3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

このブログは引っ越しました!引っ越し先は…「とある思索の集合演算」と検索してみてください。よろしくお願いします。

CADユーザを助けだせ!

2005年09月28日 | □3次元CAD私論
 
続きを書きます。
3次元のCADには、90年代初頭までの
・CAM用、解析用の時代
と、90年代初頭からの
・設計用の時代
があると書きました。今日はその続きです。

90年代初頭からは、
・設計用の時代(本格的に設計に適用し始めた時代)
に入ります。細かく考察していくと、「設計とは何か?」とか(笑)
「広義のCAEと狭義のCAE」とか、どんどん拡散していきますので、この場合の
「設計に適用」という定義をしっかりしておきたいと思います。
それは、製図のCADの代わり、もしくは前段階として共存し始めた、という
ことです。従来の製図CADのユーザと同じ人が使い始めた…ということを
意味します。
CAEなるコトバの本来的な概念にも触れておくと、もっと親切なのだと思いますが
…こちらも拡散していくのでとりあえず、置きます。

さて。
その転換の理由を考察したいと思います。言い換えると
「ナニを売りにして3次元CADは売られたか、ナニを理由に買われたか?」
です。

・コンカレント・エンジニアリング
・形状の完全なる定義(曖昧さを無くす)

このふたつだったんですね。主には。たったこれだけ。

コンカレント・エンジニアリングとは、平たく言うと設計・製造における
全ての工程が同時進行することによって、期間の短縮を実現する…ってな
もんです。それには各工程で全員が設計の対象物として共有するモノが
必要でしょ?と。それには図面じゃだめだよね、と。だからソリッドを
使うんですよ、ということです。データの一気通貫などという事も同じ
文脈の中で語られていました。

形状の完全なる定義(曖昧さを無くす)とは、こいつも平たく言うと、
図面じゃ間違うでしょ?と。曖昧な図面は後工程で間違いを招き、
結果手戻りが発生、その分時間もコストもかかるでしょ、と。
図面は曖昧でしょ?だから…ソリッドなんですよ、ということです。

難しいことは何もないです。

そして両者は、表裏一体・不可分の関係として語られて来ました。
いずれもが、最終的なメリットとして「期間の短縮」を挙げていたことにも触れて
おきましょう。

しかし、その主張(全員とか完全とか同時とか)には、最初からデザインや
意匠面とか金型とかは含まれていなかったんですよね(笑)
だって出来なかったんだもん、ソリッドじゃ。
いや、夢や願望としてはありましたよ。やがて…なるだろう、なるといいな…
というカンジで。

でも。
最初から、同時進行する工程もデータが一気に通貫する対象も、「限定的」
だったんですよね(笑)つまり同時じゃないし、通貫もしてなかったんですよ。
一気通貫は、「やや一気通貫」であり、同時は「ちょっとは同時」だったんです。
しかも、それは今でもほとんど変っていません。

面白い。。。

どんな商品にも「売り口上」があって、それはいつでも実際よりもやや美しい
というのが当然です。ワタシもそこをとやかく言うつもりは毛頭ありません。
もちろん、この市場を否定しているつもりも、まるでありません。
いや、ほんとに無いの(笑)
ただ。
一時期の熱狂が冷め、低価格化、一般化した今だからこそ
「あれは、一体何だったんだろう…?」
という分析は、しておきたいと思うのです。
 
誰も、こういう包括的な分析はしていないようですしね。
知っている人は皆知っていますが、誰もアプローチしていないのも事実
のようです。

ワタシはここにアプローチしたい…と。
なぜか?…えー… 結構好きだから(笑)ですかね。いやいや、当時の売り口上
を盛んに言って来た自分を省みて、総括くらいしとかなきゃ…なんて思うのです。
せっかくだから、恥ずかしながら、微力ながら、許されるなら…今後はこう
あるべきでしょうなぁー、違いますかなぁー…くらいのことは、言ってみたい
なぁー…という動機でしょうか。

…でもまぁ、結局は好きなんでしょう(笑)

あ、異論反論、その他ご意見大歓迎です。
トラックバックに張るか、コメントお待ちしています。
ただし、同業者かそれに近い方々は是非ご自身でブログを始めるのが良い
でしょう。その方が盛り上がっていいでしょう。

次回から、いよいよコトの本質に迫ります。
チャンネルは、そのまま(?)
  

ヒストリーを捕まえろ!

2005年09月27日 | □3次元CAD私論
写真:『アルミの気持ち』 アワワ削られるぅ(汗)…
 
えー…『その時歴史が動いた』の時間です(笑)
さて、このお話を続けるためにちょっと歴史を振り返って整理します。

3次元のCADには、90年代初頭までの
・CAM用、解析用の時代
と、90年代初頭からの
・設計用の時代
がある、と考えられます。
前者は、非常に明確な説明が可能です。
・金型やモックアップを加工するために必要な3次元の形状定義

・有限要素法解析をするために必要な3次元形状定義
のことです。

ナニ?CAMとCAEはCADではない?まぁまぁ、そう言わずに(笑)
3次元CADの源流は、CAMと解析モデルにあるというのは揺るぎない事実です。
でなければ、現存する3次元CADメーカーの多くがどちらかかの背景を持って
いることの説明が付きません。どちらにも源流を持たないメーカーも存在する
ことは事実ですが、それは後に台頭してくる新興メーカーとして分類するのが
妥当でしょう。

ソリッドかサーフェスか、という話も根本的な違いにはなりません。
「コンピュータ内での形状の定義」こそがCADの本来的な意義であるので
あれば、その意義を実現するための要素技術たるソリッドかサーフェスか、
という問題は、その次の話と言えるでしょう。
その本義からすれば、簡易モデルでヨシとする解析よりも、製造そのもの
であるCAMでは、後者の方がよりCADの源流であると言えると思います。
(ソリッドの、という切り取り方をすると解析が早かったでしょう)

ここで重要なのは、初期の3次元CADは、全てに明確な後工程(目的)があり、
その目的のための手段、もしくは段取りとして存在したという事実です。

・金型を削るために、コンピュータで形状を定義する必要があった
・解析を行うために、コンピュータで形状を定義する必要があった

だから3次元のCADが必要だった、ということですね。
プリ/ポストという風に言い換えれば、CAMのプリ、解析のプリに3次元CADは
位置していたというわけです(プリ? 笑)

世間では意外と間違って覚えられていますが、3次元CAD自体は全然新しいもの
などではなく、80年代後半にはすでに「フル3次元で設計しよう」という
試みはあったのです。実際、非常に普及したCADAMというCADを導入する時に、
その競合にはしばしば3次元CADがあがっていました。それらの
3次元CADメーカーはすでにありませんが、その当時すでに設計には製図の
CADか?3次元か?という議論は盛んにあったのですね。
つまり、ちぃーっとも新しい話なんかじゃないんですよ。20年です。
(もちろん、当時値段はバカ高かったのですけど)
この場合、3次元とはサーフェスなのかソリッドなのか?という事も考えなければ
なりませんが、より最近のものである、と思われているソリッドでさえ、
解析分野では当時より実用されていました。

で。現在へと続く転換期、90年代初頭(92~93年あたり)を迎えるわけです。

本日のお話は、3次元CADの発祥は90年代初頭のフィーチャ・パラメトリックや
ソリッドを設計業務に使う…という流れよりも遥か昔にあり、それが現在まで
影響をし続けている…というのが、ポイントです。

これ、試験に出ます(笑)

余談ですけど…こういう話を製品名を出さずに書くのってすごく大変だという
のが、分かりました(1コ出たけど)。

どっちが勝つかCADシステム!

2005年09月22日 | □3次元CAD私論
 
本日、本気(マジ)工場では、とあるクルマ屋さんのナニをナニしております。。。
例によってお見せできなくて残念です。。。あー苦しい(笑)

さて、3次元CADのお話の続きですけど。

使用者から見たらどう見たって単なる道具にしか見えない…
CAD側から見たら、従来の道具と一緒の解釈をされてはかなわない…
この乖離が、設計用3次元CADの普及に実に多くの時間がかかってしまった正体で
あろうと考えています。CAD屋さんも言ってたんですけどね、プロセス変えましょうって。
でも、買う側にはいま一つ理解出来なかったんですよね。良し悪しではなく、そう
いう理解不足が双方にあったのです。

でも。
前回からズラズラとつづって来た内容にほとんど当てはまらず、3次元CADに取り
組んだ職場もあったんです。はてさて?

それは、複雑な3次元曲面を定義する・実際に作るというジャンルの仕事です。
金型屋さんとか、クルマのボディ屋さんとかです。ホントか?本当です。
理由はカンタン。3次元CADじゃないと、曲面の定義自体がすっごくやり難かった
からです。他にほとんど手段が無かったんですよね。手作り木型を脱した先には
倣い加工があって、すぐに3次元CADがあった…と(ほとんどね)。だって作らなき
ゃならないカタチには寸法じゃ定義できない部分がいっぱいあったんですから。
当然サーフェスから入りましたし、今でもこれらの仕事はサーフェスで用が足りて
しまう事の方が多いんです。

そういう職場をずっと抱えていたクルマ屋さんでは、製図のCADの発展した先に3次
元CADがあると思っていなかも知れませんね。だって、3次元のCAD(サーフェスで
すけど)は、製図のCADとほぼ同時期に導入され始まったんですから。場合によっ
ては、ドラフターで製図を書く隣で、サーフェイスの3次元CADを使っている、という
風景だって普通にあったのです。そもそも両者は、狙う効果が違ったんですね。

だから…(言うぞ言うぞ)ソリッド・フィーチャパラメトリックを謳って世に出て
きた新しいタイプの3次元CAD会社たちは、これら伝統的な3次元CADユーザを見て見
ぬふりをしたのでした(笑)当初は。ホントですよ。

なぜか?それらのユーザは、「道具」としての3次元CADをすでに10年ほど実践していた
からです。そして、ソリッド・フィーチャパラメトリックでは、いまだに伝統的な
3次元CADのユーザを満足させる事はできないでいるのです。
(あ、そもそもソリッド・フィーチャパラメトリックで出来る範囲で仕事をしてい
る会社は別ですよ、当然)

ところがね(笑)ここからが面白いハナシなんですけどね…
じゃあソリッド・フィーチャパラメトリックの時代に入る転換期に、転換の理由と
なったことは一体何だったでしょうか?言い換えれば
「ナニを売りにして3次元CADは売られたか、ナニを理由に買われたか?」
です。

それは、覚えている人はみんな覚えてる

・コンカレント・エンジニアリング
・形状の完全なる定義(曖昧さを無くす)

でした…

この続きは、またの機会に。次回は、歴史を整理しながらのお話にしましょう。
『カノッサの屈辱』風にするのはホネが折れるのでやめますが(笑)

 

鳥人間コンテストをマークせよ!

2005年09月21日 | □CAD/CAMな日々

9月も後半に入って何かと忙しく、ブログの更新をサボってしまいました。
よく読んでくれている方から指摘され、ありゃこれはイカン、と。
忙しかったんですよね、バイク売ったり、もてぎにMotoGP見に行ったり…
(全部遊びやんけ)仕事もしてます(笑)

さて、昨日家で録画してあった『鳥人間コンテスト』を見ました。
コドモの頃好きで毎年欠かさず見ていましたが、久しぶりに見たらすごいのね。
何がスゴイって記録の伸び方が。
昔、盛んに見ていた頃は飛行時間に飽きてしまうほどの距離は飛べて
いなかったのですが、今じゃ琵琶湖の端まで飛べちゃうということで、
折り返すんだもの。知らなかったです…で、実況が
「飛行時間が一時間を越えました!」
とか言っているので、うわスゴイ事になってるわ、と。びっくり。

大会自体も26年目…とかで、第一回から連続出場している大学やらチームやら
もあり、既に歴史と伝統を感じます。
昔、あるお客さんから
「設計部には、無数の“あれやっちゃいけない”があるんです」
と聞きました。新人さんは、とにかく“あれはやるな”という事を沢山教わり、
その意味も分からぬ状態のままでも、やらないように気をつけて仕事をするもんだ、
と。きっと、長きにわたって蓄積された失敗の歴史が無数の“やっちゃいけない”
となって積み重なっているのでしょう。失敗することをやらないのは、成功への
当然の近道であります。

同じように、当然のことながら、積み重ねた年月の長いチームは記録も良い、と。
「飛ぶ」なんてことは当たり前で、どれくらい飛べるか、それをどう実現するか?
という時代なんですな。へー。

で。思いを馳せるわけです。
設計した人、作った人…それだけじゃなく、場所を提供した人、機材を用意した人、
毎日走り込んで来たパイロット… なにより、どこから捻出したんだよ、その予算!

尊敬する現代の映画監督があるインタビュー記事で言っていたのを思い出しました。

「ホームランが打てるっていうだけじゃダメなんです。東京ドームに行って、
どこから入り、どこを通ったらグランドに出られて打席に歩み寄れるか…
こういう事を知っているかどうかが非常に重要になるんです。皆さん知らないでしょ?
選手はどこから入って打席に着くか。プロというのはこういう事も含んで、プロなんです」

と。胸を打たれた言葉でした。どきどきした。

飛行機を作り、テスト飛行をして、パイロットは走り込む…確かにこれは「飛ぶ」という
行為の中核ではあるのですけど、あの巨大な機体をどうやって琵琶湖まで運ぶのか?
運送会社は?トレーラーのサイズは?道順は?クルーの宿舎はどうする?クルーに
コンビニ行って各自食えとも言えないでしょうし、トイレの場所だって分からない…
こういう事が、やはり長年参加したチームではしっかりできているのだと思うのです。

システム… というコトバが頭をよぎりました。

私たちは、例えばスポーツの試合を見に行くと選手を見ます。
お寺に行けば大仏を、空港ではジャンボそのものを。
典型的なのは、コドモの頃から見ている「巨大ロボットアニメ」(笑)
グレート!とかマジンガー!とかゲッター!とか、それそのものしか見てないもんです。

でも、「あのデカいロボットは、やっぱ帰って来たら整備するんだべか?」
と思うと、笑っちゃうくらいの大人数がわらわらと寄り付いて整備してるんだろうなぁ…
その間、パイロットって何にもやることないんだよねぇ…なんて思うわけです。
あれだけ複雑な機械になれば、稼動時間より整備の方が時間がかかるはずだし
(大抵の高度な機械はそうですな)、その間は一体誰が警戒をしているのだ?
おお、その“わらわら”と寄り付いてくる整備士達のメシはどうするんだ?(笑)
なんぼ正義のためとは言え、腹は減るだろう。

とかね(笑)

そう思うと、巨大ロボットは、それを運用するための「システム」が動かしていて、
パイロットも光子力もゲッター線も、そのシステムの一要素でしかない…とも言える
わけです。これは、すごいことだ、発見だ(笑)

実は、「飛ぶ!」とか「たたかう!」とかいうメインのお話に隠れている
巨大な道具を運用するシステム(コンピュータの、という意味じゃないよ)こそが
本当にドラマッチクなのだ…と、定義して作られた物語もあるんですね。
(まぁ、途中からそっちにシフトした、というか)
『機動警察パトレイバー』
やっぱり押井カントクはすごいなぁー、名作だよなー、と思ってしまいました。
沢山の警備を動かすと最も負担になるのは糧食…つまりメシ・フロ・寝る・トイレ
の部分だ、というのも押井カントクの描きたがる部分ですね。
とっても共感してしまいます。

あ、アニメの話じゃん!(笑)



罠にかかったトレーニング

2005年09月08日 | □CAD/CAMな日々
時々このブログにも顔を出して(どこがカオ?)本気(マジ)工場お仕事
ホームページでも紹介していますRF400M加工機が、本気(マジ)工場の
大阪オフィスにも設置されました。これで西日本のお客様にも身近で
ご覧いただけます。大阪の本気(マジ)工場オフィスは、江坂にありますので
お気軽にお越し下さい。仕上り、いいですよ。

さて、3次元CADのトレーニングなんですけど。

3次元CADは、使用者にすれば従来の製図用CADと何ら変らない位置付けなのに、
その性格がまるで違っているから、使用者は「道具として劣って感じる」と
書きました。
その違っている性格とは、導入以前は自分の仕事ではなかった工程を自分でやら
なければならなくなっていて、しかも設計期間自体は以前と同じか短縮を期待
されるから…
という論旨でしたね。もちろんこれは製図のCADから入替えた場合です。最初から
3次元CADを使う仕事の場合は、そんなこと考えません。
しかも悪いことに、「あそこが導入した」の「ここが短縮した」のという「事例」
ばかりが伝えられ(聞きたがったというのもあります)、このような
本質論に入ることなく導入に踏み切ったこともあったでしょう。…
ね。「事例」っていうのもリテラシーが無いと色々問題出てくるんですよね。

この続きはまた追々お話するとして、今日はトレーニングのお話です。

3次元CADですが。それでも、まぁやる事になりました3次元…で、次はトレーニングです。
ひとまずカタチを作りましょう…ってハナシです。どうですか?3次元CADのトレーニングは?
面白かった、つまらなかった、やれって言われたから別に… 色々ですよね、きっと。

あらゆる「教育」は、被教育者(生徒)にとっては本質的に不快なものです。
「知る喜び」とかね、あるにはあると思いますけど、やはり居心地悪く窮屈なものでしょう。
だって、教わる=知らない、という立場に立たされる訳ですから。それも、新入社員で
何も知らないからとにかく教わるしかない…という立場であれば別ですけど、ベテランさん
であれば今までやって来たことへの自負も矜持もあるわけですから、なおさら抵抗もある
でしょう。

そうなると、受講者にとって非常に重要な事は
「快感原則に訴える」
ことだと思うのです。「やりたい!」「楽しい!」「面白い!」「分かった!」
「ベンリ!」「ラク!」…
こういうものをきちんと用意することがトレーニングには必要だと思うのですね。

もう10年近くも前、3次元CADを使えるというだけで何となくエラかった時代はとっくに
過ぎました。昔は、3次元CAD自体がエラかったわけですから「この人凄い!自分も凄くなりたい!」
という志を動機付けのきっかけにするか、「仕事なんだから、やらなきゃ…」という消極的選択
を促すか…それしかトレーニングの動機付けが無かったんですね。

冷静になって考えれば気の毒な限りですが、CAD屋さん側から「このままだと失敗しますよ」
と脅されたり、ヒドイ場合は上司に「あの人は3次元に向いてない」など、チクられちゃって…
という話までちょっと前はあったのです(ホントにあったんですよね、これが…)。

ワタシ自身は技術者でも設計者でもデザイナーでもないので、CADやCAMのトレーニングを作る
ためにユーザさんたちからどうしても聞きたいことがあります。

3次元CADを使って良かったなぁー…と思う事って、どんなことがありますか?
それは、使用者自身が個人の仕事の範疇で実感出来るもので、どうですか?と。

ほら、あるじゃないですか?仕事でありながらも、ある種の快感が得られる瞬間って…
そういうったものが、3次元CADにはありましたか?

そういったものをトレーニングにきちんと入れ込みたいなぁー、と思っているのです。

「3次元CADが使えたよ!」というのは、ナシです(笑)だって、今や別に憧れの対象なんかじゃ
ないですもん。もう。もっと具体的で使用者にとって個人的なメリット…

一番いいのは、トレーニングを受講する人が明日からすぐ作るようなカタチを題材にして
実際の仕事に即した内容で学んでいただくことです。最近やった設計が目の前に3次元で
あれば、チョイ変えなどを題材に学びやすいじゃないですか。実際の業務でもよくありそう
ですし。
でもね…製造業ってあまりに多様で、それぞれの会社さんの業務に合うようなトレーニング
なんて作れっこないんですよ。作ろうと思うと、相当の手間をかけて取材をして構成を考えて
製品のモデルも作ってみて…と、すごい事になってしまうのです。もちろん、コストも沢山
かかってしまいます。

最大公約数的に、学ぶ人達から共感が得られ、誰にでも快感を与えられるトレーニング…
…うーむ…難しい(笑)最大公約数的…っていうのが、一番難しいですね。

…が、がんばろう。

PSP獲得作戦

2005年09月06日 | □CAD/CAMな日々
 
はい、本気(マジ)工場です。

ブログなんてやっていますと、いきおい日記風になってしまいます。
当たり前ですけど。で、日常的に「うわ、これは見せたい!」という
ネタには事欠かないんですね、私たちの仕事は。“ブツ”が相手だけに
ビジュアル的には有利なんですよ。

しかし…
色々紹介したいお話はあるのですけど…この商売はお客様からのデータやら
進行中の案件やらを預かっています。とにかくお話し出来ないことが多くて、
ブログやっているワタシとしては、オシイなぁと思うことが沢山あります。
直接新製品などに関わる話もありますので、なかなか出せないのがツラいところ
です。

でもウチワのネタは自由になるので、そんなときはウチワネタ…
ということで、PSPです(笑)

『世界初のPSPをプレゼントしたCAMベンダーになるっ!』

が目標(?)で、7-8月でキャンペーンやってました。
(おう、笑わば笑え、受けて立つさ)

なんでCAD/CAMとか、そういうので、こういうの無いんでしょうかね?(笑)
法人相手だから?うーん…不思議ですよね、そう思いませんか?

みんな「価格破壊の店」とか近所にできると、割と好意的に見ますわね?
で、気持ち的にちょっと応援したりして。一回のぞいてみたいなぁ、なんて
思ったりして…でも、自分の会社で営業マンが、「社長!価格破壊しましょう!」
とか言うと、結構中身も見ないで蹴られたりします(笑)

「価格を破壊してくれるのは、いつも他人…」

なんですね(笑)
それと似ていまして、PSPなんてプレゼントして何になる?といわれれば
そりゃそうですよ。そのとおり。でも理由はあるぞ「楽しいじゃん!」(笑)
もらった方も嬉しいじゃん!日頃のご愛顧に感謝して、って言うじゃん。
デパートがやるのは普通で、何でCAD/CAM屋ではイカンのじゃ?!
CAD/CAM屋さんは、そういうのが多すぎないか?
はぁはぁ…(息が上がった)

チカラが入ってしまいました…

仕事に使う道具ですからね、オマケに釣られて買うようなお客様は居ません。
こちらもオマケでどうにかしたいとも思いません。技術的にしっかりしていて
ニーズと合致して、価格にも納得いただけるから買っていただけるのです。
でも、お買上げいただくときに、ちょっとサプライズがあってもいいじゃないの
と、ワタシ思うんですよ。

昔から結構やってましたけどね。デモの時お客様にキャンディー配る、とか(笑)
ほら、寝ちゃうお客様が居るでしょ?(笑)一石二鳥なんですね。

今、仕事で手をつ付けたいなぁー…と思っているのは、CADのトレーニングです。
だって、どこもつまんないじゃん、CADのトレーニング(笑)
 
「つまんなくて、いいんだ」って思ってるようなら、この業界ダメですよね。
よし、本気(マジ)工場でやろう。きめた。
 

ヤフオクで売って新しいのを買おう

2005年09月04日 | □今日は休日

さて、休みです。
夕方からヒドイ雷雨で、それまでに次にヤフオクに出すバイクを
洗車して、写真を撮りました。この車両も20年以上前のモデルで、
チクチク直してこの状態です。キレイでしょ?調子もいいですよ。
今は無い2サイクルなので、音とニオイだけで「あの頃」に飛んで
行ける…そんな強烈な印象が残っているタイプのバイクです。
(休みの日はバイク屋さんみたいなんだよね…これが)

ただ…乗りにくいんだ(笑)この頃の2サイクルは。呆れるくらい。
もぅ、なんじゃこりゃ?ってくらい低速でのトルクが無いです。
その分、上のトルクの盛り上りは劇的でして、今の基準で言ったら
単にデキの悪いキカイなんですけどね。じゃあ魅力が無いのか?って
いったらそんな事はないんですよね、これが。

この頃の2サイクルには、確かに「速さ」は無いかもしれません。
でも、「速く走ってる気がする」という性能があります。
イクぜ!、ガバっ!、ビャーン!…ってね(笑)
なんか『バタ足金魚』みたいだね、マンガの、映画じゃなくて(笑)
そして、そういう性能は、もう世の中に出てこないでしょう。

要するに2サイクルって理屈じゃないんですよ。セイシュンなんですね(笑)
コイツを売ってしまっても、実はもう一台残してあります。
2サイクル( ̄ー ̄)
え?次に何を買うか?( ゜~゜)んー?無事売れたらですけどね、
次はまだナイショです。


工具箱の秘密

2005年09月02日 | □3次元CAD私論
 
CADの話をしたら?と、このブログを読んでくれている人に言われました。
確かにCADそのものの話題が無いですね…ワタシがこの業界に入ったのは、
どちらかと言えば3次元のCADとCAEの世界からで、専門と言えば専門なのですが…
ただでも長い文章が(笑)すっごく長くなりそうなので気が引けるんですよね。

…じゃ、ちょっとだけ。それも、やや昔話になりそうな状況に話題の中心を置きます。
それと、このお話は全ての企業に共通するわけではない、ということを前提に付け
させてください。それくらい、製造業は多様ですから。

CAD屋さん(いわゆるCADを作っている会社、今は外資系がほとんどですね)
の中では、「CADは道具だから…」みたいな言い方を非常に嫌います。ワタシは
好きなんですけどね(笑)その言い方。彼らの中には、「CAD=道具」という定義
に関して非常に強い忌避感情があるのです。(だからCAD屋さんで浮くんだけどね、
ワタシは)この傾向、ちょっと前は今よりもっと強く、製図のCADよりも3次元の
CADの会社の方が強くありました。それが垣間見えるのは、CAD屋さんを呼んで話を
聞いてると、なんというか…デカい話が多くて、道具の話が意外と少ないことでも
分かるかと思います。CAD屋さんが単なるCAD屋でなく、突然PLM!とか言い出している
のもこの話とは無縁でないと思います。

なぜでしょう?

本気(マジ)工場がブログで書く話ですから、タテマエの話はよしましょう(笑)
ズバリ核心の話に行っちゃいますね。

その理由は「3次元CAD=道具」と定義されてしまうと、3次元CADは道具として大変に
劣っている、本来的に出来の悪いものだからです。(あーぁ言っちゃった…)
出来が悪いとは、ユーザの期待と実態に乖離がある、ということです。
一方的に道具だけ悪いって話じゃないですよ。誤解なきよう。

道具ってなんでしょう?多分その定義は、2つくらいしかありません。
・使うことによって、使用者に時間効率の向上をもたらすもの
・使うことによって、使用者に精度の向上をもたらすもの

焚き火とヘラでハンダ付けはしたくないですし、指でナットを回してもトルクが
かかりません。定規を当てればまっすぐ切れますし、ちまちまと指でやっていたの
では日が暮れてしまいます。道具って、つまりはそういうものなんですね。
そしてその価値基準は、大抵は使用者にあります。

で。3次元CADは
・使用者に時間効率をもたらしているでしょうか?
・使用者に作業精度の向上をもたらしているでしょうか?

…ビミョーですわね(笑)これが。
これは、CAD屋さん・ユーザ双方に理解の隔たりがあったりしまして、それが
ビミョーなんです。

3次元CADって、要するに、一発で乱暴に言ってしまうと、「製造行為の前倒し」
なんですね。ここまで3次元CADが一般化するはるか以前にも、3次元のCADは
ありました。CAMに使うためですね。当時は、サーフェスモデラーが一般的でした。
でも本質的には今のソリッドと変わりません。その頃は、設計の人はどこかで誰かが
コンピュータで3次元形状の定義をしてくれている…なんて、あまり意識しなかった
んですね。図面を出せば作ってくれるよね、という程度ですかね。

で。そのどこかで誰かが…の部分を3次元CADでは設計の人がそれぞれやっている、
というのが事の本質としてあるんです。もちろん、設計の人も3次元にすることで
発見があったり、試せることが増えたり、間違いが減ったり、と精度の面などでは
メリットが無いわけじゃないんですよ。
でも、製品を作る流れの中の一部ではなく、「私個人」として考えた場合、当然ながら
仕事量は製図のCADの時より増えているわけです。以前は後工程がやってくれたものを
自分でやるわけですから。
だから、「CAD=道具」と解釈されてしまうと、「私個人」としては道具として大変に
劣っている出来の悪いもの、となってしまうというカラクリです。

従いまして、3次元CADをそれなりに大きな組織で導入するときには、道理として設計の
「期間延長」を盛込むのが正しいと言えるのです。そうです、「設計期間の延長」です。
後工程の非常に多くの部分を前倒しているのですから、当然です。その代わり後工程で
大幅に取り返しを付けて、設計と製造・生産トータルで期間短縮を狙う…という事が
道理として必要になるのです。

でも、どうでしょう?非常に多くの企業が3次元CADを導入する時に、「設計期間の短縮」
を理由に、そこにこそ期待したのが実際では無かったでしょうか?
「新しいCADを入れたんだから、これで設計早くなるぞ、出図を急げよ…」と。

ほら、ビミョーでしょ?(笑)もちろんそうじゃなかった企業もありましたが、
そのとおりだった企業も、いっぱいありました。

この話、続け…ます?(笑)コメントいただけたら、続けようかな…なんて弱気です。
(やっぱり長いじゃん!)