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今日は二十四節気の「穀雨」。梅雨のはしりのようなどんよりとした空模様
でしたが、この時季のやわらかな春の雨は百穀を潤すとされています。
ところで、ロンドンでオリンピックが開催される今年、エリザベス女王(8
5歳)は即位60周年を迎えます。
父ジョージ6世の死去に伴い1952年に即位した現女王は、英国史上最高
齢の君主(在位期間は歴代2位)で、イギリスでは女王即位60周年を記念し
てこれから様々な祝賀行事が予定されているそうです。
また、今年は映画「007」シリーズも50周年の節目を迎えます。
ロンドン・オリンピックの7月27日のオープニングには、6代目ジェーム
ズ・ボンドのダニエル・クレイグが、「ジェームズ・ボンド」として登場する
ことが明らかになっています。
この企画は、ダニエルと映画監督のダニー・ボイル(スラムドッグ$ミリオ
ネア等の監督)に、オリンピック開会式で上映するための短編映画の製作をエ
リザベス女王が直々に依頼したことがきっかけだそうです。
ちなみにエリザベス女王はイギリス国教会の首長でもあります。先日は一般
人の結婚式にエリザベス女王がまさかの来訪で、新郎新婦を祝福しています。
そんなサービス精神を持つ女王は、オリンピックの開会式で披露される短編
映画で、ジェームズ・ボンドとの共演を果たすかもしれません。
投資とは直接的には関係の薄い話になりますが、イギリスについて少し触れ
ておきたいと思います。
イギリスは正式には「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と言
い、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国
で構成される立憲君主制国家で、エリザベス2世はその国王・国家元首として
君臨しています。
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国の英語表記は下記のように長
く、通称としては「U.K.」や「グレートブリテン」などがあり、同国を表す
言葉として日本では「イギリス」「英国」または単に「英」が使われています。
ちなみに「イギリス」という言葉は日本語であり、日本でしか通用しない言葉
です。
United Kingdom of Great Britain
and Northern Ireland
よく知られているユニオン・ジャック(イギリス国旗)は連合王国の国旗で、
イングランドの国旗(白地に赤い十字)、スコットランドの国旗(青地に白い
斜め十字)、北アイルランドの国旗(白地に赤い斜め十字)の3つを合成した
ものです。ウェールズは古くからイングランドと一体化していたため、国旗の
意匠(赤い竜)は取り入れられていません。
イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国は
それぞれに連合王国(イギリス)を構成する国ではありますが、それぞれに別
個の国という意識が根強く残ります。イングランドとイギリスは別もので、サ
ッカーではイングランド代表は存在しても基本的にイギリス代表は存在しませ
ん。しかしながら今回のロンドン・オリンピックでは統一チームの結成で合意
がなされています。
また、イギリスは18世紀から20世紀半ばにかけて世界中に領土と植民地
を有し、それら総称して「大英帝国」と呼ばれました。ユナイテッド・キング
ダムがイギリス本土のみを指すの対し、ブリティッシュ・エンパイア(大英帝
国)という場合にはイギリス本国と植民地の全部を含みます。
その大英帝国が前身となって今あるのが「英連邦」で、単に「コモンウェル
ス」とも言います。「連邦」とは言いますが、いわゆる連邦国家や連合国家の
ような強い結びつきではなく、中央政府を有しない、至って緩やかな国家連合
で、現在の加盟国数はイギリスを含め54カ国となっています。アジアではイ
ンドやシンガポール、マレーシアなど、アフリカ大陸ではガーナやカメルーン、
南アフリカ共和国なども属しています。
英連邦の中でも、イギリスの国王を自国の国王として仰ぐ16の独立国を「
英連邦王国」と称します。連邦王国には、カナダ、オーストラリア、ニュージ
ーランド、ジャマイカなどが属しており、それらの国では、カナダ女王やオー
ストラリア女王などとしてエリザベス2世が君臨しています。
もちろん「君臨すれども統治せず」で、エリザベス2世の統治権は名目上の
ものですが、カナダやオーストラリアなど英連邦王国の国民は形式的には女王
陛下(エリザベス2世)の臣下ということになります。
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今日は二十四節気の「穀雨」。梅雨のはしりのようなどんよりとした空模様
でしたが、この時季のやわらかな春の雨は百穀を潤すとされています。
ところで、ロンドンでオリンピックが開催される今年、エリザベス女王(8
5歳)は即位60周年を迎えます。
父ジョージ6世の死去に伴い1952年に即位した現女王は、英国史上最高
齢の君主(在位期間は歴代2位)で、イギリスでは女王即位60周年を記念し
てこれから様々な祝賀行事が予定されているそうです。
また、今年は映画「007」シリーズも50周年の節目を迎えます。
ロンドン・オリンピックの7月27日のオープニングには、6代目ジェーム
ズ・ボンドのダニエル・クレイグが、「ジェームズ・ボンド」として登場する
ことが明らかになっています。
この企画は、ダニエルと映画監督のダニー・ボイル(スラムドッグ$ミリオ
ネア等の監督)に、オリンピック開会式で上映するための短編映画の製作をエ
リザベス女王が直々に依頼したことがきっかけだそうです。
ちなみにエリザベス女王はイギリス国教会の首長でもあります。先日は一般
人の結婚式にエリザベス女王がまさかの来訪で、新郎新婦を祝福しています。
そんなサービス精神を持つ女王は、オリンピックの開会式で披露される短編
映画で、ジェームズ・ボンドとの共演を果たすかもしれません。
投資とは直接的には関係の薄い話になりますが、イギリスについて少し触れ
ておきたいと思います。
イギリスは正式には「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と言
い、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国
で構成される立憲君主制国家で、エリザベス2世はその国王・国家元首として
君臨しています。
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国の英語表記は下記のように長
く、通称としては「U.K.」や「グレートブリテン」などがあり、同国を表す
言葉として日本では「イギリス」「英国」または単に「英」が使われています。
ちなみに「イギリス」という言葉は日本語であり、日本でしか通用しない言葉
です。
United Kingdom of Great Britain
and Northern Ireland
よく知られているユニオン・ジャック(イギリス国旗)は連合王国の国旗で、
イングランドの国旗(白地に赤い十字)、スコットランドの国旗(青地に白い
斜め十字)、北アイルランドの国旗(白地に赤い斜め十字)の3つを合成した
ものです。ウェールズは古くからイングランドと一体化していたため、国旗の
意匠(赤い竜)は取り入れられていません。
イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国は
それぞれに連合王国(イギリス)を構成する国ではありますが、それぞれに別
個の国という意識が根強く残ります。イングランドとイギリスは別もので、サ
ッカーではイングランド代表は存在しても基本的にイギリス代表は存在しませ
ん。しかしながら今回のロンドン・オリンピックでは統一チームの結成で合意
がなされています。
また、イギリスは18世紀から20世紀半ばにかけて世界中に領土と植民地
を有し、それら総称して「大英帝国」と呼ばれました。ユナイテッド・キング
ダムがイギリス本土のみを指すの対し、ブリティッシュ・エンパイア(大英帝
国)という場合にはイギリス本国と植民地の全部を含みます。
その大英帝国が前身となって今あるのが「英連邦」で、単に「コモンウェル
ス」とも言います。「連邦」とは言いますが、いわゆる連邦国家や連合国家の
ような強い結びつきではなく、中央政府を有しない、至って緩やかな国家連合
で、現在の加盟国数はイギリスを含め54カ国となっています。アジアではイ
ンドやシンガポール、マレーシアなど、アフリカ大陸ではガーナやカメルーン、
南アフリカ共和国なども属しています。
英連邦の中でも、イギリスの国王を自国の国王として仰ぐ16の独立国を「
英連邦王国」と称します。連邦王国には、カナダ、オーストラリア、ニュージ
ーランド、ジャマイカなどが属しており、それらの国では、カナダ女王やオー
ストラリア女王などとしてエリザベス2世が君臨しています。
もちろん「君臨すれども統治せず」で、エリザベス2世の統治権は名目上の
ものですが、カナダやオーストラリアなど英連邦王国の国民は形式的には女王
陛下(エリザベス2世)の臣下ということになります。