3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

このブログは引っ越しました!引っ越し先は…「とある思索の集合演算」と検索してみてください。よろしくお願いします。

繁盛…なのか?(笑)

2007年03月26日 | □CG(ポリゴン)から作ろう

本気(マジ)工場です。
 
うーん…なんだかんだで、毎日のように『3D CGからの立体出力サービス』にお問い合わせやらご依頼をいただくようになりました… 皆様ありがとうございます。段々と納期調整なども考えなくてはならなくなるかも知れません。

写真のようなカンジで納品いたしております。これは、前々回のフィギュアを作るにあたっての出荷状態(パーツごとの加工)ですね。

こういう試作請負は、それなりに常に仕事があるか、自分たちの事業規模が小さいか、単価が高いか・・・しないと、それ単体での商売はなかなか成り立ち難いものなのですが、Dimensionの場合は手間というものはほとんどかからないですから、だから何とか成り立って行くのでした。

あ!でもね、この出力サービスを始めたい…という方は、応援しますからぜひ本気(マジ)工場にご相談下さいね。え?そりゃ応援いたしますよ!だって、本気(マジ)工場は、この試作請負業が本業では無いんですから。これで、世の中にCGからの出力センターが増えるのだとしたら…それが、本気(マジ)工場の思い描いた事なんですから。
で。
これ、手間はかからないんですけど、それなりに知恵・経験・留意点は必要で、そんなのもコミコミでお手伝いいたしますよ。こういう知識と経験がある所で、Dimensionは買いましょう~(笑)まぁ、本気(マジ)工場のお仕事Webページをご覧いただければ、Dimensionは他からは買いたくなくなりますって(笑)この知識量、スゴイもの。

でもまぁ、そんな事より
「今日もまたひとり、つくる人が増えたね!(・∀・)イイ!」
って事で、明日もまた強く生きて行けるワケですよ(笑)
こうやって頑張っていれば、きっと何かが変わるだろう…そう信じておりますよ。うんうん…
 
『ホビージャパン誌』のWebサイト、『とれたて!ほびーちゃんねる』でも、もうすぐこのDimensionが登場だ!乞うご期待。
 
さぁ、今日は早めの花見だ(いそいそ…)
 

最近は、こんな感じ

2007年03月24日 | □今日は休日
 
本気(マジ)工場です。なんか天気良くないなぁ…これじゃ桜も咲かないよ、と気をもんでいます。今夜半からは雨で春の嵐だそう。
 
さて、最近はこんな感じ。
 
スクーター、原付二種と呼ばれるギリギリの排気量で125cc。高速道路には入れないけど保険やら税金やらは、いわゆる原チャリと一緒ですごく安い。これでお酒を飲む予定の無い日は最寄の駅前まで通ってます。
主力戦闘機(笑)のナナハンと、2サイクルのオフロードに加えて、これ。

バイク乗りなんて単純なもので、バイクに乗れる…と思うと、結構カイシャでもどこにでも行く気が何倍にも増すからね(笑)移動そのものが目的化する、という特性がある乗り物なんだな。例えるなら雪国に住んでいて、冬にスキーを履いて裏山抜けて学校に行くような話。それはもう、通学じゃなくなってる。
 
もう少し暖かくなったら、これでカイシャまで行こう。

オートバイに関して何か「論」を立てるような野暮はしないのだけれど、時々「ワタシも乗りたいんですよ~」という老若男女が現れることがある。そういう人は、年齢性別関係なく一定数は居るみたい。もしかしたら、そういう善男善女諸氏は、こっちのシュミに合わせて話題を提供してくれているのかも知れない…スミマセンねぇ…

そういった人たちと、以前まではそれなりに話題を膨らませて会話していたのだけれど、ここ10年くらいは以下の返答で済ませてる。

「へぇ、じゃあこの週末から乗りましょう。クルマの免許はあるでしょ?近くのバイク屋に行けば、3~4万で中古の原付がありますから、早速それに乗ればいい。楽しいですよ。」

・・・これで、大抵は会話が終わるね(笑)

要するに、オートバイって「理」から最も遠い位置にある「情熱」の存在だ。相談して、調べ上げて、計画して、周到に… 始まるもんじゃない。どっちかっていうと、通りがかったバイクを見て、カミナリに打たれたように免許を取ったり買っちゃったりする、という類のモン。先の善男善女からは、そういうニオイは感じないから、受け流しちゃうの(笑)

それとは全く逆に…
「いやー、買っちゃいましたよ、バイク!」(超笑顔か、照れ笑い、だね)
っていう人も、居る。これが、全く規則性とか法則性とか無くって、見かけも性別も年齢も関係なく、本当に唐突に何の相談も前ぶれも無く言ってくる。

多分、唐突なのは、それ自体が「悪だくみ」的な楽しみがあって(別になにも悪くないんだけど、そういう感じって確かにある)、全てが整うまでは人になんて言いたくなかったりするんだな。きっと。わかるわかる。

つまり、カミナリに打たれちゃった人だ(笑)
 
こういう人には、満面の笑みで接する。

「へぇ!じゃあ今度どっか行きましょうよ」
 
まぁ、シュミってのは何のシュミでもこういうものだけれども。

 
 

今、高騰中の(笑)銅

2007年03月23日 | □CAD/CAMな日々
 
本気(マジ)工場です。
やっと暖かくなって来ました、東京の春です。

春になると、私たちの業界でも「展示会」シーズンの幕開けですな。本気(マジ)工場も、本年一発目(あ、ワンフェス出したから二発目か)で、『INTER MOLD 2007』の某ブースにお邪魔して展示をいたします。写真は、その展示サンプルの加工中…

最近良く盗難にあってる銅ですね。放電加工用の電極ってヤツです。
まぁ、知ってる人は誰でも知ってるハナシなんですけど、金型などを加工するときに、刃物で削り取って行くのではなく、こういった電極から放電することで材料の鉄を溶かして行く…って方法があるんです。これで精度が出ちゃうのだから、スゴい。いっときから非常に一般的になった加工法です。

当然電極側(写真のヤツね)にも精度が求められるわけで、それはもうキレイに仕上げて行くわけです。スルドイ人は、
「なんじゃ、この透明なチューブは?」
と、写真を見てお気付きかと思います。ご想像のとおり、切削油を垂らしているんですね。でも、本気(マジ)工場のオフィスでは普通の工場設備のようにジャバジャバやれませんので、医療用の点滴を使って、ドモホルンなんちゃら風に一滴一滴(笑)… それがエアブローで飛ばされて、必要最小限の潤滑と冷却をする…ってワケです。(あ、じっと見てる人は居ませんから)

もちろん、切削油は豊富に使えることに越したことはなく、オイルミスト装置位は金属加工には必須になりますが、本気(マジ)工場は、なにせ普通のオフィスビルなものですから、こうして必要な時に必要最小限の油を吹けるようにしているってワケです。
 
なんかキラキラしてキレイな感じですが・・・ もちろん油クサイです(笑)
 
月曜は、本気(マジ)工場の公式花見大会(?)らしく、窓から桜が見られる居酒屋が会場だとか… 

月曜は、ちょうど花も見ごろかも知れません。。。


3D CG立体出力サービス、その後…

2007年03月20日 | □CG(ポリゴン)から作ろう
 
一時のお祭り気分じゃ意味がない…ってことで、
『3D CGからの立体出力サービス』の近況などお知らせします。

え~…結構全国からご依頼いただいております。画期的に安い!とは言え、やはりおカネがかかるものですから皆様それは慎重に検討されています。

こちらもそれにお応えすべく、分かりやすい見積書などお出しして、お客様のデータも拝見しつつ… 色々とご不明な点が明らかになった上で… 「えいヤッ!」とご依頼いただくようなんですね。やはり勇気が要るようです。ええ、最初ですから。
 
それも無理からぬ事で。だって、技術的にはなーんの問題も無いものの、このサービス自体が始まったばかりですから、かつてのカラーフィルムもDPEのように
「これくらいの仕上がりで、これくらいの価格よね」
というコモンセンスが形成されておりません。だから、価格もさることながら仕上がりについては不安もあることと思います。これも徐々に知られて行けば、コモンセンスに近づいて行くのだとは、思っていますが。

でも、先駆者というのは何にでもいらっしゃるものです。

その振り絞った「えいヤッ!」の分だけ、誰よりも先にこのサービスの快感を手にしていただいているんですね。こういったCGモデリングをしていた方から、モノになった時の喜びの声を聞くのが何よりうれしい本気(マジ)工場です。

だって、3Dのデータからモノを作った!という人が、また一人増えた、ということは疑いようの無い事実なんですから。
本気(マジ)工場は、3Dからのモノづくり人口を増やしているんです。このことにかけては、世界一かも知れない。

「上手い・下手」 の間には、そりゃもう大きな川が流れてます。
でも、
「やる・やらない」 の間には、川どころか次元の違いすら、あるのだよね。

このお客様は、メタセコイアとLightWave 3Dをお使いです。フィギュア一体ではなく、ガレージキットのようにパーツ毎にバラしたデータで出力のご依頼をいただきました。ほとんど本気(マジ)工場のURLに書かれている、ほとんどそのまま!のカンジで。すばらしいお客様でした。

ちなみに出力のお値段は、3万円は大きく下回っていますね。
(ごめんなさい、パーツでしか見ていないので完成した身長などは分かりません…)
でもこの感動は、プライスレス…(まぁ、言うわな、うん。言う)
 
せっかく3D CGでモデリングしてるんでしょ?
じゃあ、モノにしなきゃもったいない。
これでもう二次元系とは呼ばれない、かも?(笑)

今日も、「リアルに してミル?」
の、本気(マジ)工場でした。
 
次回は、切削ネタやろう。 


暖色でしょでしょ?

2007年03月16日 | □CAD/CAMな日々
 
本気(マジ)工場のイメージカラーが変わりましたよ。
まずは、名刺から。
 
長年ブルー系で通して来たのですが、全てに渡って温かみのある橙・黄・生成り(?)系の色合いに替えて行こうかな、と思っています。まぁ、徐々に。
 
その理由?…えーっと…特におおっぴらに言うほどの理由ではなく、CIってほど大げさなものでもありません。変えるってことでは、要するに内輪のつまらない事情(笑)なんですが、こういう色使いになったのには明確な理由があります。

私達の居る、いわゆるCAD/CG/CAE/CAM/RP/PLM/加工機…製造業のお客様向けにITの技術を使った道具とサービスを提供して行く…という業界は、以前まで主流であったテクノロジーとイノベーションによる競争はすでに一旦落ち着いていて、他の成熟した市場と全く同じように「今までとは違う軸」を中心にして動いて行くだろう… という予測をしています。そして、それは決して悲観すべきことばかりではなく、むしろ好ましい一面もあるはずだ… そう考えているんですね。

それには、ブルー・ブラック・シルバー・レッド…というような「パキっ」とした色は相応しくなく、もっと親しみ易い、敷居の低い、安心感のある、フレンドリーな… とまぁ…そういう印象にして行く必要があるよね、と思っているんです。

その市場予想が当っているかどうかは別にしても、
「ワタシたちは、そう見られたい」(実際そうだしね)
という意志が、このイメチェンには込められています。(っていうか、CAD/CAM屋さんってみんな色が似ていてつまらないと思ってるのも事実なんだよね…)

IBM、Microsoft、Hp、DELL…的な印象から、Apple、Adbe、google、You Tube…的な方向に、ってことで言えば分かってもらえるでしょうかね?まぁ飽くまで印象のお話です。

そうは言っても、良き伝統は引き継ぐぞ…という意志を込めたデザインにしています。以前の名刺をご存知の方は、きっとその引継いだ意匠に気づかれることでしょう。

新しいロゴを含め、この名刺をデザインしてくれたのは『TS Design』さん。
 
ここはー…あれだ。

「プロダクトデザイン」のお仕事がメインでありながら、「デザイン」…という流れでグラフィック系もWebも。「プロダクト」…という流れで3D CADモデリング、CG製作、設計・試作やら金型加工(!)までも幅広い知識があって、色々と相談に乗ってくれる、本気(マジ)工場もすごく頼りにしている会社さんです。
器用だ、っていうこともあるけど、何よりセンスがいい。なぜか、我々が日々使っている3D系の道具に対するセンスも近いものを感じていて、話していると楽しい皆さんです。『TS Design』さんにはいつも「グッジョブ!」な結果を出していただいております。

ということで。新しい名刺、気に入っています。
あらためて、ドゾヨロシク。
 
 

マジ・うさ えんがわ問答 第3話

2007年03月04日 | □CAD/CAMな日々
 
続いてるよ…でも疲れるよ、この展開…
ということで、CGでもCADでも同じな3Dデモリングの本質に迫るえんがわ問答、最終話!


本気(マジ)工場: いいかい?コンピュータが得意とする事と、ヒトが得意とする事は見事に反対なんだよ。ヒトが不得意なことがコンピュータは得意で、コンピュータが得意なことはヒトは苦手なんだ。

橘原うさ美: へー…まぁ、そうかも。なんか聞いたことあるし。

マジ: その中で、コンピュータが最も苦手としているのが、「解釈(想像)→判断」という流れだ。

うさ: なにそれー?(…イミわかんないしー…)

マジ: んー…「思考」といってもいいかな。

うさ: フィギュアと関係ないじゃん!

マジ: それが大ありだ。原型師さんは「絵」から立体を作っているんだろ?それはつまり、立体にするには全然情報が足りない状態の「絵」に原型師さんが情報を補って付け足しているということなんだよ。

うさ: 原型づくりは、情報を補うこと???

マジ: そう。そのとおり。そう考えると理解が早い。いいぞぉー…。ほら、情報を付け足すのは、想像するしかないじゃない?「絵」には描いてないんだから。

うさ: うーん…(なんかキモぃし・・・)

マジ: 絵にはとうてい入っていない情報を、「こうだろう、こういうことなんだろう、こうなっているんだろうな…」 と想像して情報を補って付け足していった結果がフィギュアなんだ。だから面白いことに、原型師さんの方が元絵のマンガ家さんよりも、より多くの情報をそのキャラに対して決めている・・・ってことも起きるし、それは実際にあるんだよ(笑)元絵の作家さんに、「ここはどうなってますかー?」って、原型師さんがきいて、元絵の作家さんがそれから慌てて決める・・・って感じにね(笑)ほら、絵のままなら決める必要がなかったことも、フィギュアにするとなるとキチンと決めなきゃならなくなるからね。

うさ: へー… まぁ、そうなるよね…

マジ: この想像力ってのは、ヒトの「思考」そのもので、普通は造形の器用さがクローズアップされることが多い原型師さんだけど、実は手先の器用さよりもむしろ、この立体に対する想像力こそが原型師さんのスゴさなんだと思うよ。これは、コンピュータが一番苦手としている作業なんだ。この先もほとんどコンピュータには期待できないね。

うさ: やっぱり原型師さんって、スゴイんだー… 手づくりの勝ちですねー!(このへんで話をまとめなきゃ…)

マジ: でもね。じゃあCGやCADのモデリング作業が、原型師さんより劣るのか?って話だと、そう単純な話でもない…

うさ: ・・・へ、へーっ!(オイオイ、話続くじゃねーかよ!)

マジ: もちろんモデリングには手先の器用さは必ずしも必要じゃないから、そこは原型師さんに全くかなわないけど、「絵」から立体を想像して足りない情報補う… という能力については、原型師さんもCGモデラーも同質のものを持っているのだと思うねぇ…

うさ: へー…CGやる人って、原型師さんに近いんだー…

マジ: うん、3DのCGな。それを最終的に自分の手でやってるのが原型師さんで、PCを使ってソフトでやってるのがCGのモデラーさん、ってことだと理解していいよ。

うさ: 手でやってるのと、PCでやってるの… けど、本質は近い…

マジ: そうだ。もともとCGモデリングをやってた人たちは、原型師さんに匹敵する「ある種の能力」はある、ってことなんだよ。

うさ: 「絵」から「立体を想像して情報を補う」って能力ね?

マジ: そう、それ。お?理解したじゃん。つまり、CGモデラーは3Dデータの原型師と言ってもいいんだ。

うさ: なんかー、CGの人ってすごかったんですねー。でも、カタチにならないんじゃワンフェスで売れないね。

マジ: まぁね。そこで『立体出力サービス』だよ。CGモデリングが出来る人たちが、原型師さんに近づくための大きな一歩だ。

うさ: そうかーっ!CGでモデリングしていれば、『立体出力サービス』使ってすぐにフィギュアにして、売れるんだ!

マジ: うーん…残念だけど、それもスグには無理。やっぱり原型師さんはスゴイよね。

うさ: えー… なんでなんですかー???…

マジ: それは、出来上がったフィギュアの精巧さにあるね。考えてもごらん、非常に器用なヒトが、丹精こめて手で仕上げたモノにかなう工作機械なんて、無いんだよ。こういう工芸品に近い分野は特にそうだ。着色って問題もあるしね。だから、「やっぱ手が最高」とか、「これからはデジタルだ」とかというVS(バーサス)な関係には無いんだ。

うさ: 手仕事とデジタルは対立しない…ってことでいいのね?(…ま、まとまるのか?)

マジ: そう。たぶん、CGを使って立体出力サービスを利用して最も恩恵を受けるのは、今手でやってる原型師さんだね。間違いない。原型師さんがCGやCADのモデリングを身に付けたら最強・無敵だと思うよ。それも全部CGでやる必要もないしね。手のほうがいい所は手で、CGと『立体出力サービス』の組み合わせが有利な所はこっちを使えばいい。

うさ: じゃあぁー?CGとかのデジタルが手仕事より有利なトコ…って何なの?

マジ: デジタルの強みは、その使いまわしのよさにあるね。

うさ: 使いまわし…???(ぅお?ハナシ広がってんじゃん…)

マジ: 原型師さんが最も大変なんじゃないか?と思うのは、フィギュアのスケールを変えることと、ポーズを変えること、の二つだな。サイズが違ったり、ポーズが違うと、同じキャラでありながら何の関係もない全く違う2つのフィギュアを作らなきゃならないけど、3Dのデータさえあれば、ポーズを変えたりスケールを変えたりするのは造作も無いことだからね。

うさ: サイズとポーズ…

マジ: そうだ。そもそもサイズでダメ出しされちゃったら、泣けるだろう? カタチはいいですねーOKです。サイズだけ、これの20%小さくしてください・・・最悪の注文だよね(笑)でもこれは、3D CGでは造作もない作業だ。

うさ: それは大変そうー…(汗)一回やっちゃった仕事だけにツラさも倍増ってカンジ…

マジ: ポーズもね、このままのカタチでこのシーンのポーズにしてください…ってのもツラいだろう。まぁ、慣れちゃってるから、そんな事は起きないようにしてるだろうし、ポーズ変更もそうそうツラいと感じないかも知れないけどね。でも場合によっちゃほとんどやり直しになるのは、目に見えてる。3D CGを使えば、ちょっと変えて試して、またちょっと変えて…ってのがカンタンに出来る。その試しに『立体出力サービス』を使う…って手もあるね。

うさ: それってー『なんちゃらジャパン』とか『電撃なんちゃら』で、発売前のマスターグレードの写真が出るじゃないですかぁー?近日発売の試作品!…って言って。あれのこと?

マジ: そう!それのこと!あの雑誌に載ってる試作品見るとね、バン○イさんも、もうちょっと高価な機械だけど、本気(マジ)工場の『立体出力サービス』と同じような機械を使ってるよ。仕上がりを見ればわかる。

うさ: へー!写真でわかるんだー!!

マジ: わかるさ(笑)だってプロだもん。憧れのバン○イさんと同じプロセスを辿れるのは、CGやCADで3Dモデリングをやってる人に限られるね。100%手作りだと、これは不可能だから。

うさ: なんかー、CGモデリングと手仕事の特徴がよーく分かった気がするー…(お?やっとまとまったか・・・?)

マジ: 3DのCG、な。ウチでもね…『立体出力サービス』で出力されたABSの積層RPモデルを、その次にどうやってフィギュアに仕上げたり、型に写したりするかは、あまり知識が無いんだよ。今、何人かのCGモデラーさん達と色々と試行錯誤しているところなんだ。まぁ、そういう知識や技術は、ウチは専門にするつもりは無くて、「つくりたい」って人達を応援する…って仕事の一環なんだけどね。ほら、ウチって別にフィギュア専門じゃないから(笑)産業用の金型はプロなんだけどね。まぁでも、やってるうちに結果的に詳しくなっちゃうかも知れんけどな。

うさ: でもー、CGやってる人たちにとっては、スゴイことですよねー(うぉら!ここらでまとめろやゴルァ!)

マジ: 3D CGな(苦笑)。そうだね、そう言ってもらえるとやってるこっちもウレシイねっ。

うさ: はいっ…(ニコニコ…)

おしまい


やった!なんとかまとまったぞ(汗)…
書いていて非常に、ヒジョーに疲れるので、この問答スタイルは頻繁には出来ないな…と思いつつも、普段非常によく訊かれて、「アタマで分かってるけど説明しにくい」ってことをまとめて伝える手段としては、意外と有効かも?ということは確認しました。

とにかくね、「絵から自動で3Dのモデル…」は、作れないから!理屈として無理だから!という事をね、もぅね、10年以上訊かれ続けてイヤになってるんですよワタシ。でね、「それは不可能です」と答えると、決まって嫌ぁ~なカオされるのね(笑)これが。なんでだろ?だから、毎回順序立てて説明して、一緒に理解を進める...って作業にお付き合いするんですね。それでもまだ、「いやいや、出来るはずだよ」と言って分かってくれない人も多い。人は、自分が信じたいものを信じるのだな、ということが良くわかる。
だからこれ読んで、もう訊かないで…ってキモチがこれを書かせましたとさ(笑)
他にも何度も訊かれ続けて、繰り返し繰り返し説明して少し疲れてる事があって、それは3Dスキャナとリバースエンジニアリング関係ね(笑)次は、このお題でえんがわ問答やるかも知れません。....っていうか、やろう。

ただね…じゃぁ3DのCGなりCADなりの「モデリングするための道具」が、今のままでいい、と思ってるか?と訊かれれば、そんなわけなくて。多分世界で一番くらいに3Dモデリング手法の進化の無さを嘆いて、憂いで、批判して、ねだって、ダダこねてるのは、他ならぬ本気(マジ)工場だと思いますよ。それにはヘンな自信がある。第一、ここらへんの原理ってもう20年以上本質的には変わってないんだから…おかしぃよ!と、思ってます。

あ、橘原うさ美ちゃんは、本気(マジ)工場の脳内キャラであって実在はしませんので、あしからず(誰も実在するとは思ってねー)。


マジ・うさ えんがわ問答 第2話

2007年03月03日 | □CAD/CAMな日々
 
どうするよ?続いちゃってるよこの企画(笑)東京・恵比寿は本気(マジ)工場に遊びに来た橘原うさ美ちゃんと本気(マジ)工場の果てしなき3D問答。いいから仕事しろって!のツッコミも無いまま、さらに続く~…

本気(マジ)工場: あるある、まだある。その膨大な「絵」には、「絵」と隣の「絵」が「どうつながるか?」という情報を全ての隣どうしで全部持たなきゃならない…これはもう気が遠くなるような情報量だ。それに、脇の下や前髪の後ろ側(おでこ側)カメラではどの角度からでも完全には写らない部分はどうする?そうだ!スカートの中だよ!うん、こりゃ写らんぞ!

橘原うさ美: …(なんかエッチくさーぃ…)

マジ: そういう情報も、全て「決めていく」という作業が3Dモデリングなんだよ。見えないからといって情報を「決めて・入力」しなくてもいい「絵」とは、ここが決定的に違うんだよ。これはCGでもCADでもその本質は同じだ。

うさ美: じゃぁあーあれ?絵がたっくさんたっくさんあっても、3Dにはならないの?

マジ: まぁ、全くならないわけじゃないが、そんなに「たっくさんたっくさんの絵」を描くよりは3Dモデリングした方が、今度は何十倍も何百倍も楽で早いだろうね。それが、3Dモデリングのいいところなんだ。

うさ: でも、あれでしょ?カンタンなカタチなら、絵からモデリングできるでしょ?

マジ: あー?…出来るね。

うさ: ほらぁー!できるじゃーん。

マジ: まぁ、積み木くらいのもんだな(笑) それも、一個な。

うさ: …(ぶぅ~…)

マジ: フィギュア(立体)というのは、情報が最大になった状態なんだよ。それに一番近い状態でモノじゃないのが3Dのモデルだ。CGでもCADでも、ひとまずはいい。CGよりもCADの方が、さらに多くのカタチに関する情報を持てる道具、と言えるけどね。

うさ: でもっ!でもですよ!

本気(マジ)工場: はいはいはい。 ・・・でも?

うさ: 今朝、写真を送るとガラスのカタマリの中に人の顔を立体で作ってくれる…っていうのテレビでやってましたよ!

マジ: あー、NHKニュース見てるね?はいはい、やってたね。

うさ: あれは何なんですか?あれって、絵とか写真とかから立体のデータにしてるわけじゃないですか。

マジ: あぁ、そうね。

うさ: ほらー!

マジ: うん、説明するとね。ありゃ、類型化できるカタチなら何とかなるんだろうよ。

うさ: るいけいか???

マジ: そうだ。実際の人のカタチってのは、意外と類型化出来るものなんだよ。つるしの服やクツにサイズがあるのがいい証拠だ。

うさ: なにそれ・・・?

マジ: あれはおそらく、人のアタマの類型化された形状、まぁ立体のテンプレートだな、多分人のおおまかな輪郭でノッペラボーのモデルだろう。それがPCにあって、そのテンプレートに送った写真とか絵をテクスチャ・マッピングようにして貼り付けているんだろう。それでも自動なんかじゃなくて、それなりに手間かけてデータをちょこちょこ直してるはずだな。

うさ: へー・・・じゃあ?できるってことじゃないですかー?

マジ: …逆にきくけど。

うさ: なんですかぁ…(ぐ…ヤベ、もっとなげーよ)

マジ: あのさ、ケロロ軍曹と涼宮ハルヒは、どういう立体テンプレートを使ったら共通化できるのかね?(笑)

うさ: …それはー… でも、でもですよ!みくるとハルヒなら!

マジ: まぁね、みくるはケロロよりは、近いね。でもさ、フィギュアの命って、もっと類型化しにくい所にあるんじゃないの?例えば髪型だ。長門の髪型とハルヒの髪型はとても類型化できんぞ。テンプレートをガンガン増やせば対処もできるかも知れんが、そもそもテンプレートが膨大にあったらそれは類型化とは言わんだろ?(笑)テンプレートから選ぶって行為がすでに自動じゃねぇし。

うさ: うー・・・

マジ: 自動化は諦めることだね。自動化できるとしたら、非常に類型化し易い対象を、そこそこの出来でやれる…という程度にとどまるのは目に見えているのだよ。そうだな・・・アタマのカタチがほとんど一緒で、目なんかの塗装で描き入れる部分をキャラによって入れ替える・・・それ位はすぐにでも出来るけどな。ケロロとギロロは出来るかも知れん、ってことだ。

うさ: そうなんだー…

マジ: それをゆるーく3Dのテンプレートでやってるのが、Wiiのソフトであるじゃないか。あれくらいだよ。でも、キャラ萌えの人たちを納得させられるカタチにはこの先もずっとならんよ。この市場の客は、厳しいからな(笑)

うさ: でもでもー!実際にー、キャラのフィギュアとかは、あわけじゃないですかー?

マジ: うん、あるね。いっぱいある。もうね、お兄さんお腹いっぱいだ(苦笑)

うさ: あれは、絵を見て原型師さんが作ってるんじゃないんですか?

マジ: そうだろうな。ま、実際そうだ。

うさ: なら!絵からパソコンがモデリングしてくれる…ってことが出来そうじゃない?

マジ: おいおい、原型師さんに対して失礼なことを言うもんじゃないよ!

うさ: エー…

地雷踏みまくりのまま、うさ美ちゃんはいよいよ説教モードに引きずり込まれてしまうのか?なんか段々会話っちゅうより単なる相づちキャラになってねぇか?うさ美ちゃん?(笑)

こんないい加減な構成でも、3Dモデリングの本質に迫ろうという日本初の超意欲的ブログ連載…蛮勇ふるって続けていこう。 次回を待て!(見捨てないでね)
 


マジ・うさ えんがわ問答 第1話

2007年03月01日 | □CAD/CAMな日々
早春の日差がポカポカと暖かいある日の午後、恵比寿にある本気(マジ)工場にうさ美ちゃんが遊びに来ました。橘原(たちばなはら)うさ美ちゃんは、前から友達とコミケに出入りして、最近ではワンフェスにも出かけるようにもなった、いわゆる「いけるクチ」(注:本気(マジ)工場ではコミケ・ワンフェスなどに好意的反応を示す人を「いけるクチ」と呼ぶ)の女のコです。高校生のころ漫研に居たことはナイショにしていますが、ちょっと会話をすればバレバレだったりします。

うさ美: 立体出力サービスって最近やってますよねー?あれっていいなーと思ってるんですけどー。でも自分で3D CGでモデリングしないと作ってもらえないんですかー?

本気(マジ)工場: …そうですがなにか?そう言ってるでしょ、「3D CGからの…」って。

うさ: 気に入ってるキャラ絵があるんですよー。それを渡せばフィギュアになるんじゃないかなーって思って、期待してたのに残念です~

マジ: (笑)それはー…残念だねぇ…絵からフィギュアをつくるのは、自動にはならんね。ということで、まず3D CGをやりなさい。

うさ: え~…でも、あれですよね?パソコンって進歩がスゴイから、きっとそのうち「絵とかイラストとか」を渡せば立体にしてくれるソフトが出てきますよね?

マジ: あー…無理だね。出ないよ。そんなのは絶対に作れない。永遠に無理だね。もし出来たとしても、「絵」から期待したような立体にならないと思うよ。

うさ: えー!そんなことわかんないじゃないですかー。出来るようになるかも知れないじゃないですかー。

マジ: ムリムリ。それ、無理だから。

うさ: わかんないですよー。だって後ろからの絵も前からの絵も、右も左も入れれば立体になるじゃないですかー。

マジ: (笑)それがね、分かるんだ。断定出来る。もぅ絶対に出来ないから。

うさ: えー… なんかカンジわるーぃ…

マジ: カンジ悪くてもいいよ(笑)キミ、感じ良い人にだまされるのと、感じ悪くても本当のこと教えてくれる人と、どっちがいいんだい?感じ良い人にだまされる方がいいなら、キミのこの先の人生が心配だねぇ…

うさ: (そんなこと言ってないし…)じゃあ、何で出来ないんですかーぁ?

マジ: うん、そういう興味の持ち方はいいね。そうやっていちから物事を知って、考えるという癖を付けておくと、この先のキミの人生は豊かなものになるだろう。

うさ: ・・・・(オヤジくせー)

マジ: あのね。3Dの情報というのは膨大なものなんだよ。絵一枚に入っている情報が1だとしたら、3Dのデータは何万とか何千万という情報量になるだろうな。セル画のアニメーションがあるよね?あれでキャラの周りをカメラが360°回転したシーンではすごい絵の数になるというのは想像出来るだろう?

うさ: ちょっとずつカメラを動かしてキャラのまわりを回る感じですよね?
 
マジ: そう、そのとおり。

うさ: 1°ずつなら360枚なんじゃないですか?360枚の絵の情報があれば、立体になるじゃないですか?

マジ: あーいいね。その考え方は、いい。間違ってない。でも見落としてる事があるね。上下はどうする?斜めは?斜めの角度も沢山あるぞ。

うさ: あー…

マジ: セル画で考えると、セル画とセル画の間…これは人間の目に止まらないほど一瞬であれば補完されなくてもいい情報なんだ。つまり、飛ばしてしまってもかまわない情報だ。

うさ: アニメだとー…1秒に8枚とかですよねー?

マジ: さすが良く知ってるね。まぁ、枚数に決まりは無いけどな。ディズニーとかでも12~24枚で使い分けてるね。映像は大抵はそんなもんだ。ところが、フィギュアとなるとそうは行かない。

うさ: まぁ…そっかー・・・
 
マジ: なぜなら、絵ではなく実体のあるフィギュアには、「見えないくてもいい」という所が無いだろう?実際には隠れていて見えないところは確かにあるけど、それは見えていないだけであって「存在」はしていなくちゃならない。絵の場合、見えないところは絵として「存在」している必要はないんだ。…しかも、だ。

うさ: …まだあるんですかぁ?

マジ: ある。…

うさ: …(マジなげーよ)

なんと思いがけず地雷を踏んでしまい、本気(マジ)工場さんの説教クサイ3D話を聞かされることになっちまったうさ美ちゃんの運命やいかに?

…つづく!


作者より:登場する人物・団体はやや架空のものです。今後も続けようかと思っている本気(マジ)工場とうさ美ちゃんの問答スタイルなんですけど、こういう企画ゆえ、タイトルに画像が入れられません(笑)どなたかマジとうさのマンガ絵を描いてくれる方、募集しております。末永く使わせていただくと同時に、本気(マジ)工場にできることでしたら御礼もしたいと思います。描いてやるよー、というお方は、コメントに入れてください。