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中国経済、軟着陸に不安、物価上昇、消費は減速。

2011年09月11日 17時46分42秒 | 社会経済
2011/09/10, 日本経済新聞 朝刊, 1ページ, 有, 1112文字  

 

 中国経済が軟着陸へ難しい局面に入っている。米欧経済の停滞で輸出の先行きに不透明感が漂い、内需を象徴する自動車販売も減速。消費にも不安の芽がのぞき、外需・内需とも景気の下押し要因が顕在化しつつある。だがインフレ圧力はなお強く金融引き締めを続けざるを得ない状況だ。

 中国汽車工業協会が9日発表した8月の新車販売台数(中国国内生産分、工場出荷ベース、商用車、輸出を含む)は前年同月比4・2%増の138万1100台となった。今年に入って2桁増になったのは1月だけ。通年で3割増だった2010年の勢いはない。

 「駆け込み需要が起きており、10月からの販売が低迷しそうだ」。中国国有自動車大手、中国長安汽車集団(重慶市)幹部は漏らす。新車販売の勢いは政府の販売補助金が支えてきた。しかし、10月から燃費基準が厳しくなるのに伴い「補助金の対象車種は現在の3割程度まで減る見込み」(中国メーカー幹部)。多くの車が実質的な値上げとなり、販売に急ブレーキがかかる懸念が浮上する。

 自動車は中国のサービスを除いたモノの消費の約3割を占め、鉄鋼や電子部品など産業の裾野が広い。新車販売が年後半にかけて前年割れすれば、経済全体に悪影響を及ぼしかねない。

 予兆はある。国家統計局が9日発表した8月の工業生産は前年同月比で13・5%増で、伸び率は7月より0・5ポイント低下。中国の市場調査会社のアナリストは「スマートフォン(高機能携帯電話)など通信分野は好調だが、自動車に欠かせない部品や素材の生産は伸び悩んでいる」と分析する。

 消費の動向を示す社会消費品小売総額は17・0%増で18~20%で推移した昨年の水準には及ばなかった。自動車に加え、家電製品の売り上げも振るわず、消費は全般に力強さに欠ける。

外需も期待薄

 外需にも期待しにくい。製造業に輸出の受注状況を聞いた指数は、8月に拡大と縮小の境目である50を2年4カ月ぶりに下回り、輸出は年末にかけ大幅な減速が予想される。頼みの綱は投資だ。1~8月の農村部を除いた固定資産投資(設備投資と建設投資の合計)は前年同期比25・0%増と高水準を保った。
 外需と消費が予想以上に落ち込めば、政府は財政支出を増やして景気を下支えするとみられる。温家宝首相は「中国経済は期待した方向に向かっている」と軟着陸に自信をみせる。

 問題は物価だ。8月の消費者物価指数は前年同月比6・2%上昇し、3カ月連続で6%の大台を超えた。中国人民銀行(中央銀行)は景気下振れのリスクを気にしながら、金融政策の微妙なかじ取りを迫られている。(北京=多部田俊輔)

【図・写真】トヨタ自動車の中国合弁の販売店は値下げで拡販を進める(北京市)


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