おもしろかった。 この作者どくとくの作風が女のこわさみたいのをきわだたせている。
殺人なんだけどミステリーではない不思議なこわさ。 ご都合主義なつじつまの合わせかたも不思議ときにならない。
前作の告白同様、語手を代えて話をすすめていく連作物。
小学校のとき殺された少女の友達4人とその殺された娘の母親という5人の語手が彼女なりの殺人事件の経験をかたっていきます。
でも、過去の話だけでなく、現在の彼女たちの境遇をおりまぜての告白。
この作者は小学校の先生だったのか、もしくは家族に教師という職業の人がいるのかとおもわせるほど、教師という職業にこだわっている。
告白でもそうだったが、今回も4人のうち一人がおおきくなって小学校の先生になり、その立場から過去の殺人事件をかたっていく1章がある。
この人のかく先生像というのがナマナマしいのだ。モンスターペアレンツなるものから脅迫まがいのプレッシャーをうけ、生徒はずうずうしく、いろいろ大変な職業である。
そういうプレシャーのなかで仕事をしている先生の心情がよくかけている。 この本にでてくる先生もその一人。
不法侵入者から子供たちを助けたのに保護者にたたかれ、PTAのつるしあげ総会にだされ、この先生の言ったひとこと"あんたたちの子供なんて助けるんじゃなかった"
おもわず深くうなずいてしまった。
大変よかった。ぜひぜひ図書館でかりてみて。