★★★☆☆
【Amazonの内容紹介】
清少納言・藤原道長・安倍晴明……
想像を絶する貴族社会の奇譚・逸話が満載
鎌倉時代初め、源顕兼により編修された『古事談』は、
王道后宮・臣節・僧行・勇士・神社仏寺・亭宅諸道の
6巻から成る説話集。
後続の『宇治拾遺物語』『古今著聞集』にも
大きな影響を与えた。
好色譚「称徳天皇が道鏡を愛した事」から始まり、
貴人の逸話や故実・奇譚・霊験譚まで、
王朝社会の多彩な説話が満載。
清少納言・藤原道長・平将門・安倍晴明も登場。
70話を厳選し、原文・現代語訳と書き下し文に
解説を付した決定版!
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ビギナーズ・クラシックシリーズの新刊。
紙書籍で購入。
しょっぱなから称徳天皇の自慰という下ネタ全開な
トピック。
しかしながら、本としての作りは
このシリーズにしてはかなりお堅い印象。
説話はいろいろと人物や背景の説明が必要になるのも
あるだろうけれど、いろんな説の紹介や、
小右記や江談抄といった元ネタとなった書物との
内容の比較など、「かっちり」してる。
古事談をまとめたとされる源顕兼が、注として
「この設定、おかしくない?」「間違いじゃない?」
とツッコミ入れているのがおもしろい。
「行く」を「ゆく」と読むか「いく」と読むかは、
地方による違いだったのか。知らなんだ。
このシリーズの表紙、読む前に見ると
わけがわからなくてシュールなんだけど、
本編に出てきたアイテムがちりばめられていて
おもしろいね。
【メモ】
・道長から頼通への相続は
「藤原氏の成立以来、嫡子が後を継いだはじめての事例」。
P.102
・法住寺合戦「法皇や天皇そのものが攻撃目標となり、
完敗したという点で、日本史上、画期的な意義をもつ戦い」P.240
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