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主に読んだ本の感想。日常のできごと。

よしながふみの"大奥"

2007年07月11日 06時04分24秒 | マンガ
大奥というと女の世界とおもうかもしれないが、この"大奥"実は男女逆転の大奥。
春日局の時代に男しか感染しないという疫病が流行り、綱吉の時代になるころには日本の男子の人口は女子の人口の1/4まで減った。なので、ほとんどの仕事は女が担い、家督も女子が受け継ぎ、男子は貴重な種馬として貸し借りまたは売られるような存在になった。という結構奇抜だけどなんか現実性のあるセッテイング。そんな男子が貴重な世の中、大奥では美男子3000人が将軍(女)に仕えている。その将軍もなくなり、次期将軍の綱吉(くどいようだけど、これも女)が幕府の財政立て直しのてめ、大奥縮小に取りかかる。ちなみに、江戸城の表の役人、老中とか奉行所の人とかみんな女。そんななか、綱吉はなぜ女には2つ名前があるのか(例、綱吉/お信)、なぜ外国の使者に謁見する時は男装しないといけないのかということを疑問に思い始める。

1巻はここではなしがおしまい。綱吉は準主役みたいなのだけど、その後の話の鍵を握っているので、後半は綱吉が主体で書かれていた。実におもしろかった。
2巻では時代がさかのぼり、春日局のころ。ちょうど疫病が流行りだしたころで。いろいろな意味で世の中が混乱しており。大奥もその制度を変えようとしているところ。 その混乱にまきこまれたお坊さんと将軍(女)の話。1巻は綱吉の性格がサバサバしていて、読んでいて楽しめたけど、2巻は世の中が混乱していることもあり、将軍(女)も春日局のあやつり人形のようになっているので、かなり読んでいて悲しくなる。

まんが(初めにいうの忘れたけど)とは思えない充実感。620円と漫画としては高めだけど、その価値あり。よく、漫画が値段をたかくするために大判、豪華な装丁、カラー という余計な装飾をくわえてあるけど、これは620円で文句なしに売りに出せる品。
難をいるなら、出版されるのがすごく遅い、1年に1冊のペース。