ringoのつぶやき

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DJ-メルケル首相のいないユーロ圏に関する考察

2013年01月22日 16時05分03秒 | ユーロ危機

 (ダウ・ジョーンズ)ドイツのメルケル首相は、個人としての人気がまだ高い。

 しかし、先週末にニーダーザクセン州で行われた選挙では彼女が率いる与党が敗れた。9月の国勢選挙での与
党の勝利は、確実とはとても言えないようだ。

 過去7年間で初めて、金融市場はメルケル首相のいないユーロ圏の先行きを熟考しなければならない。

 それは厳しいことになるだろう。

 最近のユーロ圏債務危機においてドイツの首相は、統一通貨圏の崩壊を食い止める交渉をまとめる鍵を握って
きた。

 自国内で政治的な懸念が投げかけられても、メルケル首相は債務国のソブリン債務が不履行にならないよう救
済措置を繰り返し確保してきた。

 メルケル首相が退陣すると、統一通貨を守るうえで引き続き必要と思われる強い指導力をユーロ圏全体が失う
ことになるだろう。

 いまのところ、ニーダーザクセン州で与党キリスト教民主同盟(CDU)連合が野党社会民主党(SPD)に1議席
差で敗れたことついて、ユーロへの影響は限定的だ。ユーロはやや下落したものの、1.3300ドル以上の水準にと
どまっている。

 影響が限定的なのは、債務危機が最悪期を脱したと金融市場が受け止め、メルケル首相が退陣しても昨年の今
ごろほどの悪影響はないだろうとみているためだろう。

 また、アイルランドやポルトガル、ギリシャ、そして今度はキプロスに対する巨額な救済措置を支持するよう
、メルケル首相が自国の政治的協力者らを説得してきたと言う経緯はあるものの、反対勢力もメルケル首相の危
機管理手法から離れる可能性は低く、引き続きユーロを守る政策を推進するだろう。

 一部のアナリストは、国政選挙での野党の勝利は、ドイツ経済にとっては良いことになるかもしれないとみて
いる。

 過去2年間、メルケル首相は野党が提起した税制改革や最低賃金の引き上げ、社会保障の拡充を阻止し、ドイ
ツは政治的な行き詰まりに直面してきた。

 ドイツ経済が現在、他のユーロ圏諸国と足並みをそろえて減速する兆しをみせている中、財政面での行動を促
す圧力は確実に高まるだろう。

 モルガン・スタンレーのグローバル外国為替戦略ヘッド、ハンス・レデカー氏は、「政府が需要主導の政策手
法を推進する国の通貨はこれまで、上昇することが多かった」と指摘している。

 言い換えるならば、メルケル首相がユーロ圏債務危機の解決や統一通貨そのものの保護に関わらないかもしれ
ないとの懸念でユーロが下落するよりも、ドイツが新しい政府の下でいまよりも成長主導の財政政策を推進し、
一段と明るい景気の先行きを確保するとの見通しが、ユーロを実際に下支えするかもしれない。

 もちろん、現段階で、メルケル首相が9月の総選挙で敗れると予想して投資行動をとる投資家もあまりいない
だろう。

 結局、メルケル首相の個人的な人気は、ニーダーザクセン州での僅差の敗北は避けられなかったものの、総選
挙の運動中もまだ続く可能性がある。
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