名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

ゴスペラーズ坂ツアー06~07 “セルゲイ”@名古屋センチュリーホール<2007年5月10日>

2007年05月13日 20時20分20秒 | 観る(ライブ)

 去年9月のZEPP名古屋以来のゴスペラーズ。

センチュリーホール。名古屋2Days2日目。雨上がりの肌寒い春の日。

ゴスペラーズ坂ツアー06~07 “セルゲイ”。

64公演中56本目、ツアーも終盤。
若草色のスーツ&黒のシャツという初夏モードの衣装。
なんとなくお疲れモード?などという心配もよそに、
最初から最後まで全速力、のども絶好調、
ダンスの切れと酒井君のときにすべるトークはいつも通り(笑)、
ライブはスムーズにあくまでもいつもの感じで進行しました。

アンコールであの方が登場するまでは。

ニューアルバムのキャンペーンで来名されていたらしく、村上リーダーが曲を提供、
リーダーもその方のライブをよく訪れている、いいとものテレフォンショッキングで
リーダーがその方をご紹介等々という友情関係から生まれた今日のサプライズ!
その方は、なんと、加藤登紀子さん。

「百万本のバラ」を歌いながら華々しく登場。芸暦40年、さすがオーラが違います。
真紅のブラウスと黒のスカート。同じライティングと思えないほど光ってました。
「ギタリスト」という曲(ニューアルバムでリーダーと共演)を、リーダーも
サングラスを取り本域でデュエット。その後「時には昔の話を」を全員で。
 
シャントゥーズII~野ばらの夢~
加藤登紀子, 村上てつや
ユニバーサルインターナショナル
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日本が揺れてた時代に多感な青春時代を過ごし、怒涛の経験をも笑って
語れるようになった今、静かで深い思いを込めて歌う。ナマで見たのは
始めてでしたけど、一声に40年の重みを感じ、本当に感動しました。

途中、ゴスペラーズに届いた登紀子さんネタのファンレターが紹介されました。

手紙を書いたその彼女が最近親から聞いた話。
貧乏学生だった彼女のお父さんは35年前、マーチン(ギター)を池袋の質屋で
手に入れる。それは後日盗品と判明、持ち主に返そうとするが、無くしたときと
何一つ変わっていない、むしろ丁寧に手入れされたギターを、持ち主はその若者に
そのまま譲ることにする。そのマーチンは今も彼女の家にある。

1972年5月4日。加藤登紀子さんは決意する。
歌をやめ、これから生まれるおなかの子供とともに生きていこうと。
収監されていく生まれる子の父親を思いながら。そう決意した日、
大切にしていたギターをなくすが、それすらも歌をやめる道への
運命と納得する。

若者が譲り受けたギターの持ち主は、加藤登紀子さん。

彼女が歌をやめることを決意した日に盗まれたギター。
35年前貧しい若者がそのギターを質屋で手に入れたこと、
その若者の愛娘がゴスペラーズのファンになったこと。
歌を好きな5人が出会い、13年前コーラスグループを結成したこと。
リーダーが加藤登紀子さんに曲を提供することになったこと。そんな諸々の
思いと事実が人を巡り合わせることになる。まさしくこれこそ「運命」。
 
 
そして、登紀子さんがステージを去った後エンディングに向かうわけですが、
ステージに残った5人が歌ったのは、「陽のあたる坂道」&「星屑の街」。
 
陽のあたる坂道
ゴスペラーズ
KRE
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会場全員の魂がひとつになり昇華する瞬間。

そんな瞬間に出会えることは、ありそうでそんなにないことなのですが、
その静かな瞬間が「陽のあたる坂道」の歌の最中にありました。

客観的に見ると、このとき、メンバーはまるで先輩を前にして恐縮する後輩
のように硬直状態で固くなっているように見えましたが、この曲を歌いながら
彼らはきっと、音楽というものと謙虚に対峙しながら、「自分と音楽との関係、
過去の軌跡」のようなものについて、また、そんな思いを込めて歌われている
歌を聴きながら客席の私たちも、それぞれがそれぞれの形で、
瞳の奥に熱い思いを巡らせていたに違いないと思います。

熱い涙が止まらないライブ。

号泣。

”セルゲイ”より”号泣”

今回のツアー、

『夢をかなえてShooting Star ”セルゲイ”より”号泣”ツアー』と勝手に改名。

忘れられないライブが1つ増えました。

ありがとう。

星屑の街
ゴスペラーズ
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<セットリスト>
(1)Let it go、(2)Love has the power, (3) Street Corner Symphony(フルコーラス), (4)侍ゴスペラーズ, (5)Get me on, (6)パスワード, (7)Platinum Kiss, (8)永遠に, (9)Prisoner of love, (10)The Ruler, (11)Slow Luv, (12)Simple Words, (13)ひとり, (14)ミモザ, (15)狂詩曲, (16)SAYONARA, (17)Tonight→Two-way Street→靴ははいたまま→ゴスペラーズのテーマ→THAT'S WHAT I WANT→FRENZY→いろは→夜をぶっとばせ (メドレー), (18)MO'BEAT(なりきり), (19)一筋の軌跡
アンコール: 陽のあたる坂道,  星屑の街 (提供BY: ミカリンさん)