3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

このブログは引っ越しました!引っ越し先は…「とある思索の集合演算」と検索してみてください。よろしくお願いします。

ヤフオクに目をつけろ!

2005年08月30日 | □今日は休日

えー…休みの日に書いたので、お休みモードの文です(笑)

Yahooオークションが好きです。中古も中古、打ち捨てられる直前くらいの
オートバイを安く買って来ては直して乗り回す趣味があるものですから、
部品やら何やらを探すのに重宝しています。

Yahooオークションが世に登場してから思い知らされたのは、徹底的な
市場原理です。平たく言うとモノには値段なんか無い、ということですね。
これを言うと、原価計算に追われ、コスト圧縮会議に日々出ている方々からは
叱られてしまいそうですけど、だって、そうなんだもん(笑)

Yahooオークションには、この世の経済原理が純粋に働いています。
「欲しいものは少々高くても欲しい、いらないものはタダでもいらない」
これです。そこは、残酷なまでに欲望と値踏みの原理が支配する世界です。
価値はコストの積み上げでなく、最終的には欲しい人々が決める…
分かってはいても、これほどあからさまに実感する場所も少ないでしょう。

逆に…原価計算も期間短縮も、もちろん終わりの無い大命題であることに
疑いの余地は無いのですが、やっぱり「欲しい!」と思われる商品づくり
こそが、本質なのだよなぁー…と強く感じる機会でもあります。

バイクのような趣味の世界であれば、なおさら。
「こんなのでいいの?」という部品が結構な値段で売れたり、
「うわ!どこにも無かった部品がこんな安値で!」と、いうことも日常的に
あったりします。
それは、Yahooオークションのような、何百万人もの人々に広く知られる媒体が
なければこの状況は成立しない…つまり、「場」が価値を創り出したとも言える
わけです。知られなければ鉄クズ=無価値だったわけですから。
うーむ勉強になるなぁ。

もしYahooオークションなかりせば、単なる鉄クズとして処理されてしまって
いた部品に、ナンとまぁお宝価格が付いて取引される(こともある)…
この衝撃ったらないです。もう10年早くYahooオークションが一般化していた
ら、どれほどの部品が救われたろう…と思うと、ちょっと悔しいほどです。

で、写真ですが。
知ってるひとは皆知っている。モトコンポです。行き着けの床屋の兄ちゃんが
実家から送ってもらい(宅配便で!)、全く乗らずに置きっぱなしになっていた
ものを、「 Yahooオークションに出してあげるよ」という事で預かって帰り、
売り飛ばしました(笑)髪を切りに行った帰りに、普通のセダンの後部座席に
ほぃ、と乗せて帰れるあたり、コンセプトどおりですね!

外装を外して、キレイに洗って、ちょっとプラグを見て、キャブの掃除をして…
バッテリーは特殊なサイズだったので手を付けず(バッテリーが死んでいても走り
ますね、この設計は)ギアオイルを替えて、2ストオイルを足して、エアクリーナ
ーを掃除して…オイルポンプもちょっと調整しました。タイヤは意外と大丈夫、
空気圧だけ見て調整します。

元気にエンジンがかかったので、ちょっとだけ乗り回して安心して売りに出した…
というわけです(乗ったのは駐車場ですよ、公道じゃないですよ)
今回は、本気でヤルのは止めました。やっているうちに情が移って、売れなく
なってしまうからです(笑)無事オークションが成立して引き取られて行くとき、
「マニアな人で、オマエ良かったなぁー」とか声をかけてしまうあたり、もう情が
移りまくってるんですけどね(笑)買った人、3台持っているそうです、モトコン
ポ。幸福なハードウェアが、また一台生まれましたとさ。

バイクを家に持って帰ると、子犬を拾って来た子どもような目に合うので(笑)
ちょっとビクビクしながらの趣味です。


誰が最後に得したか

2005年08月25日 | □CAD/CAMな日々

工業デザイン…
この話題はツライものがあって、周囲からは「スキでしょ?」と思われているの
ですが、実はワタシ意外と普段話題にしないのです。

以下、「デザイン」にまつわる典型的な会話です…

「今度の○×(新車など)格好いいよなー」

「そうかぁ?オレ、前の方が良かったけどなー」

「だったらオレ、○△の方がずっと好き」

「えー、ああいうのが好きなのー?オレ、きらーぃ…」

…これ以上の会話にならねーんですよね(笑)どうでもいい会話ですワ、ええ。
このテの会話は、「クルマ好き」とおぼしき男性同士では非常によくあります。
年齢は関係ないです。まるでコドモの会話ですよね(笑)
こういう話題には、ワタシ入りません。ニコニコしながら行く末を見守っています。
大抵並行線か、気をつかって片方が合わせるね(笑)たまたま嗜好が合うと、
「あれ、格好イイよねっ、ねー!」…終了~(・Д・)
と、女子中学生のような会話になったりもします(笑)

スキからキライか、まぁまぁか?… どうしてもデザインにまつわる話題はこれに
終始してしまって、広がりが出ないんです。

でも、スキかキライかは別にして、
「どうしてこのモノは格好良く見えるのか???」という結論の出ない(笑)考察は、
大好きです。

・なぜにクルマは姿勢が低い方が格好イイのか?
・どうしてクルマはタイヤがでっかい方が格好イイのか?
・どうして曲面が無いデザインは生まれにくいのか?
・ハイライトラインと格好イイの関係は、果たしてあるのか?
・フォーミュラワンの車両は、果たして格好イイと言えるのか?
・同じクルマが違って見える条件とは?
・などなど…

こんな、結論の出るわけも無い話をサカナにお酒を飲むのは…とっても好きです(笑)
結論が出そうにないだけに、根拠の怪しい「珍説」も飛び出して、こっちの方がよほど
話題としては、楽しい。

「やっぱりさぁ、イタリアは光だよ!日差しが日本とは違うから、陰影に対する
意識が違うんだよねー…」
とかね(笑)ワタシがイタリア行った時は、雨降ってましたけどね(笑)こういう
思い込みは、それはそれで楽しい。正解は、ないですけどね。

スキ・キライで盛り上がってるのは、すぐに飽きちゃいます。
その先の「なぜ、そう見えるのか???」には、とても関心があります。
あと、中身が外観に与える影響… とかですね。これは、とっても興味深い。

逆に、ダイレクトに格好=機能というモノも世の中にはありまして。
その典型が、航空機とレース車両です。航空機には、いわゆるコスメティック・デザイン
(スタイリング)への配慮はほとんどありません。レース車両の場合は、機能の前に規則が
与える要素が大きいですから(規則の範囲中で機能を果たすわけですね)これはもう直接格好
に影響が出ます。クルマの印象に一番影響する、幅・長さ・高さ・車輪のサイズ・
車輪の間の寸法… こういったことが縛られるだけでも、かなり似かよってきます。

マクラーレンらしいね… とか、やっぱりフェラーリだよね… とか言う前に、
フォーミュラワンの車両規定を見ると、如何に範囲が狭く、似たような格好にならざる
を得ないか…が分かるわけです。昔は恐竜みたいなクルマがいっぱい走っていて楽しかった
んですけどね…今の規定ではその製造者らしさ…みたいなものがドカーン!と出るほど
規定は緩くないように思います。(細部は別ね)速いものは美しい…みたいな短絡的な
言い方もよくされますが、そう思わないですけどね(笑)速い、という事実が評価せざる
を得ないという状況を作り出し、見る目をそうさせるのかも知れないですしね。

で。結局…
デザインは、スキなの買っときゃいいんじゃない? ですかね(笑)
ワタシだってデザインには多少こだわりますけど、それをわざわざ人様に訴えても…ねぇー…
「買った!だって欲しかったんだもん!」というのが、清々しいじゃないですか(笑)
「買った買った、欲しかったんだ、うれしーぃ!」こういうのは、周囲を明るくしますわね。
デザイナーさんも、そういうのが一番嬉しいかも知れません。今度、訊いてみよう。
一度、イタリアのバイクメーカー、ドゥカティのデザイナーさんがコメントしていました。
「デザインの成功を予測することは、大変難しい。どの成功したデザインにもある程度の
幸運があったと思う…」
わかんないんだって(笑)いいじゃないですか。男らしい言い方です。

6番目の工具が下りるとき

2005年08月24日 | □CAD/CAMな日々

はい、本気(マジ)工場です。
写真は、NC工作機械がプログラムに従って工具を自動的に交換しているところです。
Automatic Tool Changer、ATCってやつですね。この機械は6本装備できます。
どうしてこんなことをするか?というと、切削加工の場合は、最初はガリガリと荒く削って
その後は細かく削って仕上げる…という流れなんですね。平たく言うと。
モノが金型であろうがモックアップであろうが、素材が鉄であろうが樹脂であろうが、一緒です。
最初から細かく削って行ってもそりゃ出来ますが、時間がかかってしまってしょうがない…
工具も痛みますしね。
で。荒く削るための工具(刃物)と細かく仕上げるための工具では直径や刃先が違うので
途中で交換…となるわけです。ごごーんと出てきて、プシューっと交換して、またぐぃーんと
動く様子は、結構格好イイっすよ(笑)格好もリボルバーみたいだし。
手で交換することも出来ますけどね。

それと、(まぁ一般的には)切削加工は一方向ずつ行いますから、ちょっと複雑な加工になると
裏側とか横とかいくつかの方向から削らないとイカンわけです。そうすると、素材を回転させる
必要も出てくるわけでして、素材側の回転も自動で行ったりする事もあります。

この工具の自動交換と素材の自動回転を組合わせることで自動化…つまり素材をセットしたら
機械をポンと入れて帰ってしまえば翌朝は出来てる… ということが理屈の上では可能になる
ってわけです。理屈の上では、ですけどね(笑)

ただ、現在でも実現できている「ある程度の自動化」も、やはりまだまだ世間で言う「自動」と
呼べるほどではありませんで… 例えば、キンコーズとかに切削加工機を置いてもらえる
(バイトの兄ちゃんにも任せられる)ようなものではないのが現状です。

実は、加工自体の自動化は結構進んでおりまして。実際に削る…という場面は意外
と簡単なんですよ。機械任せにできますからから。(っていうか、動き出したら手
が出せない…という側面もあるんです)その割には、工具の交換とか素材の回転とか、
素材のセットとか、位置合わせとか… そういう付帯的な手間は、あんまり変わって
ないんですよね…で、また、この付帯的な手間がすごく大事であったりもするんです。

本気(マジ)工場では、ここにも手を入れて行きたいと考えておりますです。はい。
これからの展開を、お楽しみに。あ。そんなにすぐには展開できませんけど(笑)


モノづくりを狙え!

2005年08月23日 | □CAD/CAMな日々

「モノづくり」という言い方が、割と脚光を浴びるようになって結構経ちました。
いわゆる製造業の総称として使われることが多いこの言葉ですが、包括的で
フレンドリーで、身近な感じもして、中々好感が持てるものです。

思えば、バブル期には理系の製造業離れやら、3K仕事離れやら、暗くなってしまう
話題ばかりが報じられて来ましたが、たった10年やそこいらでホントに変わるものです。
「3高男」とか、どこ行っちゃったんでしょうね?いまや「電車男」だもん(笑)

でもね。でもですよ。ワタシ、あまり好きじゃないんですね、この言葉(笑)
いや、正確には、「モノづくり」という言葉の出自が好きじゃないんです。

思い出せば、バブル期以降、低迷の一途をたどるかに思われた日本経済の中で、
意外や意外、技術力というものの持つ色あせない価値が、衰退していく金融や証券、
土地取引などと対比される形で、“相対的に”持ち上げられ、本来的にずっと変わらず
価値があり続けて来たにも関わらず、その他の産業の状況によって、貶められたり
持ち上げられたり… というように思えるのです。
まぁ仕方ないことなんですけどね…

丁度、プロジェクトXが流行ったからいきなり工学部の志願者が増えたみたいで。
工学部の価値ってものはNHKの番組とは関係なく、ずっとあるのになぁー…と
いうキモチです。あの頃、見向きもしなかったくせになぁー…と。

で。持ち上げるときの修辞として「モノづくり」、と。
この言葉には、そんな出自があるように思うのです。偏見かもしれませんけど(笑)
だって、わざわざ持ち上げなくてもずっとここにあって、ずっとすごかったじゃない、
モノづくり… それを今さらなんなのさ… と、いうキモチです。

前間孝則氏の著作など読みますと、本当に面白いです。ずっと、面白くあり続けて来た、
と思うわけです。

バブル経済華やかなりし頃、一体誰が「モノづくり」って言ってたでしょうか?
すごく少数だったと、思うんです。
我々の国のたどってきた過去と、現在置かれた状況を見れば、今までもこれからもずっと
変わらない価値と重みをもって語られるべきじゃないですかね? と。

もう、どんなに日本の金融が再生しようとも、あの頃のように製造業を軽んじるような
傾向にはなってほしくない… そう思います。
これは、商売ヌキの、ココロの叫びってやつです(笑)

実はワタシ、最近の若いコは結構好きです。(そりゃ色々ですけどね)
何と言うか、何でもかんでも揃った豊かさの果てに、チカラが抜けていて、
カタチを揃えなくても、「ちっとやってみっかー」的な感じもあって…
むしろ、道具とかお仕着せのスタイルとか、ポパイ的なモノ(うわ)ホットドックプレス的な
もの(うわわ)から自由になれている人が多いように、思えます(もちろん色々ですけどね)。

で。今日の写真ですけど…

『2005年のロケットボーイズ』 すごく良い小説です。わくわくします。
この前書いた映画の話… 「あぁ、先にやられちゃったな…」という感じです。
だれか!映画化を!!!

CAM屋はブルースを歌う

2005年08月19日 | □CAD/CAMな日々

はい、本気(マジ)工場です。
先日チラ、とお見せしておりました、高精度に作った“身のまわり品”です。
こちら、修正テープのホルダーなんですね。単にホルダーと呼ぶにはあまりに高機能で、
便利この上ないものです。こう、紙に押し付けてカリカリカリ…と白い修正テープが
出てくるアレです。PCとプリンタの普及で、今意外と需要が多い…なんてことを聞いた
こともある製品です。昔は液体で、ボトルに入ってて…倒して書類が真っ白…なんて
こともありました(ワタシだけですか…そうですか…)。

加工機とCAMの性能をお見せするために、CADの設計データをいただき、加工をしてみました。
素材は、硬めのケミウッドを選んでいます。
設計部門から試作を外部に依頼して…納品を待って組上げて…というプロセスが一般的ですが、
ちょっとしたものであれば、設計部やデザイン部の中で作ってしまいましょう…
という事が予算的にも設備的にも、そして一番大切なことですが、割と簡単に出来てしまう
時代なのです。試作にいくらかかるから…と計算してみれば、投資に対しての効果もすぐに
分かります。

今年の春に、ある企業さんから「加工と金型の基礎的な講習」をお願いされて実施しました。
新入社員さん向けの講習だったのですが、そこは本気(マジ)工場ですから、一番小さい
加工機を持ち込んで切削加工の実習もやりました。
その時、参加された新入社員さんがおっしゃっていた感想が、印象的でした。
「加工してみて、どうして3次元のCADを使っているかやっとわかった…」
スバラシイ。そうなんですね。3次元CADでの形状の定義は、製図に比べれば明らかに手間が
かかります。CADの操作自体も面倒です。でもそれは、製造行為自体の手間を省くために
3次元で定義している、という側面もあるわけですから、自分で加工をしてみることで
「このためにモデリングで苦労していたのか!あの苦労の元を取ったぜ!」というキモチになる…
って、次第のようです。はい。

余談ですが、時々「なんだ?その毎回々々不自然なタイトルは?」ときかれる
ことがありまして…(苦笑)
えー…タイトル考えるのが面倒くさいので、どこからか引っ張って来てちょっと
変えて使っているから不自然なんです。しかも時々苦しいです。スミマセン。
どこから引っ張って来てるかが分かってしまうヒト… マニアです(笑)
 

全員集合CAD/CAM作戦

2005年08月18日 | □CAD/CAMな日々

今すでにCADとかCAMとかお使いになっている方。
いつ、どこで、どうやって勉強しましたか?

ほとんどの方が、会社に入ってから研修を受け、仕事で使いながら…
先輩に教わりながら…買ったベンダーさんでトレーニングを受けて…
そうやって習得されたケースがほとんどではないでしょうか?

そうなんですよね。

CADもCAMも比較的高価な企業の設備である以上、そうやって習得するのが
一般的なのも当然だと思います。
でも、それしか道が無い…というのも、どうも淋しい気がします。

この話題になると、CAD/CAMを生業としている人々からは
「CAD/CAMはコンシューマ市場ではない」という分かりきった(笑)意見が出てくる
のが一般的です。そのとおりではあります。よーく分かってます。

しかしどうなんでしょう?世の中に無いのであれば、作ってみようか…という
キモチも出てくるわけでして。今日の写真は、本気(マジ)工場で発行しています、
3次元CAM加工の入門書、その名も『削ってみよう!』です。ええ、個人向けです。

入門書ですので、カンタンです。基礎的な知識も読み物になって収録されています。
迷わないように、Roland D.G.製加工機とCraftMILLを題材に、豊富な写真と一緒に
そのとおりやれば、そのとおり出来る… という本になっています。
初心者に一番大事なことは、それをなぜやっているか?その行為が何を意味し、
どう効いてくるか?という全体の流れを理解していただくことだと考え、
通してやってみれば全体像が分かる、という構成になっています。

確かにCAD/CAMは企業の設備です。
しかし、「これやりたい!」と思うキモチは、意外と会社の論理や効率化とはちょっと
違う場所にあって、上司に命じられた訳でもないのに、一人コツコツやっている間に
それが仕事に役立っている… ということだって少なくないと思います。

おおよそ加工機やらCAMやらとは縁がなかった、デザイン部や設計部の中にも、
「これやりたい!」と思い立って、CAMでの加工を始める方も、意外に多いのです。

むかーしむかし。まだパソコンなんてものが、会社でも一人一台になっていなかった頃。
居ませんでしたか?ボーナス突っ込んでMac買っちゃった人…?
会社のシステムとは別に、自分のパソコンで表計算してた人…?
パソコン通信…ネクラ~(最近言わないね)とか言われていた人…?
その時、周囲の人はそれらが後々企業活動にもたらす衝撃を、まるで分かっていませんでした。

今、どうでしょう?みんな毎日“パソ通”してるよね(笑)

デザインや設計部署で、自分には関係ないかも…と思っている事であっても
「これやりたい!」といって始めちゃう人。そう、あなた!
そんなあなたの時代も、スグに来るかも知れません。

会社といっても、人が集まったモザイク模様みたいなものですから。
新しいことって、結構個人の意思と情熱から始まっているものなのかも知れません。

本気(マジ)工場では、CADもCAMも加工機も、何にも持っていなくても受講できる
“モノ作りセミナー”もご用意して、「これやりたい!」をずっと大応援中です。

真実は真実を呼ぶ

2005年08月17日 | □CAD/CAMな日々
 
はい、本気(マジ)工場です。
「CG(ポリゴン)から…」に色々とご質問をいただいております。
ブログに書き込まれる方よりも、本気(マジ)工場に
直メールをいただくケースが多いです。で。
一番多いのが、「作ってるとこもっと見せろ」で、ございます。
はい、スミマセン。
次は「デリングの考慮点とは具体的にナンだ?」です。
ごもっとも。
是非、本気(マジ)工場のホームページで事例をご覧ください。

今回Shadeを使ってやってみているのですが、他のCGツールであっても
同様の結果を得られるものと、考えています。
“CG(ポリゴン)から作ろう”と表記しているのは、そのためです。
で。
全く知らなかった人からは
「へぇええええ、CGから出来ちゃうんだー!」
という驚きの声が一般的でして。
よくご存知の方々からは
「だって、ポリゴンでしょ?モデルが精度が寸法が金型には…云々」
という感想が一般的ですかね(笑)

でも。
世の中にあるCAMと呼ばれるソフトウエェアの大半が、CADの形状を読み込んでから、
形状をポリゴンに近似変換して、その上でツールパスを生成しているわけですから
(知ってる人はみな知っていることですね)そもそもポリゴンで読み込んだって、
同じ事って言えば同じ事なんですよね。原理は。
「ポリゴン=イカン」というのであれば、大半のCAMソフトはイカンとなってしまうのです。
本質的に大事なことは、「目的に対して、その方法だと仕上がりがどうか?」
でありましょう。

事実、高精度を要求されないプラスチック成形品や、玩具などの世界では、CGで作り、
ポリゴンのまま試作し、ポリゴンで金型の形状面を作っている場合もあるのです。
なぜか、といいますと、わざわざ高価な3次元CADを揃える必要がなく、CGの方がユーザにも
馴染みがあるから、ですね。

CADの世界の理解だけでは分からなかった事が製造にはあるみたいです。
3Dデータの一気通貫とか、シングル・データベース、とかいう表現が盛んにされていた時でも
(あったねぇ)CADのデータは一度IGESに変換され、さらにポリゴンに近似されてから加工される…
というのは変りませんでした。…実に興味深いことです。

今となっては、コンカレントもサイマルテニアスも一気通貫もシングル・データベースも
あまり語られなくなりましたが、3次元CADを売る・買うときに最も持ち上げられたこれら
の理由に対して、CAMにはIGESで渡し、CAMの中ではポリゴン近似に置き換えられてから
ブツになっていた… という事実について、どうして誰も語って来なかったのでしょう?

設計部門は図面・3Dモデルを手放した時点で一旦関心が薄れ、
製造は製造で、原理や手法ではなく、結果としての仕上がり(より後の工程)が全てであった
から、というのがワタシの仮説であります。現状上手く行っているのであれば、誰もその事象の
分析なんぞしないものです。はい。

実は、将来的には(非常に微細な)ポリゴンこそが、形状定義という本義においてその
進化を事実上止めてしまっているCADシステムの、ブレイクスルー・ポイントになるの
ではないか???なんて、思ってるんです、ワタシ。
だって、今の3D CADの原理なんて何十年も前から一緒ですからね…ここいらで、何か
夢を描いてもバチは当たらないでしょう。現在のフィーチャパラメトリックが到達点だなんて、
淋しい限りじゃないですか。

あー… なんか難しい話でスミマセン…

あ、ちなみに。
本気(マジ)工場自慢のCraftMILLは、NURBSで読んだ形状のNURBS面に直接ツールパスを
生成していますから、仕上がりはとっても美しいのです。ええ、自慢です(笑)
NURBS形状にはNURBSで、ポリゴンで読めばポリゴンに、ツールパスを生成するんです。
理にかなっております。

今日は結構難しい話&宣伝でした(笑)

雨の午後はスバヤイゼ

2005年08月16日 | □CG(ポリゴン)から作ろう

さて、ポリゴン編です。

これなら、Shadeで作って、試作、実際の形状を手に取ってやり直し…
というサイクルも、大変スピーディに行うことができますね。
軟らかい素材でガリガリ作って、カタチが決まったら硬い素材で
美しく作ってプレゼンテーションに使う…というようなこともできちゃいます。

結論から言って、CG(ポリゴン)ソフトで作成した形状データは、
CAM(製造)に使えます。これは明言できます(ここまで見せたら疑われないと
は思いますけど)。
実は理論上も、実例としてもずっと分かっていた事で、とりたてて
打ち出して来なかっただけだと言えますが、その手法、特にCGツールの
中できちんと加工向けの形状データとして成立させる手法が世間に
伝えられていないこともあり、本気(マジ)工場では、ここのところ熱心
にやっています。

すでに「できるかな?」ではなく「ええ、できます」という領域です。
以下に、ポリゴンから作る場合の考慮点(問題点、というほどのものでは
ありません)を列記しておきます。

<技術的な考慮点>
CGから作るには、モデリングするときに加工まで利用することを前提として
いくつか配慮しなければならない事があります。決して難しいことではありま
せんが、レンダリング目的に一歩加える必要があります。
これは、CGツール(今回はShade)の機能の範囲で行う事が可能です。

CGである以上、CADのような仕上がりは求められませんが、これは、
どこまでを求めるか、という点だけでしょう。

それと、ポリゴン形状にそのままツールパスを走らせますので、
「ポリゴンスムージング」と呼ばれる、読み込んだ時よりもさらに細かいポリゴンを
自動生成させ、その上にツールパスを発生させるCAMの機能が無いといけません。
これは、CAM側の機能です。これによって、仕上がりに大きな差が生じます。

最後にポリゴンの要素数です。ポリゴンのパッチ数によってデータが非常に
大きくなります。これによって形状の読み込み、パスの生成に影響が出ることが
あります。本気(マジ)工場自慢の『CraftMILL』は、実際のベンチマークの結果、
業界最高レベルで大容量のポリゴンを読み込み、計算することが実証されました。
ご安心ください。


<環境としての考慮点>
CGのデータを加工する、と言っても『CraftMILL』と加工機のセットで最低でも
100万円少々はかかります。大きいモノを作ろうとすれば大きい加工機が必要になり、
もっとかかります。
企業にとっては、外部に委託していた試作費などと比較すると劇的に費用対効果を
出すことが可能ですが(これはもう、すぐ出ます!すぐやりましょう 笑)個人や
個人事業者ではやはり高価かもしれません。


<ではどうするか?>
本気(マジ)工場では、早い時期に「Shadeから作ろう」講座や、メディアでの
露出を行い、この手法を広くユーザ様にお伝えして行く準備をしています。
従来の「モノづくりセミナー」同様、入門ユーザ様には非常に安価な講座をご用意
して、間口を広げる環境作りを行う予定です。
そして、
本気(マジ)工場の講座で加工方法を学んだお客様には、実際の加工業者さんを紹介する
ような仕組みも、検討しています。
加工に配慮したCGモデルさえ作れば(又は今あるモデルを少々直せば)試作屋さんが
試作してくれる… という具合です。

設備は無いけど自分でやってみたい…という方には、本気(マジ)工場で加工方法を学んで
いただいた後、本気(マジ)工場の設備を時間でお貸しするなど…環境づくりについても
いろいろと検討しています。

CGなみなさん、作れますよ(笑)

詳しくは、本気(マジ)工場のお仕事ホームページにて。
お楽しみに。

七代目川崎登場

2005年08月14日 | □今日は休日
 
さて本気(マジ)工場も夏休みです。
今日は、先週ツーリングに行ってきた後片付けです。
テントやらシュラフやらを陰干しして、洗車をします。

最近のオートバイは、表面処理や塗装がとても良くなっているので、新車の
時からワックスを塗りこむような野暮はしません。やわらかい布に洗剤の
泡をふくませて、手で洗っていきます。軍手をして、その手をスポンジ代わり
に狭いところへも指を入れて洗います。外装品のキレイな塗装面から始めて、
排気系・エンジンに行き、前輪と足回り、最後に後輪とその周辺へと移ります。
土や砂が付着していない順ですね。ブラシを使ってゴシゴシするのは、ブレーキ
ディスク。ここは、オートバイで真っ先に錆びます。ディスク自体が錆びるのでは
なく、パットのカスが錆び、それが錆びて固着してしまうようです。ゴシゴシ…
最後にちょっとエンジンを回して、風通しの良い日陰に
置いておきます。おっと、夏のツーリングにつきものの、ラジエターコアに
張り付いた虫の死骸も、「うわぁーゴメンなー」とか偽善的な(笑)ことを言い
ながら取ります。

オートバイに乗るときのクツを変えたので、ちょっとブレーキペダルの
位置が合わなくなり、ついでに微調整。
何台も同じメーカーのオートバイに乗って、レストアしたり、その都度整備
したりしていると、メーカーさんのクセ、みたいなものが目に付いて楽しい
ものです。
単に設計を流用していたり、「そうするべし」というスタンダードが
あったりするのがその理由なのでしょうが、こちら側からはそれが「クセ」
に見えたりして楽しくなります。

「あーはいはい、あれと付け方一緒ね」
とか、時には
「おぉっ?あの付け方止めたんだ。へー」
なんて、思うわけです。
このブレーキペダルの調整は、20年近く同じ方法でした(笑)
非常に小さいワリピンを使うのですが、そこはそれ、工具箱には何種類もワリピン
が入っていますから、慌てません。外したワリピンを伸ばしてもう一回…なんて
野暮もいたしません。

こうやって機械をいじっているとき、設計したり作ったりした人達の思考や
都合(笑)に耳を傾けているようで、とっても楽しいと感じます。


エントリーのチャンスは一度

2005年08月11日 | □CAD/CAMな日々

さて、材料(ワークなんて言ったりしますね)を測って切っているところです。
ブログでお見せするなら華やかな切削加工の仕上げあたりをお見せしたい
ところなのですが、いわゆる段取りと呼ばれるここらへんの仕事は
とっても大事みたいです。これは発泡材なので、それなりに切りやすい
みたいですけど。

たいてい身の周りのモノ、例えば家電などは平たい形状が多いのです。
そんなに高さはありません。しかし、乗り物やそれにまつわるモノは、
そうも行きません。例えばヘルメット…人の頭より一回り以上大きいほぼ球形の
形状ですから、立てようが寝かせようが、高さ方向が出てしまいます。
そうなると、そのまま加工機で…とはいかない時も出てきます。
それができるのは、相応に大きな(高額な)加工機…となるわけです。
だから試作って結構いい値段がするってわけです。設備投資もそれなりにかかり
ますからね。

本気(マジ)工場のお客様でもこういう高さがあるモノを作られている方が
いらっしゃいます。で、Z方向がデカい加工機があれば良いのですが、そうでない
場合は…そうです、分割して削って後で組合わせるのです。

もちろんこれは、そうやって作る事が許されるモノや、製品になる前のある段階
に限られますが、そうやって後から合わせることもやります。
昨日の話とも重なりますが、結局手は入るんですよね。手が入る以上、上手い・下手、
丁寧・荒っぽいは、必ず出るということです。そうなると、手の仕事の良し悪しは
試作などにずっと影響し続けることになります。
CAD/CAMと加工機だけあれば同じモノができるか?というと、そんなことはあり得ない、
というのが分かります。(ある一定のレベルまでは、できます)

手仕事、大事です。

ブログをやっていて気づくのは、お客様からいただいたデータや、加工した結果を公表
するには、やはり結構気をつかう… ということです。よくお客様から
「事例を見たい!」というリクエストを頂戴し、全くそのとおり、お見せしたいのは山々…
とも毎回思うのですが、そういうお客様に逆に「公表してもいいですか?」とききますと、
まぁ、大抵は断わられてしまいます(笑)

で。
精一杯近かしい事例をお見せしたとしても、
「そうだよ!こういう事例が見たかったんだよ!そのとおり!」と言っていただけることって、
まずないんですよね(哀)
それだけ製造業は各企業さんによってやり方が違っていて、その違いこそが競争力に
なっている、ということなのでしょう。
人のは見たい、自分のは見せられない。よくある話なんですけどね(笑)

本気(マジ)工場のように、製造業のお客様に何社も何社も会わせていただいていますと、
「ホントに会社さんによってやり方、呼び名が違うなぁ~…」と思うことが多いです。
面白いのは、お客様は意外と他のお客様の事情をご存知ない、ということです。
製造業から製造業に転職された経験のある方、そう思いませんか???
寸法の取り方、工程の呼び名、工程の順番…結構違いますね。
まぁ、だから事例、というご要望にもなるのは、とってもよく分かります。
本気(マジ)工場では、お客様からの事例はいつでも大募集中です。
御社のスバラシイ仕上がりを、本気(マジ)工場のホームページでアピールしてみては
いかがでしょう?もちろん、本気(マジ)工場のCAMのお客様に限ります(笑)

で、この切っている発泡材は何になるか?といいますと…あるメーカーさんが出している
家庭の水周り製品だそうです。これもすでに販売されている製品のデータから作ります。
またCG(ポリゴン)からの加工になります。CGの場合は、素材集的な3Dデータが多く出回って
いて、(その素材を使って、浴室などのCGを作ってもらえるように…ということですね)
それの使用法についてはユーザにオープンにされているケースが多いので、
気兼ねなく使うことが出来、大変助かります。CADはそういうマーケットじゃないんですね。
そこから作るのが前提ですから。CGは、そこから作る、という前提が無いということの
あらわれなんでしょう。
CADの形状データも色々なモノが出回っていると、サンプル作りもラクなんですけどねぇ~。

さらば愛しき論理

2005年08月09日 | □CAD/CAMな日々

本気(マジ)工場はCAD/CAMのソフトウェアを生業としていますが、工具箱があります。
CAD/CAMソフトウェア屋さんでは、珍しい光景だと思います。今日の話題は、工具箱が
あるソフト屋さんの存在を、「へえ~…」と思う人に向けて書きます。

もちろんこれは、私たちがNC工作機械を使ってある程度の機械加工を行うことで、
ベンチマークや、加工機の操作トレーニング、希に加工そのもののご要望に
お応えするためです。加工機を使って、毎日何かしら作っています。
コンプレッサーの音が響くソフト屋さんなんです。

さて、工具があるということはどういうことか、と申しますと…
それは、加工機に工具をセットしたり、材料をクランプで止めたり、
要するにネジを締めたり緩めたりするからです。総じて「段取り」なんて呼ぶようです。
ネジを締めたり緩めたりする… ということはどういうことでしょうか?
それは、人の手が介在する、ということです。当たり前ですね…
でも、この当たり前の事が意外と理解されていないのです。特に、設計やデザインの
人達には。

さて、人の手です… 材料を加工機に固定するのも、工具を加工機に取り付けるのも
人の手です。全ての位置の調整もします。当然ですが、慎重にやらなければ位置が狂います。
しかも、平気で何ミリ、という単位で簡単に間違います。狂わないような工夫も技術も配慮も
そこには当然あります。

あれ?これをモデリングした時、一体どれくらいの精度で作ったでしょうか?(笑)

例えるならば、3DモデルはPCという母胎の中で、データの変換や論理の連続性という
へその緒でつながって存在しています。ところが、いざ設計が終わり、3Dモデルが加工機に
送り込まれた途端、まるで我々が母胎から世界に放り出されたように、今までの論理と数式と
データ変換で関連付けられた世界から現実世界に放り出され、工場のオッサン(失礼)の
指先ひとつに委ねられるのです。正に、不条理。これを不条理と言わずしてなんと言いましょうか。
(おお、哲学的であります!)

この事実は、当たり前と言えば当たり前ですが、日常気にせずにCADでモデリングしている
人にとっては結構ショッキングな事だと、ワタシは思います。
CADで一生懸命定義した1/100は、オッサンの指先でどうとでもなってしまうのですよ、と。
あなたがアタマを悩ませて決めた1/100は、指先の動きひとつで真実にも虚構にもなって
しまうのです。ここがモノづくりの不条理であり、醍醐味でもあります。

本気(マジ)工場にある工具の存在は、正にそれを表しているのです。
そして、ワタシたちのお客様は、みんなそういうお客様ばかりです。

当たり前と思う人には、あまりに当たり前なお話でした。

上司と呼ばれた男

2005年08月06日 | □今日は休日
 
この土日は、オートバイで旅行に出ているため、ブログはお休みです。
ちょっと面白い写真だけ、載せておきます。
ポプリ…って言うんですかね?色々な香りの効能があるらしいです。
しかし…もうちょっと婉曲な表現にならんものか?と、思うのは立場ですかね(笑)
逆の立場へは、これくらいダイレクトに効能を謳う方が「ぐっ」とクルのでしょう。

世の中の「上司」と呼ばれるみなさん… 頑張りましょうね。

  

理科系は燃えているか・・・・?!

2005年08月05日 | □CAD/CAMな日々

映画が好きです。正確に言うと、映画を作る・演じる側の人達の事情や技術、
制作される背景に、ずっと興味があります。おカネの集め方とかも。
昔フジテレビの深夜枠で放送していた、宝田明出演の『アメリカの夜』
(同名の映画作品が番組名の由来でしょう)がDVDになって発売されるのを
心待ちにしているくらいです。気に入った映画は、作品自体よりメイキングの方を繰り返し
見たいと思ってしまいます。

ワタシは、経歴がいわゆる文科系なんです。よく誤解をされますが、文科系です。
中学3年の時に高専を受験した、という振り返りたくない過去はありますが
(ええ、落ちましたとも)文科系です。

さて、理科系な映画というと…これがなかなか思い浮かびません。
いわゆるSFと呼ばれるジャンルは、どうにも「理科系」な感じがしないからです。
昔々、テクノジーと人間の関係が輝いていた頃(実はすごく短い期間でしたが)のSFと、
現在のSFではその立ち位置がまったく違ってしまっているように思うからです。
だって、今やSFを見ても未来を感じる事はなく、ファンタジーやドラマツルギーとしての、
ある種の手法を感じることの方が多くはないですか?
SFにしておけば、これもOK、あれもOKという了解が取り付けやすい…というか。
アクションのお膳立てとしての装置化している、というか。
まぁ、それを楽しもうぜ!というのが今のSFだ、ということかと思います。
社会の変容が、当然SFというジャンルにも影響しているのでしょう。

・『マリリンとアインシュタイン』
・『バック トゥ ザ フューチャー』(Docの存在だけね)
うーん…

その中で、面白いか面白くないかは別にして、ああこりゃ理科系のセイシュンだワ、
という映画があります。
・『ロボコン』
ガンツ先生に0点もらうヤツではありません。ロボットコンテストに出場する高専生の
セイシュンを描いた作品です。今をときめく長澤まさみ(南ちゃん役はどうかと思うんですよね…)
も、なにか間違ったように(笑)出演しています。

某CAD会社もスポンサーになっているようで、これにはちょっと感心しました。
企業の文化活動は、大事です。うん。これに懲りず続けていただきたい。

さて、この作品。映画の出来云々については…置きますが(これだけ前置きすれば、ねぇー…)
理科系のセイシュンを描いた非常に珍しい一作です。

セイシュン・友だち・文化祭(試合)…とくれば、
ちょっと前には『青春デンデケデケデケ』、『シコふんじゃった』、最近は『ウォーターボーイズ』、
二匹目のドジョウで『スウィングガールズ』、今年は『リンダ リンダ リンダ』(スキ!)…
この手の王道セイシュイン映画は大抵体育会かバンドなんですが、その理科系版なんですね。

映画の楽しみ方は、人それぞれです。全体の物語の展開にこそ!という人も居れば、とても断片的な
シーンひとつに感動する人も居ます。え~…前者にはお勧めしかねます(笑)

本作は、ちっとも燃えない、全編通してなんとなくシラーっとしてる、でも何か
「あーこんな事もあったかなぁー…」なんていう、大いなる誤解をさせてくれる作品です。
ツメエリの感触を思い出す…ってヤツですかね。

「そうそう!オレもこういう事あったよ!」という素敵な誤解をさせてくれるのが
セイシュン映画の命ですから、もしかすると本作は理科系のセイシュン心の琴線にちょっとだけ触れる
ことができるかも知れません。

ワタシだったら、もぅ燃え燃えの、これでモチベーション出ないでか!くらいの動機付けアリ、
あり得ないほど身のよじれるような葛藤アリ、トラブル続き、苦悩、大逆転、大団円!という
いかにも作り物な(笑)、ハリウッド王道時間割に沿った理科系セイシュン映画を作りたいなぁ…
と思ったりします。あ、プロジェクトXの高校生版、ってヤツですね。
でも『陽はまた昇る』はイケマセン。やはり高校を使わないと、ウェットになっちゃって…

本作に関して、高専に長澤まさみはいねぇー!という切実なツッコミだけはナシにしてあげてほしいと
思います(笑)…高専、行けなくてよかったかも…

刻の涙…は見えたか?

2005年08月04日 | □CAD/CAMな日々

えー… 「ナニ」です。説明いりません(笑)
Zナントカってやつですね。

本気(マジ)工場のお友だち兼お客様にお願いして、モデリング
していただきました。3次元CADでモデリングされています。

精度、高いです。トレンラス、きっちりしてます。
そういう意味では金型まで作れてしまうデータですが、作りません。
これは、趣味ですから。飽くまで趣味です。でもCGじゃないですよ、CADです。
アンダーカットとか、そういう話題はここではよしましょう(笑)
これ、IGESですけどねーとか、そういうことも置いておきます。

実は、こういうモノのモデリングはとっても難しい…というお話です。

ガンダムには、寸法無いです。そもそもが虚構の存在でして、
世界に「ガンダム原器」なるものがあるわけではありません。
ガンダム規格(G-スペック、G-スタンダードとかね)あるわけないです。
でも、「ガンダムはある」んですね…(すごい深~ぃ話になってきましたが)

付け加えると、スカートが大きくバーニアが多いと宇宙空間用か?とか、
ファンネルが付いてるとニュータイプのパイロットが… など、その道の了解事項や
独特な修辞は沢山あるようです。

どうやら「ガンダムってこうだよね」という共通理解が広く、そしてとってもしっかり
出来上がっている… その共通理解によって認知されるのであれば、それはガンダムである…
というのが正解だと思います。
実はすごく難しいんですよ、こういうモデリングは。だって、仕様とか、規格とか一切無い上で、
カタチとして世間一般に了解されなければならないのですから。

簡単に言うと、雰囲気ってやつです(笑)マンガのキャラクターに共通していますが、
それは言い換えれば「アイコン化されたモノ」ってことです。そのモノの形状プラス、
そのモノがまとっている(まとわされている)様々な記憶やイメージと混然一体となって
認識されているわけです。で、そのモノが出てくると、周辺の説明がいらないという…
まさにアイコン。

優れたデザインが何たるか?みたいな話はツラいので避けますが(笑)
少なくとも、アイコン化されるに至ったデザインは、繰り返しの消費に耐える非常に
強靭なデザインだ、という事は言えるように思えます。
クルマで言うと、ワーゲンのビートル(なんとまぁまた映画に…)昔のベスパ…
ハーレーダビッドソン…なるほど…

「どこにもないけど確かにある」というガンダムですが、アニメーションのメカに
CGが使われるようになって(最近はほとんどCGです)以前は「設定資料」という言わば製図が
「原器」だったのですが、最近では3次元のCGモデルがその役割を担っている、と考えられる
かも知れません。こうなると、解釈のズレを回避できることになりますね。
データがあるのであれば、それは流用しないと損です…
あれ?どこかで聞いたような話ですね(笑)

で?このZガンダムがどうなるか?… それはまた、またそのうちに…

あ、昨日の「精度」のお話ですが、「で?精度はどれくらいだ?」という質問をいただき
ました。精度といっても一言では済まず、どういう精度なのか詳しく話さないといけないのですが。
1/100mmでモデリングされているモノを、5/100mmに収まるように作っています…とは、
本気(マジ)工場担当者の弁でした。

スミマセン見栄を張りました…

2005年08月03日 | □CAD/CAMな日々

今日は、ちょっとグレードの高い加工機で作業中みたいです。
グレードとは、まぁ平たく言えば精度の事です。

会社の普通のオフィスに置けるサイズ・重さで、100ボルト電源で動く中では
ほぼ最高の精度を出す機械で、とある身の周り品を作っています。
もうすでに市場に出回っている製品を、あらためてCADのデータから作ってるんですね。

なぜに精度が?というと、これは簡単でして。
この身の周り品は、機構が入っています。ある条件をくり返し動作させる
のが目的です。つまり、ある種の機械です。動力は入っていませんけど。

そして、機械には精度が求められます。なにせ、グラグラ・ガタガタしていては
きちんと同じ動きをくり返してもらえませんから。
「ポリゴンから作ろう」では求められなかった事が、ここでは非常に重要に
なってくるわけです。

この身の周り品、実は全ての部品を今、切削加工で作っているんですね。
部品がそろって組み上げると、ピシっと合って、実際に売っている製品に
非常に近い動き、機能を発揮してくれます。

最近便利になってきた積層RP機でも似たような事ができますが、やはり精度では
切削加工に分があるのは、これからもずっと変らないでしょう。
(原理の問題なので、覆ることが当面考え難いのです)
とは言っても積層RP機も便利なので、精度という観点での使い分けが大事ですね。

…えーっと… 何が申したいか、というとですね…
ミニカーだけじゃなく、きっちり精度を求められる仕事もあるぞ、と
ちょっと見栄を張りたくなったんですね(笑)…スミマセン。

写真の構図がヘン、という事についてはちょっと写せないところもありまして…
ということで、ご勘弁ください。