私の図書館

主に読んだ本の感想。日常のできごと。

北村薫の"街の灯"

2007年07月13日 04時45分09秒 | 歴史/時代物
高村薫と北村薫。私はこの2人を時々間違える。この本も高村薫と間違えて買った。
高村薫は"マークスの山" "照柿""地をはう虫" "神の火"などを書いた人。北村薫は"ターン" "リセット" などを書いた人。どちらこというと、高村薫のほうが有名だと思う。私は昔北村薫の本"リセット"を古本屋でかって、あまりにつまらなかったので最後までよみきれず,また古本屋へと売りに出した。なぜつまらなかったかとか、話の内容とか全然覚えていないけど、北村薫の本には要注意と思っていた。しかし、その後高村薫とごちゃごちゃになり、この本を買った次第。

"リセット"のことはなにも覚えていないので、比べようがないけど、"街の灯"はよかった。あまりによかったので最後までよんでもまだ高村薫の本だと思い込んでいた。 "へーえ高村薫はこういう本も書くんだ"と感心していた。誤解がとけたのはそれから数日してから。

この本設定が昭和の初期、戦前。私は大正、戦前の話が好き。ノスタルジックなのとあと戦争がもうすぐ始まるとしっているから、全てがはかなく見えるので。特に戦前にしかいなかった華族階級の話など興味がある、滅び逝く前の全盛期ほどはかないものわない。しかも、それを知っている(感ずいている)人たちが話をもっと悲しくさせる。 この本も華族のお姫さまたちと同じ学校にかよっている少女が主人公になっている。この娘は華族ではなく成金。この少女と謎の運転手ベッキーさんが事件をとき明かすながれになっている。お嬢様つきの運転手ベッキーさん、女だてらに車を運転する男装の麗人。この本ではその過去には一切ふれていないがかなり謎の人物。
1冊に短編が3っ入っていて、軽い謎ときの話。ミステリというよりもっと昭和初期の時代や文化、背景などを楽しむための本。この続きが最近でたばかりの "瑠璃の天"。