(ダウ・ジョーンズ)23日の外国為替市場では、欧州で続いている政治的かつ経済的な危機のいくつかの側面
において進展がみられつつあることが楽観され、ユーロは10月以来の高値に続伸した。
ドイツのショイブレ財務相はこの日、ユーロ圏各国の財務相が来週26日に予定されるギリシャの救済措置につ
いての会合に備える中、財政問題に対する解決策が見いだされることへの自信を示した。同財務相はさらに、ス
ペインの銀行の資本増強措置も「順調」だと評価した。
欧州連合(EU)の2013年から20年にかけて7年間の予算に関する首脳会議はこの日、何も合意に至らずに2日間
の協議を終えた。だが、ドイツのメルケル首相は建設的な協議だったとし、市場を安心させることを目指し、い
ずれ合意に達するだろうとの見通しを示した。
ユーロ相場を圧迫していた大きな問題のいくつかに関するこうした前向きな発言を受け、投資家はユーロの下
落を予想した持ち高を解消した。米感謝祭の祝日の翌日にあたるこの日、取引は閑散としていた。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバルヘッド、マーク・チャンドラー氏は「10月以降、ユー
ロは売り込まれてきたが、これはその下げに対する遅ればせながらの調整だ」と語った。ユーロ圏における重圧
が後退し「焦点は米国に移るだろう」と指摘した。
欧州の問題のいくつかに対する懸念が緩み、投資家の関心は米国情勢に転じつつある。感謝際休暇が明ける2
6日、増税と歳出削減が自動的に発動する「財政の崖」を年末に控え、それをいかにして回避するかに関する協議
が再開する。
欧米情勢以外にも、パレスチナのイスラム系原理組織ハマスとイスラエルの停戦合意や22日に発表された中国
の製造業景況指数(PMI)が1年1カ月ぶりに業況の拡大を示したことなどの肯定的な材料をもとに、オーストラリ
アドルやカナダドルなどの高金利通貨に対する需要が高まった。
シティバンクの通貨ストラテジスト、スティーブン・イングランダー氏は「先週は分からなかったことが、今
週数多く明らかになった」と述べ、投資家にとっての不透明感が後退していると指摘した。
NY市場終値 23日16時50分 (22日16時50分)
ドル 82円37-42銭 (82円39-44銭)
ユーロ 1.2970-74ドル (1.2883-86ドル)
英ポンド 1.6034-38ドル (1.5941-46ドル)
スイスフラン 0.9279-84フラン (0.9350-54フラン)
ユーロ 106円88-92銭 (106円15-20銭)
豪ドル 86円16-24銭 (85円59-68銭)
英ポンド 132円07-19銭 (131円34-46銭)
カナダドル 83円03-13銭 (82円60-69銭)
NZドル 67円82-95銭 (67円20-29銭)
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