く、隣には回遊式日本庭園が広がっています。
北関東一のスケールの大きさだそう。



群馬の三波石をはじめ、日本中の巨岩が集められています。
よく計算された配置の名園ですが、ここに、笑い閻魔と笑い鬼の像がありました。
ワッハッハ!明るい気持ちになります。



また、観音像第1号の像もありました。
ビギナーの作品というような荒削りの感じ。
でも十分上手です。私にはとても真似できません。



池にいるのは浦島太郎?一寸法師?
亀の上に乗っているので、浦島太郎の方でしょう。





● つじうらを引く

庭園を散策していると、山田徳蔵さんが「霊力が籠っているとして、祈り奉った」という大きな石がありました。
そのそばに、なぜかおみくじの引き出しも。
おみくじって、お寺や神社で引くものじゃないの?
1番目の引き出しは、通常のおみくじ。
二番目は、英語版のようです。
3番目に、「つじうら」と書いてありました。
つじうら?初めて見ます。
よくわかりませんが、なんだかおもしろそうなので、引いてみることにしました。



気になる結果は…
大吉!
やったあ!
でも、よく読むと「情事ご注意」なんて書いてありました。



「つじうら」とは、かつていた辻占い師のことのようです。
なので、これは神託としての「おみくじ」とは違って、もっと俗世的なことがかかれていました。
「デイト:早目にせよ」とか(笑)。

● 山徳記念館

庭園内には記念館があり、山田徳蔵氏のコレクションが展示されています。



「のらくろ」の作者、北沢楽天氏の作品や日本の歴代首相のイラストなどが飾られていました。
なかなか堪能できた面白い場所。
庭園も美しく、秋には美しい紅葉が楽しめるようです。

● 早目の帰途に

「つじうら」について聞いてみようと、先程の発券所の人のところへ行くと、閉園間際でもう閉まっていました。
さびしーい。



ここは「ぐるたび2016年」で「群馬県の日本庭園注目ランキング」第1位に選ばれたそうです。
しかし、ぐるたびというものがあると、これまで知りませんでした。
なんだか雨足が強くなってきたように感じます。
まだ時間はありますが、変な天気なので、そろそろ帰途に着くことにしました。



高速に乗ると、徐々に雨が強くなり、とうとうものすごい雨になりました。
前を走る車が両脇に水を飛ばし、タイヤの辺りは水しぶきでもうもうと白くなるため、車間距離が曖昧になります。
こわいわ~。



どの車も、一様に減速します。
声を交わさなくてもわかりあっている優しい世界。。。
なんてことを言っている場合ではありません。
かなり危険度が高い場所にいるので、それぞれにできる防災をしているわけです。

● 大雨の事故

大雨の中でも、初めのうちは道路はそれなりに動いていましたが、とうとう渋滞になりました。
道路脇を、埼玉県警の警察カーが走り抜けていきます。
どうやら先の地点で事故が起こった模様。
おそらく大雨の視界不良やスリップしやすさで事故が起きてしまったんでしょう。



ナビを見ると、さっきまで白かった高速道路が、黄色と赤色になっています。
黄色は渋滞、赤色は暴風雨区域とのこと。
いよいよ嵐の中に突入し、ワイパーを高速で動かしても、雨が打ち付けて前が見えません。



「わあ、怖い。こんな時に高速は運転できないわ~」と言うと、
「それでも下の道路よりは全然楽」とミカンさん。
確かに、交差点での事故が起こりやすいですね。
それに人や自転車は死角に入りやすいし、急な動きの予想がつかないからですね。

じりじりと車は進み、いよいよ事故現場の横を通り過ぎました。
青い車が横向きで停まっており、運転席の窓ガラスが割れていました・・・。
どうか、乗っていた人が無事でありますように!

● 渋滞を抜けて

そこを過ぎると、今までの込み具合が嘘のように道路は空き、暴風雨区域からも外れたようで雨も収まってきました。
一斉にびゅんびゅん飛ばしはじめる周りの車の中で、
隣を目立つバスが走っていきました。
武蔵ヒートベアーズという、埼玉県のプロ野球球団でした。





雨も降ったり止んだり。「またいつ大雨になるかわからないので、もうちょっと東京に近くなってから休憩しよう」と言っているうちに、横浜まで来てしまいました。
こういった日は、暗くなるのも早いもの。
この日は誕生日だったため、ケーキをいただきました。





● epilogue

年に一度の誕生日までお寺巡りにあてるなんて、私もすっかり巡礼者…と思いますが、百観音巡りもまた一つ歩が進み、残すところあと5寺になりました。
ゴールが近づいてきたわ~。

一人で行くと、黙々とお参りばかりをして、真面目な修行という意味合いの方が強くなりますが、だれかと一緒だと、道中楽しくおしゃべりができるし、その土地の食べ物や近隣の観光などもできるので、満喫したと気持ちが上がります。
高崎も、ダルマだけではなくいろいろな見どころ、食べどころがありました。
残りのお寺もこれまで通り、ひとつひとつ地道に進んでいこうと思います。


高崎だるまと観音さま 1

2017-09-08 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
● prologue

8月に入りました。
世の中夏休みシーズンだし、私もどこかでリゾート気分を味わおうかな。
と思いながら、またもやお寺巡りに行くことに。

この夏は、集中的にお寺を訪れています。
数年間かけて挑戦中の、百観音巡礼のコンプリートまで、あともうちょっとになってきたからです。
ゴールが見えてきたので、謎の元気が出て、ラストスパートをかけ始めたところ。

今回の目的は、坂東三十三箇所の水澤観音と白岩観音。
坂東巡り仲間のミカンさんと一緒に向かいました。

● 東京越えに一苦労群馬に

高崎駅までなら電車でも行けますが、目的地はそこからさらに距離があるため、車で行きます。
学校は夏休みですが、この日は平日なので、うっかり朝の通勤ラッシュにはまってしまいました。
箱根や伊豆方面に行く時には影響をうけませんが、東京を越えていく時は道路がなかなか動きません。
用賀を越えても渋滞は続きます。高井戸を越えてから、ようやく動き始めました。



● 上里SA

上里SAでいったん休憩。
お土産エリアには、関東近辺のさまざまな食べ物が並んでいます。
見ているうちに、今どこにいるのかわからなくなってきました。



「あれ、ここって何県だっけ?」
「上里=上田の里」のイメージで、長野かと思ったら、埼玉なんですね。
埼玉と言うのは意外でしたが、県境近くにあり、車を走らせるとすぐに群馬に入りました。

● スマートIC初体験

ところで最近は、スマートICという高速の出口があるんですね。
高速を降りる時に知りました。
SAの中にあるようで、SAの奥まで回り込んでみると、本当に建物の裏側にひっそりと出口がありました。



そこを出るとすぐに一般道。
わあ、便利。バリアフリーみたい。(違うけど)
もちろん入り口にもなっています。
運転して高速に入るのがコワい私にとっては、入りやすそうです。

群馬に入ると、山が多いなあと感じます。
見慣れない、ゴツゴツした形の山。
ひとつの山に起伏があるというよりも、たくさんの山が重なり合って見えているんでしょう。



● 五徳山 水澤寺(No.16)

水澤観音と白岩観音、どちらを先に廻ろうかと考えます。
どちらもきれいな名前のイメージ。
「ランチに水澤うどんを食べたいね」というのが決め手になって、先に水澤寺に行くことになりました。



坂東巡り16番目のお寺、水澤寺。
参拝者の鳴らす鐘の音が境内に響きます。



以前榛名山に行く途中にここをお参りし、すでに御朱印もいただいているので、今回は参拝のみ。



古めかしく重々しい雰囲気がよく、また訪れたいお寺でした。



人がすっぽりと入るほど大きな提灯が下がっています。
天井には龍。その両脇には天女。迦陵頻伽(かりょうびんが)かも。



うどんが有名なように、水がとても豊か。
みずみずしい気持ちになります。



以前訪れた時は参拝客でごった返しており、六角経堂の経蔵を回したいなと思っても、長い行列ができていたので、あきらめました。
今回は人が少なかったので、心ゆくまで回すことができました。



● 名物水澤うどん

お寺を参拝した後は、お待ちかねのうどん。
門前町のように数々の水澤うどん店が立ち並んでいる中から、前にミカンさんが入ったという田丸屋に入りました。



1582年創業の老舗。入り口には金屏風のようにあつらえた靴入れがあります。
大きなお店で、中は広々としています。
『千と千尋の神隠し』の湯屋のような贅沢感。


胡麻と醤油の二色つゆの布袋様福膳


私はばらのりうどんを注文。
うどんとは思えないくらいの細麺でした。
しっかりコシがあり、味わっていただきました。
うどんつゆではない、塩味の薄味つゆがシンプルで、麺のおいしさが引き立ちました。


ばらのりうどん


群馬では、ソウルフードの「おっきりこみ」や、「ひもかわ」という薄くてとても太い麺を食べてみたいと思っていましたが、やっぱり水澤まで来たら水澤うどんですね。
「帰りのSAで買えるんじゃない?」
そう、お土産に売っているものよりも、その場所で食べるべきものを優先しましょう。

水澤うどん、本当においしいです。
久しぶりに大きく感激したうどんでした。

● 白岩山 長谷寺(No.15)

ゆっくりしていたら、もう午後になりましたが、まだ一つしかお寺を訪れていません。
「じゃあ、次は白岩観音ね」
連日の猛暑が一段落した、曇りの動きやすい日でしたが、車に乗っている間も雨がポツポツと降ったり止んだりしています。

渋川から高崎方面に戻りましたが、その間にほかの車と一台もすれ違わず、スイスイと次のお寺へ到着しました。
ここが坂東巡り15番目のお寺、長谷寺(ちょうこくじ)。



それほど大きな境内ではありませんが、ちょっと独特な形の赤い仁王門がありました。
横に小窓がついており、開けられるようになっています。
なんのため?撮影用?

全体的に網がかかっているので、うまく撮れないという撮影者の気持ちを汲んで作ってくれたのかもしれません。
そんなわけで、ドアを開けて迫力のある赤い仁王さまをパチリ。



仁王門の先には、こちらも赤い観音堂がありました。
全体的に赤く、どこか異国情緒の漂うお寺です。



● 江戸期の狛犬

ここはお寺ですが、狛犬が護っていました。
しかも古い型だったので、喜んでじっくり観察。
江戸時代に作られたもので、ところどころ補強されていました。
(白くなっている部分です)





御朱印をいただきながら住職に狛犬のことを伺うと、「あれは新しいですよ。百五十年くらい前のもののようですから」と言われました。
それで新しいなんて、時代の流れが悠久だわ~。

● うすさま明王



このお寺にはトイレとシモの神さま、烏枢沙摩(うすさま)明王像もあり、御影とお守りも配布しています。
歌だと「それはそれはきれいな女神さま~」なんですが、お寺でときどき出会ううすさまは、こわい顔をした男の明王。
う~ん、何かが違うわ。
ところが、境内のトイレはシャッターが下りて、使えないようになっていました。
実際のうすさま明王はシャッターの奥に閉じ込められてる~。
おそらく普段は閉まっていて、お寺の祭りのときなどにのみ、開けられるのでしょう。

ちなみにこのお寺には、脳天龍王も祀られています。
こちらは、うすさまとは逆に、首から上を司る神様です。

湿気が上がって、とても蒸し暑くなってきました。
参拝を終えて車に戻り、走り出すと、じきにザーッとスコールのような雨が降り出しました。

その2に続きます。