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【目覚めよ 日本力】〈次世代技術〉実用性“世界一”のスパコン「京」 本領発揮はこれから(産経)

2013年01月03日 08時37分19秒 | 社会経済

神戸市中央区の理化学研究所の計算科学研究機構で昨年9月、スーパーコンピューター「京(けい)」が本格運用を始めた。世界で初めて毎秒1京(京は1兆の1万倍)回超の計算速度を達成し、スパコン性能で世界1位に輝いた頭脳だが、その後は順位を下げて昨年11月には3位に転落した。だが、開発に携わった研究者は「もともと多くの分野の実用性を念頭に作られた」としており、科学や産業の発展に本領を発揮するのはこれからだ。

 1秒間に1京510兆回の計算速度-。たとえるなら、地球上の人類約70億人が毎秒1回、17日かけて行う計算を1秒でやってのける能力を誇る京は、理研と富士通が約1100億円かけて開発した。平成23年6月のスパコン世界ランキングでは、日本勢として7年ぶりにトップに立った。現在も同時並行で複数課題を処理する速度などのランキングでは4部門中3部門で首位をキープしている。

 完成までには紆余(うよ)曲折もあった。21年11月の事業仕分けで、蓮舫行政刷新担当相(当時)から「2位では駄目なのか」と事実上の凍結判定を受けたことで一躍有名に。「科学技術こそが日本の生きる力だ」と科学者らの猛反発もあり、後に予算が認められた。

 50×60メートルの計算機室には864台のラック(筐体)が整然と並び、驚くほど静かに稼働している。ラックには中枢部品のCPU(中央演算処理装置)を4個ずつ搭載したボードが計24枚、ぎっしり詰め込まれている。

この最先端の頭脳が活躍する場は多岐にわたる。京の活用分野について、文部科学省は、生命科学・医療▽新物質・エネルギー▽防災・減災のための地球変動予測-など戦略5分野を指定する。地震や津波、台風など地球科学に関するシミュレーション(模擬実験)に活用すれば、効果的な災害の予知・予測や被害軽減につなげられる。

 産業面でも期待は大きい。たとえば医療分野では心臓の動きを模擬実験して診断につなげ、タンパク質の立体構造を精密に再現して製薬の参考にする。ものづくりでは、自動車や航空機に対する空気抵抗などを計測し、より効率的な走行・飛行を追求する手がかりにする。

 スパコンを運用する理研計算科学研究機構の平尾公彦機構長は「高い目標を掲げて、決して妥協しなかった結果だ。日本のものづくりの潜在力を示した」と胸を張る。活用次第で、日本の科学力や産業の競争力を向上させると期待されているだけに、具体的な成果が待たれている。(秋山紀浩)

【目覚めよ 日本力】〈次世代技術〉実用性“世界一”のスパコン「京」 本領発揮はこれから



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